リアルすぎるジオラマ、どう作っているの?

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 「自分の部屋へや」など、身近な光景こうけいをミニサイズで本物そっくりに再現さいげんする作品で注目ちゅうもくを集めるジオラマアニメーターMOZUさん(20)。東京都内の自宅兼工房じたくけんこうぼうたずね、創作そうさくを始めたきっかけや今後の目標もくひょうについて聞きました。

1/6サイズ ぜんぶ手作り

「友達の部屋」を説明するMOZUさん(右)と、ジュニア記者(園田寛志郎撮影)
「友達の部屋」を説明するMOZUさん(右)と、ジュニア記者(園田寛志郎撮影)

 「顔出しNG」のMOZUさんは帽子ぼうしとマスク姿すがたあらわれ、さっそく作品「友達ともだちの部屋」を見せてくれました。奥行おくゆき45センチ前後の小さな部屋には学習机がくしゅうづくえやベッド、本棚ほんだな、クーラーがあり、今にも部屋のあるじが帰ってきそう。本物とちがうのは、すべて実寸じっすんの6分の1サイズだということ。かべ美術用びじゅつようキャンバスを組み合わせて作り、中にある家具かぐ装飾品そうしょくひん、文具などはプラスチックの板とぼう成形せいけいし、縮小しゅくしょうコピーをったり、色付いろづけしたりして再現しました。

 本棚のマンガやペン立てのペンも1点ずつ作られ、取り出せます。「優勝ゆうしょう 帰宅部きたくぶ賞状しょうじょうの入った額縁がくぶち、そのうらには「百万円さつ」のへそくり、「宇宙旅行うちゅうりょこう」の日程をメモした付箋ふせんと、部屋にはクスッとさせる“小ネタ”だらけ。「説明せつめいしてエッとおどろく人のかおを見るのが何よりうれしい」とほこらしげでした。

 写真しゃしんると、さらにリアルさがします。まどから光を入れ、スマートフォンのカメラで一部分を写すのが基本きほん。手が入ると「巨人の手」風、カマキリをくと「巨大きょだい生物の襲来しゅうらい」風にできます。「歩いて部屋に入っていく様子」として、スマホを小さく上下に動かしながら撮るお気に入りの動画テクニックも教えてくれました。

 ほかの作品は置く場所がないため、とりあえず解体かいたいしているそう。「完成かんせいしてしまったら興味きょうみがなくなっちゃう。だから完成するのが一番きらい」。もの作りへの強い思いがうかがえます。

作品「ゴミ捨て場」。ゴミ袋の中身まで忠実に再現した
作品「ゴミ捨て場」。ゴミ袋の中身まで忠実に再現した
作品「電柱」。ミニチュアの電柱を本物の電柱と一緒にパチリ
作品「電柱」。ミニチュアの電柱を本物の電柱と一緒にパチリ

 漫画家志望まんがかしぼうだった父親の影響えいきょうで、物心ついたころから絵をくのがきだったMOZUさん。小学校の頃からガンダムのプラモデルに夢中むちゅうになり、そのうち、よごれを入れたり、背景はいけいを作ったりと、自分なりに工夫くふうくわえ始めました。美術けいの高校に進むと、芸術家げいじゅつかを目指すクラスメートらに刺激しげきされ、高校1年で初のジオラマとして「自分の部屋」を完成させました。

 翌年よくねん、これを同級生がツイッターにせると、大変たいへん評判ひょうばんに。テレビ局の取材しゅざいもあり、一躍いちやく注目されました。その後も、「ゴミて場」「電柱でんちゅう」、自分の理想りそう詰め込つこんだ架空かくうの「友達の部屋」などをコツコツ制作せいさく。作品を紹介しょうかいする自分のツイッターにはやく11万のフォロワーがいるそうです。


 物を一コマごとに動かして撮り、連続再生れんぞくさいせいすることで動いて見せる「コマ撮りアニメ」も、中学生の頃から制作しています。2015年には、ジオラマの中を自作キャラが動く短編たんぺんアニメ「故障中こしょうちゅう」で、アジア最大さいだい映像えいぞうコンテスト「Digicon6」の18歳以下部門さいいかぶもん最優秀賞さいゆうしゅうしょう獲得かくとく。高校卒業そつぎょう制作では、1組を作るのに6時間かかる机と椅子いすのセットを42組使う教室を用いた力作を完成させ、学校代表作にえらばれました。それら動画をユーチューブで流したところ、イギリスの映像プロダクションから声がかかり、現地で制作に参加さんかしたこともあります。

「故障中」の一シーン。小学校の頃に描いたキャラが登場。左上の時刻表示も小ネタ
「故障中」の一シーン。小学校の頃に描いたキャラが登場。左上の時刻表示も小ネタ
コマ撮りアニメ用の「教室」のジオラマ。椅子に貼ったシールにまでこだわった
コマ撮りアニメ用の「教室」のジオラマ。椅子に貼ったシールにまでこだわった

 創作をつづけてこられたのは、「『したいことをしたいようにすればいい』と両親がみとめてくれたおかげ」。昨年、ノートに描かれた絵をカメラで撮ると立体的に見える「錯視さくしトリックノート」も出版しゅっぱん授業中じゅぎょうちゅう落書らくがきがきっかけでした。「力が一番発揮はっきできるのは、好きなこと。好きな対象たいしょうがない人は、まだそれをさがす行動が足りていないだけ」と言います。

 「おれ以外の人でもできる仕事は嫌い」というMOZUさんのゆめは、映画監督えいがかんとくとしてアカデミー賞を取ること。自信じしんちた口調くちょうに、夢の大切さを学びました。

 (高2・益子百花ますこももか、中2・橋本玄太郎はしもとげんたろう富田涼真とみたりょうま記者)

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24277 0 キッズニュース 2019/01/21 05:20:00 2019/01/21 13:06:15 2019/01/21 13:06:15 本屋のジオラマを使ったコマ撮りアニメ「故障中」の一シーン。左上の時刻表示も小ネタ https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190115-OYT8I50002-T.jpg?type=thumbnail

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