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    火力発電所で1年中イチゴ狩り?

    オール電化の栽培ハウス

     オール電化の栽培さいばいハウスで一年中イチゴを楽しめる首都圏初しゅとけんはつ施設しせつ「東京ストロベリーパーク」が、東京電力の燃料ねんりょう・火力発電事業会社が運営うんえいする横浜よこはま火力発電所(横浜市鶴見区つるみく)にオープンしました。栽培に使う水を再利用さいりようするなどエコファームとしても注目される同施設をたずねてみました。

    • 副館長の海口さんから説明を聞く。後ろには火力発電所の煙突が見える
      副館長の海口さんから説明を聞く。後ろには火力発電所の煙突が見える

     「東京ストロベリーパーク」は、今年4月にオープンしました。発電所がイチゴ栽培に乗り出したのは、エネルギーの活用だけでなく、電力の小売り自由化による競争激化きょうそうげきかしょうエネ家電の普及ふきゅうといった環境かんきょう変化へんか背景はいけいに、将来しょうらいは火力発電の需要じゅようることが見込みこまれるためです。そこで、日本人に人気の果物くだものであるイチゴに着目し、新事業に取り組んだそうです。

     最初さいしょに足をみ入れた建物たてものは、以前いぜんは発電所のPR施設でした。館内はピンクのかべゆかに、イチゴの形をしたソファもあるかわいらしい内装ないそうで、画像共有がぞうきょうゆうサービス「インスタグラム」などに投稿とうこうしたくなるフォトスポットがたくさんあります。案内あんないしてくれた副館長ふくかんちょう海口彩夏うみぐちあやかさん(30)は、「女性じょせい家族連かぞくづれのお客様が多いです」と話します。

     メインとなるのは、1年を通じてイチゴりができる「ストロベリーファーム」。火力発電所の敷地内しきちないには一定の緑地をもうけることが法律ほうりつ条例じょうれいで定められており、その緑地を活用して作られました。やく3000平方メートルのハウス内には、約2万かぶのイチゴのなえが植えられたプランターがならびます。プランターの高さは約1メートルで、床もコンクリートなので、車いすやベビーカーでもイチゴ狩りを楽しめます。

     発電所や敷地内にある風力発電機で発電する電気を活用し、ハウス内の温度や湿度しつどはコンピューターで管理かんり天井てんじょうのカーテンやまどの開けめも自動で行い、一年中イチゴ栽培にてきした環境をたもてるようになっています。また、栽培に使った水は回収かいしゅうして殺菌さっきんし、肥料ひりょうを足してリサイクル。イチゴの受粉じゅふんは、ハウス内におだやかな性質せいしつのマルハナバチを放して行っています。今後は、火力発電で発生する二酸化炭素にさんかたんそを減らすためにハウス内に取り込み、イチゴにわせる技術ぎじゅつの研究にも取り組む予定だそうです。

     栽培しているイチゴは、「とちおとめ」「よつぼし」「あきひめ」と、米国で開発された「UCアルビオン」の4種類しゅるい。「よつぼし」と「UCアルビオン」は夏の暑さにも強いのでえらばれました。「あきひめ」は実のなるサイクルが速いそうです。食べてみると、「よつぼし」はあまみが強く、「UCアルビオン」は大粒おおつぶで食べごたえがあり、同じイチゴでもそれぞれ味がちがうのにおどろきました。

     このほか、パーク内には、IH調理器ちょうりき包丁ほうちょうを使わずにクッキーやジャム作りが体験たいけんできるキッチンスタジオがあります。イタリアンレストランやショップのほか、イチゴに合うチョコレートのカカオ豆を焙煎ばいせんするところが見学できる「イチゴラボ」もあり、スイーツを味わえます。

     「一般いっぱんの方に来ていただける交流の場を作りたかった。いらしたお客様に笑顔えがおになってほしい」と海口さん。イチゴ狩りとキッチンスタジオは予約制よやくせいですが、そのほかの場所は無料むりょうで入れるので、気軽に足を運ぶことができます。発電所でイチゴという斬新ざんしんなアイデアに心がおどり、家族でまた来てみたいと思いました。(高1・辻井倫太朗つじいりんたろう、中3・伊東志穂菜いとうしおな、小6・本谷理彩もとたにりさ記者、撮影さつえい今野絵里こんのえり

    2018年06月18日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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