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「デッサン力」だけじゃない

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審査員の画家・林亮太さんに聞く 心に響いた過去作品

 中高生の描いた地元のイチオシがノートの表紙になる!! そんなワクワクする絵画コンテスト「キャンパスアートアワード2020」(読売中高生新聞、コクヨ共催)で、画家の林亮太さんが3年連続で審査員を務めてくれることになりました。審査員の心の琴線に触れるのはどんな作品なのか。林さんに18、19年の入賞作品の中から4点挙げてもらいました。

〈POINT!〉自分なりの表現

 ◎18年入賞作品「広島を燃やす者達」
 ◇播磨舞さん/広島県・広島女学院高1年

 広島と言えば、野球の広島カープと応援するファン。選手や野球場を描いて表現しがちですが、ボールの模様がある2匹の鯉で作品を構成するアイデアに胸を打たれました。赤と白の2色のシンプルなデザインも秀逸。ストレートに対象を描かず、自分なりに表現するお手本のような作品です。

 

〈POINT!〉強い思い感じた

 ◎18年入賞作品[夜の航空公園」
 ◇筋野古都美さん/埼玉県・東星学園高1年

 描いたのは埼玉県にある所沢航空記念公園です。「青い夜空をバックにした航空機が一番かっこいい!!」。作品から作者のそんな強い思いを感じました。空を黒くせずに夜を表現するのはプロでも難しいですが、森の黒いシルエットや地面から航空機に当てられた光で見事に描ききっています。

 

〈POINT!〉思い切りの良さ

 ◎19年入賞作品「古墳つめあわせ」
 ◇砺山紫さん/大阪府・堺市立陵南中2年

 前方後円墳をこれでもかと重ねて描いていく思い切りの良さにやられちゃいました。古墳を題材にしたとき、普通は周囲にあるお堀や緑の草木を配置しそうですが、描きたいものだけを描くというエネルギーにあふれています。古墳のバックにあしらった細かな模様も魅力ですね。

 

〈POINT!〉発想力に脱帽

 ◎19年入賞作品「練馬大根教のご先祖様」
 ◇江藤さやかさん/東京都・都立大泉桜高2年

 東京都練馬区の名物と言えば、練馬大根。大根をそのまま描いても…と考え、「練馬大根教」という宗教があり、ご先祖さまが大根の舟に乗ってお盆に帰ってくるという物語を作って絵にする発想に脱帽しました。作者は描く前からワクワクしていたはず。絵を描く上でとても大切なことです。

 

※作者の肩書は受賞当時のものです。

林さんのまとめ

 審査員として目を引かれるのは、この人はこれが描きたかったんだ、好きなんだと伝わってくる作品です。紹介した4点はまさにそうです。写実的に描くデッサン力がないと応募してはいけないのでは…と悩む必要はありません。待っているのは、描きたいものを素直な気持ちで、その人なりに描いた作品です。今年も楽しみにしています!!

街歩き 心ひかれた風景描く 林さん

春彩夕景/2020年4月(林さん提供)
春彩夕景/2020年4月(林さん提供)
秋霖/2015年9月(林さん提供)
秋霖/2015年9月(林さん提供)

 プロの画家の林さんは、どんなふうに「地元」を描いているのか? 過去の作品を例に、話を聞いた。

 街を歩き、心ひかれた風景を描く。それが林さんのスタイル。二つの作品は東京都中野区にある自宅の近くの通りを描いたもの。「地元中の地元」ともいえる風景だ。

 一つ目は、4月に描いた「春彩夕景(しゅんさいゆうけい)」。林さんは「通りの桜並木を見るのが毎年の楽しみですが、どんどん老木が切られていて…。描けるうちに描きたいと思いました」と語る。

 描いた時間帯は夕方。ピンクの鮮やかさだけではなく、桜が生む影にもひかれたからだ。桜の向かい側の家に映る青味を帯びた影にも注目してほしい。

 二つ目は「秋霖(しゅうりん)」。2015年9月、長雨に濡れる通りに目がくぎ付けになった。路面に鏡のように反射する桜の幹の黒、飛び散る雨粒が美しく見えたという。

自宅近くの通りに立つ林さん。「いつも見ている風景も時間や季節によって変わるので画題として魅力を感じます」
自宅近くの通りに立つ林さん。「いつも見ている風景も時間や季節によって変わるので画題として魅力を感じます」

 同じ通りでも、季節や天気、時間が違うと全く別の表情を見せる。それが林さんの心を動かし、見る人を感動させる作品を生み出していくのだ。

 林さんは「コンテストのテーマは地元のイチオシですが、必ずしも名産品や観光名所ではなく見慣れた景色を描いてもよいと思います。誰も知らないけど、自分がイチオシだと感じた景色はきっとすてきな作品になるはず」と語ってくれた。

 

林さんのプロフィル

 ◇はやし・りょうた 色鉛筆画家。グラフィックデザイナーやイラストレーターとして活動し、2009年から色鉛筆による「超リアル」な絵画の制作を始める。近著に「林亮太の色鉛筆で描く」(ホビージャパン)。東京都出身。

グランプリはノート表紙! 9月11日必着

 今年で6回目の開催となる「キャンパスアートアワード」では、皆さんの作品を募集しています!!

 テーマは「My Sweet Home Town~地元のイチオシ~」。グランプリ作品は「キャンパスノート」の表紙となり、賞品として受賞者に贈られるほか、数量限定で販売もされます。

 審査員は林さんのほか、絵本作家のあだちなみさん、クリエイターで、元「でんぱ組.inc」メンバーの夢眠ねむさんが務めます。

 締め切りは9月11日(必着)。詳細はコクヨの特設サイトへ(https://www.kokuyo-st.co.jp/stationery/campus/artaward/)。

無断転載・複製を禁じます
1424844 0 キャンパス・アート・アワード 2020/08/21 14:03:00 2020/08/21 14:33:41 2020/08/21 14:33:41 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/08/20200817-OYT8I50030-T.jpg?type=thumbnail

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