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    フィギュアスケート

    田中刑事(たなか・けいじ)

    • 五輪出場権を手にし、アイスショーで滑る田中刑事(2017年12月25日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで)=竹田津敦史撮影
      五輪出場権を手にし、アイスショーで滑る田中刑事(2017年12月25日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで)=竹田津敦史撮影

    〈プロフィル〉

     2018年平昌(ピョンチャン)オリンピック男子シングル日本代表に選ばれた。1994年11月22日、岡山県出身。倉敷芸術科学大学大学院1年。1メートル72。

     7歳でスケートを始め、初出場した2011年世界ジュニア選手権で2位。2016年、グランプリ(GP)シリーズのNHK杯で3位に入る。2017年は、2月のユニバーシアードで銀メダルを獲得したが、4月に初出場した世界選手権は19位。五輪シーズンの今季はGPシリーズの中国杯こそ7位にとどまったが、12月の全日本選手権で2位に入り、初めての五輪出場権を手にした。

    田中2位 踏ん張った 全日本フィギュア(2017年12月24日)

    • 男子フリーで演技する田中刑事(2017年12月24日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで)=竹田津敦史撮影
      男子フリーで演技する田中刑事(2017年12月24日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで)=竹田津敦史撮影

     フィギュアスケート・全日本選手権最終日(24日・東京武蔵野の森総合スポーツプラザ)――男子のフリーが行われ、ショートプログラム(SP)首位の宇野昌磨(トヨタ自動車)が186・47点でフリーも1位となり、合計283・30点で2連覇を飾った。SP2位の田中刑事(倉敷芸術科学大)は175・81点でフリー2位に入り、合計267・15点で2位。宇野、田中は、ともに初の五輪代表入りを決めた。無良崇人(洋菓子のヒロタ)は3位、友野一希(同大)は4位、村上大介(陽進堂)は5位。

    4回転2本成功、五輪つかむ

     演技を終えた田中が天を仰いだ。緊張から解き放たれ、自然と笑みが浮かんだ。

     演技後半に成功させた4回転トウループが、国際スケート連合(ISU)非公認ながらフリーの自己ベストを上回る高得点につながった。フリーで初めて2種類計3本の4回転ジャンプに挑戦。10月に右股関節付近を負傷し、ここまでトライできなかった構成だ。

    • フリーを滑り終えた田中刑事
      フリーを滑り終えた田中刑事

     最初の4回転サルコーは鮮やかに決めたが、2本目は着氷が乱れ、連続ジャンプの予定が単発になった。痛いミスだが、逃げずに攻め、3本目を決めた。負傷の影響で、一時は練習でもできなかった「鬼門」だが、「順位より、練習したことを出しきることにこだわった」と、成功につなげた。

     試合から遠ざかった間、同じ岡山県出身で、バンクーバー五輪銅メダルの高橋大輔さんに指導を受け、改めて五輪への思いを募らせた。日付が変わるまで練習し、「ここをどう過ごすかで人生が変わる」と自らを追い込んだ。演技前、「やるだけのことはやってきた」と言い切れた時点で、好演は必然だった。(永井順子)

     田中刑事「小さい頃からの夢だった五輪の切符をつかむことができた。心に残る演技をしたい」

    でかした2位発進(2017年12月22日)

     フィギュアスケート・全日本選手権第2日(22日・東京武蔵野の森総合スポーツプラザ)――来年2月の平昌五輪の最終代表選考会を兼ねて行われ、男子ショートプログラム(SP)は前回優勝の宇野昌磨(トヨタ自動車)が96・83点で首位発進した。昨季世界選手権代表の田中刑事(倉敷芸術科学大)が91・34点で2位につけ、無良崇人(洋菓子のヒロタ)は3位。村上大介(陽進堂)は4位、友野一希(同大)は5位。

    • 男子SPで演技する田中刑事(2017年12月22日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで)=竹田津敦史撮影
      男子SPで演技する田中刑事(2017年12月22日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで)=竹田津敦史撮影

