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表紙にあふれる地元愛 キャンパスアートアワード2020

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 読売中高生新聞と文具メーカー「コクヨ」が開催した絵画コンテスト「キャンパスアートアワード2020」(文部科学省、観光庁後援)の最終審査が10月21日に行われ、秋田市の秋田公立美術大学付属高等学院2年、近藤(もゆる)さん(16)の作品「春はすぐそこ」がグランプリに選ばれました!!

 コンテストは今年で6回目。「My Sweet Home Town~地元のイチオシ~」をテーマに中高生から作品を募集し、全国から2071点の力作が寄せられました。近藤さんの作品が表紙になったキャンパスノートは来年3月にWEBで限定発売する予定です。完成したらお知らせしますのでお楽しみに!!

 (※受賞者の学年、年齢は掲載時のものです)

審査員のみなさん

  ◆あだちなみさん
 絵本作家。著書に絵本「くまのがっこう」シリーズ(ブロンズ新社)ほか多数。

  ◆林亮太さん
 色鉛筆画家。近著に「林亮太の色鉛筆で描く」(ホビージャパン)。

  夢眠(ゆめみ) ねむさん
 書店店主、キャラクタープロデューサーなど幅広く活動。多摩美術大学卒業。

グランプリ作品紹介

■グランプリ 『春はすぐそこ』
◇近藤 (もゆる) さん(秋田県・秋田公立美術大学付属高等学院2年)

大好きな「萌ゆる」季節

 こんなに大きな賞をいただいたことがないので、うれしいです。普段からキャンパスノートを使っているので、自分の絵が表紙になったノートで勉強したいと思います。

 テーマが「地元」ということで、秋田県の花と鳥であるフキノトウとヤマドリを題材にしました。冬が終わりに近づき、春がもうすぐやってくる山の中をイメージしました。

 この季節を描きたいと思ったのには理由があります。秋田ではまだまだ寒く、雪が積もっている頃。でも、春が近づき、地面から草花が()え出してきてすごく生命力を感じます。私は2月下旬生まれで、名前が「(もゆる)」ということもあって、この季節が大好きなんです。

 作品は小さなころから使っている色鉛筆で描きました。太陽の光が差し込んでいるのを表現しようと、白い雪面にうすい黄色を乗せて優しい色合いにしました。フキノトウの根の下の部分は濃い茶色。土の中から芽吹いた様子を表現しました。ヤマドリの羽の美しさを伝えたくて、茶色の上に白や黄を重ねました。

 構図も手前のフキノトウを大きく、奥を小さくし、山の奥行きを出しました。もっと周りに何かを描こうかとも思いましたが、山の静かな雰囲気や空気を表現したくてシンプルに抑えました。

 私は秋田で生まれて育ちました。自然が豊かで絵に描いたような景色が身近にみられるところが好きです。絵を通して、秋田の魅力が伝わればうれしいです。

審査員のコメント

 あだちさん「体感を表現」
 作品からは自分の体で季節の移り変わりやフキノトウの若い鮮やかな黄緑色を感じて、表現していることがすごく伝わってきました。都会に住んでいたら気づかないかもしれない感覚を見逃さず、自分の体感として絵に表した作品だと思います。

 林さん「日本画のよう」
 過去のコンテストでは、何が地元のイチオシなのか分かりやすい作品が中心でしたが、この絵では非常に奥ゆかしく表現されています。日本画のような雰囲気もあり、これまでとは異なる魅力を持ったグランプリが生まれたと思います。

 夢眠さん「全てが調和」
 ぎゅーっと色んなものを描きこむ人が多いなか、作品の静かで澄んだ雰囲気に目をひかれました。フキノトウ、ヤマドリ、流れる小川の全てが調和しています。春がもう少しで訪れる山のりんとした空気が伝わってきました。

準グランプリ作品紹介

■読売中高生新聞賞 『可愛い丸亀城とかわいいおいり』
◇西川●永(ちひら)さん(香川県・香川大学教育学部付属坂出中3年) ※●は示に右

見上げればお菓子

 丸亀城は、日本一高い石垣と日本一小さい天守閣で知られています。小さいけれど、どーんとした様子がかわいくて、大好きな風景です。天守閣を見上げると背景は空です。お城だけではさみしいなと思い、伝統菓子「おいり」を描くことにしました。

 お城の部分は紙を切り抜いて版を作る「紙版画」にして、カラフルなおいりを引き立たせました。色の移り具合が難しく、力強く刷りました。おいりの丸っこくてかわいい感じを、スポンジでスタンプのように押して描きました。

 審査員・夢眠さんのコメント
 紙版画を画法に選んだところが興味深いです。版画の部分とカラフルなおいりのギャップが目を引きます。「かわいいもの」つながりで丸亀城とおいりを結びつけた発想そのものが、とてもかわいい。伝統菓子が子どもたちにも根付いているのもうれしいですね。

■コクヨ賞 『味噌ニコ(^o^)うドン!』
纐纈(こうけつ)凜夏さん(愛知県・あいち造形デザイン専門学校高等課程3年)

躍るソウルフード

 名古屋メシの一つで、私も大好きな「味噌煮込みうどん」を思い切ってアップで描きました。まるで生きているような迫力を出したいと思い、麺や具材が躍っているような構図にし、具材の立体感にもこだわりました。

 本物の質感をつかむため、母に実際に作ってもらい、じっくり観察しました。味噌のつゆが染みこんだうどんの色や、弾力があって硬めの麺の様子も表現できたと思います。味噌煮込みうどんは、愛知県のソウルフード。県を越えて多くの人に親しんでもらえたらうれしいです。

