部活動 「ブラック」見直そう

無断転載禁止
メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

入部が当然 このままでいい?

 わたしたちジュニア記者をふくめ、中高生の多くが参加さんかしている部活動。近年、暴力ぼうりょく体罰たいばつ生徒せいと教師きょうしを長時間拘束こうそくする「ブラック部活」が問題となっています。部活動にくわしい早稲田大学准教授わせだだいがくじゅんきょうじゅ中澤篤史なかざわあつしさん(39)に、部活動の歴史れきしやこれからのあり方について聞きました。

もともとは自発的に楽しむもの

研究室で話す中澤さん
研究室で話す中澤さん

誕生は明治時代

 今年、スポーツちょうは運動部の活動を週2日以上いじょう休みにすることなどをんだガイドライン(指針ししん)をまとめ、運用を始めました。その背景はいけいには、同庁の調査で、週1日も休養日きゅうようびもうけていない中学校が全国で2わり以上あるなどの実態じったいがあります。2012年には大阪市の高校で体罰を受けた運動部の生徒が自殺じさつするなど、行きぎた指導しどうも問題になっています。中澤さんは、「部活動の歴史を知り、そのあり方をあらためて考えることで、現状げんじょうを変えられるのでは」と話します。

 日本の部活動の歴史は意外に長く、誕生たんじょうしたのは明治時代。まだ「帝大ていだい」とばれていた東京大学で、欧米おうべいから最先端さいせんたん技術ぎじゅつや学問を学ぶためにやとい入れた外国人教師がスポーツも日本に持ち込み、学生が行うようになったのが始まりだそうです。また、当時から、新聞部や弁論べんろん部など文化けいの部活動もありました。

 戦前せんぜんは生徒が自発的に楽しむものだった部活動ですが、戦後は、生徒の自主性じしゅせいを育む教育活動として、なか強制的きょうせいてきに参加させられるようになりました。中澤さんは、「戦前と戦後で部活のあり方が変わった」と言います。さらに、部活動は非行ひこうに走る生徒を更生こうせいさせる場にもなりました。現在げんざいは、中学生の9割、高校生の7割が何らかの部に入っているそうです。

 日本の部活動は、外国とくらべても独特どくとくです。中澤さんによると、欧米では部活動は日本と同様に学校で行われていますが、目的もくてきは生徒のレクリエーションだったり選手育成せんしゅいくせいだったりすると聞き、日本の部活動とはちがうことにおどろきました。また、ドイツなど、学校より地域ちいきでの活動がさかんな国もあると聞きました。

余裕ある環境を

 そもそも、部活動は本来ならば生徒がきなことに打ち込めるはずのものです。ところが、現在は部活動があることや入部することが当たり前になり、「『やりたいからやっている』という気持ちがうすれているのではないでしょうか」と中澤さん。そして、「生徒を部活動に強制的に参加させることをやめるべきだ。生徒が声を上げることができ、教師もそれを聞ける余裕よゆうがある環境かんきょうを作ることが必要ひつよう」と指摘してきします。

 中澤さんは、生徒や教師、スポーツ関係者かんけいしゃ対象たいしょうに、各地かくちで部活動に関する講演こうえんも行っているそうです。「部活がつらいならやめてもいい。その決断けつだんをすることも、将来しょうらいいろんなことを自分で決める練習になります」と力を込めます。また、「生徒がわも、顧問の先生の家庭の事情じじょう勤務きんむ環境について聞いてみるとよいのでは」と、私たちが今まで考えたことがなかったことも話してくれました。

 部活動には、生徒が身近な場で安心してスポーツや文化活動を楽しめるという利点りてんがあります。自分の好きなことを部活動で行える環境にあることに感謝かんしゃしながら、また違う見方で部活動を考え、生徒の立場からよりよい活動ができるよう声を出していかなければいけないと思いました。

(高2・西沢桃佳にしざわももか、中3・西山寿奈にしやまじゅな、中2・田中優衣たなかゆい橋本玄太郎はしもとげんたろう記者、撮影さつえい岩佐譲いわさじょう

52026 0 キッズニュース 2018/12/10 05:20:00 2018/12/10 05:20:00 2018/12/10 05:20:00 えときは原稿で別送します https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181203-OYT8I50001-T.jpg?type=thumbnail

ニュースランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