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ヤクルト11―10巨人
ヤクルトが、両チーム計28安打の打撃戦を逆転で制した。八回に村上の3ランで勝ち越し、最後はマクガフがしのいだ。巨人は序盤のリードを守り切れなかった。
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巨人が10得点以上挙げて敗れたのは、実に2013年以来。打線は九回、最後のアウトを奪われるまで粘りを見せた。それだけに、際立ったのが、投手陣の淡泊さだった。
「6点は大きかったね」。原監督が試合後、悔やんだのが4点リードで迎えた三回の大量失点だ。中4日で先発した戸郷が、計4長短打などで、ノックアウト。1点差に追い上げられ、なお二死一、三塁で、火消し役に今村を送り出した。しかし、3球目、長岡に高めに甘く入った速球を捉えられて、右翼への逆転3ラン。8番打者に気持ち良くスイングをさせたのは痛かった。
このあたりからシーソーゲームに。同点で迎えた八回には、平内が四球と自らの失策でピンチを招き、村上に決勝弾を浴びた。痛恨の一打で星を落とし、巨人の自力優勝の可能性が、早くも消えた。
2位につけながら、ヤクルトとのゲーム差は11。首位チームに大きく見劣りするのが、救援陣だ。巨人は試合前時点で、救援投手の防御率はリーグワーストの4・05。一方のヤクルトは、リーグ1位の2・55の安定感を誇る。この日の乱打戦も、その出来が勝敗を左右してしまった格好となった。ヤクルトはこの日も含め、救援投手だけで、12の勝ち越し。中継ぎが踏ん張って、打撃の奮起を待つ形ができているのは強みだ。
「防げた失点はあったんじゃないか」と阿部作戦兼ディフェンスチーフコーチ。そのうえで、「バッテリーで粘って、勝ちを拾っていけるかを目標にやっていきたい」と語った。元気のなかった打線に火がついたのは好材料。あとは無駄な失点を減らしていけば、チームの歯車もかみ合ってくるはずだ。(林宏和)