 審査員・林さんのコメント
 存在感のある作品です。元気の良さ、「これがうまい!」という素直な気持ちが、がつんと響きました。よくぞ味噌煮込みうどんだけにフォーカスしたなと思います。つゆの感じ、具材が煮込まれた感じなど、とにかくリアルで、おいしそうで食べたくなります。

地区優秀賞

■北海道・東北地区 『輝き』
◇北海道・札幌大谷中3年 竹内優希さん

 北海道にはアイヌ文化や小樽の伝統工芸品、豊かな自然などがあります。それを自分なりに一つの画面に収めました。

 審査員・夢眠さんのコメント
 クマの毛をたくさんの色で描いたのがすてきで、ぎっしり感も上手です。ガラス工芸品の光がきれいに反射し、かわいい雰囲気です。

■関東地区 『夏の縁むすび風鈴』
◇埼玉県・さいたま市立宮前中2年 松井咲苗さん

 ダサイといわれる埼玉でもきれいなスポットがあると伝えたくて描きました。風鈴が空に透けた幻想的な様子を水彩で表現しました。

 審査員・あだちさんのコメント
 とても素直な絵で印象に残りました。この風景が心に残ったことがよく分かります。情景に光が感じられ、空気感が伝わります。

■中部地区 『幸せなうなぎ』
◇静岡県・県立浜松太平台高3年 宮司陽向さん

 冬に、みかんをたくさんもらいます。みかん好きな私のうれしくて幸せな思いを絵につめこみました。うなぎは自分に見立てました。

 審査員・林さんのコメント
 有彩色のオレンジと無彩色の黒という色の選び方が秀逸です。みかんをリアルに描き、うなぎをキャラクター化した対比も面白い。

■近畿地区 『はんなり!京菓子大集合』
◇京都府・京都精華学園高2年 山本花鈴さん

 四季折々の和菓子で京都の季節を表現しました。水無月(みなづき)、はなびら餅といった美しい京菓子のデザインに注目してもらいたいです。

 審査員・あだちさんのコメント
 和菓子の並べ方や背景の黒色など、デザイン性があります。色のバランスもよく、全体が美しい。画力の高さとセンスを感じました。

■中国・四国地区 『麒麟が舞う』
◇鳥取県・鳥取大学付属中3年 広富愛奈さん

 古くから伝わる麒麟獅子は幸せを呼ぶとされ、お祭りで華麗に舞います。砂丘に降り立つ姿を描きました。八つの「鳥取」も入れました。

 審査員・夢眠さんのコメント
 麒麟獅子と砂丘の組み合わせが、不思議で魅力的な世界観を作っています。特に表情にひかれます。優しく見守る様子が伝わります。

■九州地区 『佐賀の器』
◇佐賀県・県立唐津東中3年 中山萌英さん

 有田焼は、色がきれいで美しい焼きもの。そんな有田焼に佐賀の特産品のみかんやいちご、美しい景色などを描きました。

 審査員・林さんのコメント
 名物や名所を有田焼の絵柄として描いた構成が面白い。全体に配色をよく工夫していて、中央のつぼの白色が際立って見えます。

 入選者の皆さん(敬称略)
 【北海道】吉田色雛【秋田県】大山瑠菜、小林奈菜子、森川眞琳【群馬県】西那奈子【千葉県】柏瀬菜々美、塚見舞衣子【東京都】阿部くるみ、福島由莉【石川県】塚本結花【愛知県】岩川明日海、清水朱郁、脇奈那【三重県】大西翔子【滋賀県】松瀬陽【京都府】小沢もも、山口隆之祐【兵庫県】高井瑠視【鳥取県】井田真由美【広島県】太田かのん【香川県】豊嶋裕也、宮本晏妃【福岡県】小串鈴、森崎陽風【熊本県】尾方まりも、福川由珠【長崎県】小川大樹

審査員のコンテスト総評

 自分の感性を大切に あだちなみさん
 2000人以上の中高生が一生懸命取り組んでくれたことに感動しました。絵を描くことそのものが楽しいという気持ちが作品からあふれ出ていて、私もとても良い刺激をもらいました。絵には「こう描かないといけない」というものはありませんし、「これぐらいでいいかな」でとまらないでほしい。自分の感覚を大切にして一歩踏み出すと、さらに良い作品になると思います。

 「素」で描きたいものを 林亮太さん
 審査員を務めるのは3回目ですが、今回も中高生の絵のパワーを感じられてうれしかったです。なかには、過去の上位作品の傾向を分析して描いたのかなと感じる絵もありました。それが悪いわけではありませんが、作者が「()」で好きなものを描いた作品が心に響きました。みなさんには大人にはないみずみずしい力があるので、それをどんどん絵で表現してほしいですね。

 ハイレベルで驚き 夢眠ねむさん
 初めて審査員を務めましたが、作品のレベルが高くて驚きました。この絵がノートの表紙になったら使いたいかなという視点も重視して審査しました。最終選考に残った作品はそこまで考えて描けているように思いました。私が中高生のころは地元の良いところを見つけようという発想が持てませんでしたが、10代にそのきっかけをくれるすてきなコンテストだと思います。

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1689982 0 キャンパス・アート・アワード 2020/12/10 10:23:00 2020/12/10 14:44:56 2020/12/10 14:44:56 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/12/20201207-OYT8I50012-T.jpg?type=thumbnail

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