人工知能(AI)を使った新しい学習法って?

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自分専用問題で効率的に

人工芝が敷かれた「atama plus」社内。社員がそれぞれ好きな場所に行き、楽な姿勢で仕事をしている
人工芝が敷かれた「atama plus」社内。社員がそれぞれ好きな場所に行き、楽な姿勢で仕事をしている

 生徒せいとがそろって先生の話を聞いたり、問題集を何冊なんさついたり――。そんなこれまでの勉強風景べんきょうふうけいが、わるかもしれません。人工知能じんこうちのう(AI)を用いた学習システムを開発した会社「atama plus(アタマプラス)」(東京都中央区)をたずね、“学びの最先端さいせんたん”にれてきました。

 AIを用いたアプリ「atama+」による学習システムは、2017年に開発されました。アプリを入れたタブレット端末たんまつで、「アタマ先生」と名づけられたAIが、生徒それぞれの理解度りかいどや弱点、集中状態しゅうちゅうじょうたいなどを診断しんだん個人こじんに合わせた問題を出してくれるので、効率的こうりつてきに勉強できます。現在げんざいは、中学の数学と、高校の数学、物理、化学、英文法えいぶんぽうに対応。大手や中堅ちゅうけんじゅく導入どうにゅうが進んでいて、やく200教室でサービスが提供ていきょうされているそうです。

 ジュニア記者も、atama+が入ったタブレット端末をさわらせてもらいました。アプリを起動し、勉強したい教科や単元たんげんえらびます。表示ひょうじされた問題が解けずになやんでいると、同社代表取締役だいひょうとりしまりやく稲田大輔いなだだいすけさん(37)が、「分からなかったらばしていいですよ。それもAIの判断材料はんだんざいりょうになります」と声をかけてくれました。いくつかの問題を解き終えると、解けなかった問題の解説動画かいせつどうがが流れました。これをり返すほど、AIが多くのデータを集め、解答速度や忘却度ぼうきゃくどまで分析ぶんせきして、「自分専用せんようレッスン」を作ってくれるそうです。

 稲田さんは、「これからは、基礎きそ学力だけでなく、(コミュニケーション力や想像そうぞう力などの)『社会でいきる力』が大事。けれど、日本の教育は基礎学力の比重ひじゅうが大きすぎる」と話します。会社員時代に「自分は幸せだ」と答える人が多いというブラジルで勤務きんむ現地げんちで、能力別のうりょくべつ教材きょうざいや、討論とうろん形式の授業といった多彩たさいな教育が行われているのを見て、学力重視じゅうしだけではない教育が大切だと感じたそうです。

 だからこそ、「基礎学力をやしなう時間を最短さいたんにして、『いきる力』を身につけることに、もっと時間を使えるようにしたい」と考えてこのシステムを開発しました。

 昨年度の冬期講習こうしゅう期間中、このアプリを使って「数IA」の学習を1日約1時間、2週間行った生徒たちの、センター試験しけん本番の点数は軒並のきなみアップしたとか。講習を受けた生徒からは「集中して勉強でき、時間が短く感じた」「(勉強は)時間をかけ何回も繰り返すことだと思っていたが、考えが変わった」といった声がせられたそうです。

 しかし、「AIだけでは、いい教育は作れない」と稲田さんは言います。同社では、かく生徒の学習進度を先生につたえるアプリも開発し、特許とっきょを取得。これによって、問題が解けた生徒を先生がタイミングよくほめたり、解答に時間がかかっている生徒に声をけたりして、学ぶ意欲いよくをサポートできます。「AIがティーチング(教える)、人がコーチング(対話を通じてやる気を引き出す)」することで、効果が出るといいます。

 取材後、同社の社内も見せてもらいましたが、かべいたる所にアイデアを書いた付箋ふせんられたり、ゲームで息きできる場所があったりと、社員がのびのびと仕事ができる環境かんきょうになっていることにおどろきました。

 「より多くの人によい教育をとどけたい。そして、子どもたちに、社会に出ること、大人になることは楽しいことだと知ってほしい」と力をめる稲田さんの姿すがたに、何より刺激しげきを受けました。

(高2・木下純一(きのしたじゅんいち)、高1・山口万由子(やまぐちまゆこ)、中3・鈴木麻秀(すずきましゅう)、中2・河野菜緒(こうのなお)記者)

471666 0 キッズニュース 2019/03/11 05:20:00 2019/03/11 05:20:00 2019/03/11 05:20:00 えときは別送 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/03/20190304-OYT8I50006-T.jpg?type=thumbnail

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