「震災5年 触れる」 がれき撤去のダイバーと共に

海底のがれきをダイバーたちが揺り起こすと、泥土がもくもくと巻き起こった。視界が茶褐色に暗転し、その中で影がうごめく。岩手県越喜来(おきらい)湾に面する漁港での、ボランティアによるがれき撤去作業。港内には5年たつ今も漁具や金属片が散乱し、手を触れるとまるで、あの日以来よどみ続ける時間が、泥とともに沸き上がって来るかのようだ。自然の力は生命をつむぎ、被災地の海は豊かな再生を遂げつつある。でもその深みにはあちこちに、まだ巨大ながれきの塊が残る。水温8度。「三陸ボランティアダイバーズ」代表の佐藤寛志さん、地元の漁師で「自分の海は自分で守る」と、震災後潜水のライセンスを取った佐々木淳さんが、この日の作業の収穫を引き揚げた。2人が言う。「これまでも海は多くの命を奪い、そのたび人々は乗り越えてきた。それが、海とともに生きるということだ」=大阪本社写真部 尾崎孝撮影 文・編集委員 結城和香子 2016年3月22日公開

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