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    日本一速い鉄道が教材になっているんだって!

    新幹線で いろいろ学べる

    • 新幹線を題材にした教材について谷さん
      新幹線を題材にした教材について谷さん

     子どもたちが大きな日本一速い鉄道・新幹線しんかんせん。そんな新幹線を題材だいざい様々さまざまな教科を学ぶ取り組みが、注目を集めています。新幹線学習の教材開発にたずさわった玉川大学教職きょうしょく大学院教授きょうじゅ谷和樹たにかずきさん(54)に、その内容ないようや学習効果こうかについて聞きました。

    ネットで無料公開 地理や道徳などに活用

     谷さんが新幹線を題材にした教材を開発したきっかけは、学校の教員で作る研究団体だんたい「TOSS」で行っていた勉強会でした。TOSSでは、様々な企業きぎょう連携れんけいして教材を開発し、勉強会には協賛きょうさん企業の人が来ることもあるそうです。数年前、環境かんきょう教育のセミナーに東海道新幹線を運行しているJR東海の広報担当者こうほうたんとうしゃおとずれ、「写真や資料しりょう提供ていきょうするので、新幹線を使った教材を作成さくせいしてみては?」と言われたことから、開発に取り組むことになったそうです。

     小学校で20年以上教師きょうしをしていた経験けいけんから、谷さんは「子どもの多くは新幹線が好き。魅力みりょくのある教育素材そざいであることは分かっていた」と話します。思い返すと、私たちも小学生のとき、新幹線が登場する算数の速さの問題に親しみ、社会の教科書にっていた新幹線の写真に目をかがやかせたものでした。

    • 地理から道徳まで学べる教材。すごろくやかるたもあり、楽しみながら学習できる
      地理から道徳まで学べる教材。すごろくやかるたもあり、楽しみながら学習できる

     1年ほど前に完成した教材は、「しくみ・技術ぎじゅつ」「地理」「環境」「はたら人々ひとびと」の四つのジャンルに分かれています。写真をふんだんに使い、小学校のてい学年から高学年まで学年に合った難易度なんいどの問題が作られています。たとえば、「地理」の高学年向けの問題では、新幹線が様々な場所を走っている写真をしめし、そこに写っている山や鉄橋などを手がかりに、写真がられた場所を当てたり、山や川の名前を答えたりします。

     「働く人々」では、運転士うんてんしから車内清掃員せいそういんまで、新幹線を安全で快適かいてきに運行するためにかかわっている人たちの仕事や、日々どんなことに気をけて働いているかを学べます。モラルやおもてなしについて考えることで、今年度から小学校で教科の一つになった道徳どうとくの授業を行うこともできます。さらに、「しくみ・技術」では、新幹線に結集けっしゅうされている日本の最先端さいせんたん技術について知ることで、子どもたちに「自分の国にほこりを持ってほしい」と谷さん。新幹線が、都市だけでなく様々な教科をつなぐ存在そんざいであることに感心しました。

     教材は、JR東海の博物館はくぶつかん「リニア・鉄道館」(名古屋市)のホームページで「楽しく学べる! 鉄道教材」として公開されており、無料でダウンロードできます。実際じっさいに使ってみた先生からは、「子どもが授業に熱中ねっちゅうした」といった声がせられているそうです。発達障はったつしょうがいなどで授業に集中することや友達ともだちとのコミュニケーションが苦手な子どもも、鉄道や新幹線に興味きょうみがあれば、「この教材で学習が成り立つ場合もあるでしょう」と谷さんは期待きたいします。

     谷さんは現在げんざい、2027年開業かいぎょう予定のリニア中央新幹線を題材にした教材開発に取り組んでいるとのこと。この教材が小学校だけでなく、教育の場で幅広はばひろく活用されるとともに、学んだ子どもが日本の技術や環境問題、働いている人に興味を持ち、様々なことに挑戦ちょうせんしていけたらいいなと思いました。

    (高2・木下純一きのしたじゅんいち、高1・山口万由子やまぐちまゆこ、中3・鈴木麻秀すずきましゅう記者、撮影さつえい松本拓也まつもとたくや

    2018年10月29日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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