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    ジュニア記者が、様々なニュースを取材して記事を掲載します。

    世界の未来 自ら考える

    SDGsって、私たちにも何かできるの?

     「SDGsエスディージーズ(Sustainable Development Goals=持続可能じぞくかのうな開発目標もくひょう)」という言葉を目にしたことはありませんか。2030年までにだれもが住みよい世界を作ろうと、国連で採択さいたくされた17の目標のことです。SDGsを学ぶワークショップを、東京都武蔵野むさしの市の都立武蔵高校・付属ふぞく中学で取材しゅざいしました。

    自然破壊に衝撃

    • 持続可能な社会の実現のため「意欲のある子どもたちと学校の枠を超えて行動したい」と熱く語る山藤さん
      持続可能な社会の実現のため「意欲のある子どもたちと学校の枠を超えて行動したい」と熱く語る山藤さん

     ワークショップを開いてくださったのは、同校の生物教諭きょうゆ山藤旅聞さんとうりょぶんさん(38)。「SDGs達成たっせいに、先進国の日本だからこそできることがあるはず」との思いから、「5人いれば全国どこへでも」と手弁当てべんとうび回り、昨年さくねんは33もの授業じゅぎょうを出前したそうです。

     活動のきっかけは、山藤さんがボルネオ島のマレーシア領部分で目にした熱帯ねったい雨林の破壊はかい菓子かし洗剤せんざいなどに使われるパーム油の原材料げんざいりょうとなるアブラヤシのプランテーション開発で、「多様な生物のすむ貴重きちょう自然しぜんが破壊されていることに衝撃しょうげきを受けた」と話します。

     山藤さんは、現地げんちでの植林活動や中高生のスタディー・ツアーを開始。同時に、子どもたちが日頃ひごろから世界の未来みらいについてみずから考え、それを社会に還元かんげんするのをうながすような学びの場を提供ていきょうしたいと考えたそう。「SDGsは、そのきツール」と山藤さんは話します。

     17の目標には、「貧困ひんこんをなくそう」「気候きこう変動に具体的ぐたいてき対策たいさくを」などがあり、たとえば貧困撲滅ぼくめつについては「1日1・9ドル未満みまんで生活する極度きょくどの貧困をなくす」など、全体で169のターゲットが設定せっていされています。2015年採択のSDGsがユニークなのは、それが途上国とじょうこくだけにされた先進国のルールのしつけでなく、国などのわくえ、みんなで取り組む点にあるそうです。

    ゲームで問題解決

     SDGsの説明せつめいつづき、2人1組になった私たちに、17の目標が印刷いんさつされたカードが配られました。ペアの1人が重要じゅうようと思うじゅんにカードをならべ、その順番にした理由をもう1人に説明します。人により優先ゆうせん順位がちがうことが分かり、目標達成は1人ではできないので、話し合いが大事と実感しました。

     しかし、子どもの私たちに世界の問題の解決かいけつなどできるでしょうか。そんな疑問ぎもんに答えるように山藤さんは、大量のプラスチックごみになやむインドネシア・バリ島で、大人をんでレジぶくろの使用をやめる運動を起こした2人の少女をビデオで紹介しょうかいしてくれました。私たちのやる気がぐんと上がりました。

     そして、SDGsの本質ほんしつを理解するカードゲームに挑戦ちょうせんです。2人1組になり、親役の山藤さんから「大いなるとみ」「貧困撲滅の聖者せいじゃ」など、かくペアが2030年までに到達とうたつすべきゴールが書かれたカードを1まいずつと、一定のお金と時間に相当するカードをもらいます。

     つぎに、「交通インフラの整備せいび」など、ペアが取り組む事業のカードが12枚ずつ配られました。事業の実現に必要なお金や時間、実現したら受け取るお金や時間などが書かれています。事業のカードや手元のお金、時間は、他のペアとのやり取りも可能かのうです。

     ゲームのもう一つの重要な要素ようそは、世界の状況じょうきょうを表す3色のマグネット。参加者が共有きょうゆうするホワイトボードに、事業が実現すると、そのカードにしめされた色のマグネットをけたり、はずしたりします。青は経済けいざい、緑は環境かんきょう、黄は社会を意味しており、例えば「交通インフラの整備」を実現すると、青が1個増え、緑が1個らされます。3色のバランスが取れた状態じょうたいが理想です。

     しかし、中間報告では、多くのペアがゴールに到達していたものの、ホワイトボードには、経済だけが異様いように発達し、社会の公正さや環境に配慮はいりょしない世界ができ上がっていました。

     その後は参加者が視野しやを広げ、最終的にバランスの良い発展をげた世界を実現させました。ゲームを通じて、目の前の課題かだいにとらわれず、世界全体のことを考えて行動する大切さを学びました。

     未来の自然環境などに関して悲観的ひかんてきなデータを見ることが少なくありませんが、ワークショップを通じて、事態を打開していくのは私たち自身なのだと強く感じました。

     (高2・益子百花ますこももか、中3・遠田剛志えんたつよし、中2・時田莉瑚りこ橋本玄太郎はしもとげんたろう記者、撮影さつえい吉岡よしおかつよし

    2018年07月09日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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