    友人・羽生と「同じリンクで滑りたい」

     冒頭の4回転サルコーをこらえて成功させ、会場の空気を一気に引き寄せた。田中が気迫の演技で国際スケート連合(ISU)非公認ながら自己ベストを大幅に上回る91・34点を出し、3枠の五輪代表争いで「第3の男」に名乗りを上げた。

     演技前は脚の震えが止まらなかったが、「失敗してもいい。やるしかない」と、湧き上がる緊張をねじ伏せた。今季は10月のGPシリーズのロシア杯を右股関節付近のケガで欠場し、11月上旬の中国杯は7位と出遅れた。しかし、その後は朝、昼、夜と1日3回の練習を自らに課し、「最後は体が動かなくなるまで」滑り込んだ。猛練習を乗り越えた自信が、大舞台で生きた。

     右足首の負傷で欠場したソチ五輪王者の羽生結弦とは同学年で、ジュニア時代は競い合った間柄。今季はお互いケガで苦しみ、「全日本で一緒に滑れたらいいね」と話していた。今回実現しなかった願いも、自分が五輪に行けばかなう。「友人としてもスケーターとしても尊敬している。同じリンクで滑りたい」。強い思いを胸にフリーに臨む。(永井順子)

    中国杯は7位(2017年11月4日)

     フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第3戦、中国杯は4日、北京で男子フリーが行われ、SP4位の田中刑事(倉敷芸術科学大)はフリー8位で、合計247・17点の7位。SP首位のミハイル・コリャダ(ロシア)が優勝した。

     田中刑事「(けが明けで)練習量が足りず、体力面に不安があった」

    連載[咲け 平昌へ](3)世界の壁 ジャンプ(2017年2月13日掲載)

    • NHK杯でのフリー演技(2016年11月26日、北海道・真駒内セキスイハイムアリーナで)=若杉和希撮影
      NHK杯でのフリー演技(2016年11月26日、北海道・真駒内セキスイハイムアリーナで)=若杉和希撮影

     田中刑事 22 (倉敷芸術科学大)

     「世界という大きな壁を、どれだけ乗り越えていけるか」。昨年12月の全日本選手権で自身最高の2位に入り、初めてつかんだ世界選手権(3~4月、ヘルシンキ)代表の座。記者会見では、少し興奮した面持ちで意気込みを語った。

     飛躍を遂げた今シーズンは「()せる演技をして、パーソナルベストを更新」と目標を掲げた。大きなアピールとなったのが、11月のグランプリ(GP)シリーズ・NHK杯。ショートプログラム(SP)とフリーで計3度の4回転サルコーを着氷させ、ともに自己新をマーク。3位でGP初の表彰台に上った。

     シーズン前から4回転を強く意識していた。男子の世界トップは、複数の種類の4回転を跳ぶ時代。昨夏の合宿では「やるしかない。踏み切りが悪くても、とにかく回らないと」と失敗を繰り返しても挑み続けた。

     スケート関係者が「力強いけど、品がある」と評価するように、表現力には定評があった。ただ、ジャンプの不安が大きいと、その長所までおろそかになっていた。だから、「ジャンプに余裕を持ちたい」と、課題から逃げずに練習を重ねた。

     ソチ五輪金メダルの羽生結弦(ANA)とは同学年で、少年時代は競い合った仲。平昌五輪の国・地域別の出場枠(最大3)がかかる世界選手権では、ともに戦う。「僕は重圧を感じている場合ではない。追いつけるよう、ただ頑張るだけ」

     今季は羽生、宇野昌磨(中京大)に次ぐ3番手に浮上したが、負傷で試合に出られなかった国内のライバルがおり、五輪への道は簡単ではない。「あと1年で、もっと成長したい」。レベルアップのヒントをつかむためにも、まずは今春、全力で世界に挑む。(前田剛)

    2017年12月28日 12時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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