羽生結弦、まさかの3位…「すごく疲れた」「自分らしくないジャンプ」
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フィギュアスケートの世界選手権は27日、ストックホルムで男子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)1位の羽生結弦(ANA)は182・20点でフリー4位にとどまり、合計289・18点で3位に終わった。SP2位の鍵山優真(神奈川・星槎国際高横浜)がフリー2位で291・77点とし、初出場で2位に入った。フリー1位のネーサン・チェン(米)がSP3位から逆転し、320・88点で3連覇を達成。宇野昌磨(トヨタ自動車)は277・44点で4位だった。
鍵山にも逆転許す大崩れ

目の前にあったはずの頂点が、消え去った。フリーの演技を終えた羽生の表情がゆがんだ。
チェン、鍵山と好演が続いた後の最終滑走。冒頭の4回転ループは着氷で片手をついた。続く4回転サルコーも着氷で大きくバランスを崩した上に、再び片手をつくミス。「一気にバランスが崩れていった」と振り返る通り、集中の糸が切れたような跳躍が続いた。得意のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)にも2本ともミスが出て、連続ジャンプにできなかった。
上杉謙信の半生を描いた大河ドラマ「天と地と」の楽曲に乗せ、「戦いに対する美学」を表現しようと臨んだ。羽生の「美学」とは、完成度の高いジャンプで、芸術としてのプログラムを演じることだった。決意とは裏腹な演技に、「練習でもあまりなかったパターン。最後まで平衡感覚を取りきれなかった」と落胆を隠せなかった。
「またベストを尽くして、五輪が来ることを心待ちにしたい」。衝撃的な敗戦を、五輪シーズンに向かう原動力にしたい。(小沢理貴)
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