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照ノ富士 初志貫く…新横綱誕生

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祝福される照ノ富士(伊勢ヶ浜部屋で)=代表撮影
祝福される照ノ富士(伊勢ヶ浜部屋で)=代表撮影

 けがと病気に苦しみ、2年あまり前は序二段でくすぶっていた大器が劇的な復活を遂げ、ついに頂点を射止めた。21日に正式に誕生した令和初の新横綱・照ノ富士(29)。29歳7か月での昇進は、年6場所制以降6番目の高齢となる。横綱土俵入りは、平成初の新横綱だった師匠の伊勢ヶ浜親方(元横綱旭富士)と同じ「 不知火しらぬい 型」に決まった。

[やぐら太鼓]29歳 品格・力量向上誓う

 照ノ富士がまだ平幕の頃だからもう7年前になる。名古屋場所の宿舎。朝稽古を終えた照ノ富士が大方の記者が帰ったのを見計らい、突然土俵に上がって不知火型のせり上がりを練習し始めた。横綱といえば、「神」にも例えられる神聖不可侵の存在。さすがに「まだ顔じゃない」(身分不相応という意味の角界用語)と感じ、あえて見なかったようにしたのを思い出した。

 「目指しているのは一番上の地位。入門当時からそう思っていた」。記者会見で照ノ富士は待ち焦がれていた綱への思いを明かした。とんとん拍子に大関へ上がり、序二段まで落ち、瀬戸際からはい上がった。苦境に立たされても、初心はぶれていなかった。

 口上には「品格、力量の向上」という表現を入れた。師匠と相談して決めたというが、当然、白鵬のことが頭にあるはず。モンゴルの先輩横綱が進退危機から復活した名古屋場所で見せた最後の2日間の相撲に「勝てば何をしてもいいのか」と品格面で疑問符をつけた人も多かったのではないか。

 横綱は全力士のお手本となる協会の看板だ。若い頃はやんちゃさで鳴らした照ノ富士だが、元々は頭の回転の速い優等生だった。誰からも愛され、尊敬される存在に。求められる横綱像は当然、理解していると信じている。(上村邦之)

最短で大関通過 月給50万円増

 【モンゴル出身】

 モンゴル出身の横綱は朝青龍、白鵬、日馬富士、鶴竜に続いて5人目。外国出身は7人目。

 【最短通過】

 関脇から横綱まで2場所で大関を通過するのは、双葉山、照国と並ぶ最短記録。

 【大関陥落後の昇進】

 大関陥落を経験後に横綱まで昇進するのは、昭和以降では1979年の三重ノ海以来2人目。

 【待遇】

 月給は大関の250万円から300万円に増額。大関時代に3~5人程度だった付け人は土俵入りのため10人前後へ倍増する。

  八角理事長(元横綱北勝海) 「横綱は、大関にはないものを求められ、今まで以上に多くの期待や重圧と戦わなければならない。綱の重みをしっかりとかみしめて、立派な横綱になってくれることを期待している」

  ◆不知火型= 横綱が行う土俵入りの型の一つ。結び目に二つの輪を作った綱を締め、四股を踏んでせり上がる際に両手を広げる。攻めの型を表現しているとされる。雲竜型は輪が一つの綱を締め、左手を脇腹に当てて右手だけを伸ばす。白鵬が不知火型で、鶴竜は雲竜型だった。どの型を選ぶかは師匠や部屋の先例に倣うことが多い。

「見本になる」

 照ノ富士の記者会見での主な一問一答は次の通り。

 ――口上の「不動心」はどんな思いで入れたか。

 「何事にもぶれない精神を持って頑張っていきたいという思いで」

 ――「横綱の品格、力量の向上」との決意もあった。

 「横綱という地位は協会の看板を背負って立っている。親方とおかみさんと相談し、どういう生き方をするべきかを考えて入れた」

 ――口上の自己採点は。

 「自分の中では満点」

 ――横綱の地位はどんなものと考えるか。

 「今まで通りでは絶対に駄目ですから。みんなの見本、基本となる横綱でいたいと思う」

 ――横綱としての覚悟は。

 「相撲に取り組む姿勢をもっと磨いて、強くなっていきたい」

 ――一息つけるか。

 「一息つくとたるんでしまうというか、常に毎日頑張っていきたい」

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2226090 1 大相撲 2021/07/22 05:00:00 2021/07/22 05:00:00 2021/07/22 05:00:00 伝達式後、肩車で祝福される新横綱照ノ富士(上)=伊勢ケ浜部屋、2021年7月21日(代表撮影) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210722-OYT1I50000-T.jpg?type=thumbnail

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