広島市に住む元デザイナーの長尾ナツミさん(91)は爆心地から1.4キロで被爆しました。当時、進徳高等女学校の2年生。学徒動員先に向かうため校庭に集まっていたときでした。長尾さんは全身を焼かれ、ただれ落ちた皮膚が地面につかないよう両腕を挙げ、劫火(ごうか)を歩き続けました。後遺症への恐怖から結婚や出産をあきらめ、一人で生きていくすべとして選んだのがデザイナーの道でした。国際的なファッションデザイナー森英恵さんの助手となり、世界中を飛び回りました。被爆証言を始めたのは75歳のとき。それまで決して被爆体験を口にすることはなかった長尾さんの背中を押したのは師と仰ぐ森さんでした。長尾さんが被爆証言に込める思い。それは一瞬で未来や希望を奪われた被爆者たちの無念です。一発の原子爆弾がもたらしたその苦しみを、世界や後世に語り継ぎます=広島テレビ放送制作、短縮版 2021年11月9日公開 ◇ 読売新聞大阪本社と広島テレビ放送は、原爆報道に関する共同プロジェクトを11月から始めました。同じ人物にそれぞれが取材し、証言を記事と映像で伝えます。広島テレビは夕方のニュース情報番組「テレビ派」で放映します。 語りたい 伝えたい 読売新聞×広テレ 「話す義務」恩師の一言 名言巡礼 映画「黒い雨」から 広島市 名言巡礼 「父と暮せば」から 広島市 スクープ、ユニーク映像募集中 動画の投稿