「世界一大きな授業」ってどんな活動?

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途上国の教育 向上働きかけ

 公募こうぼで選ばれた中高生が「先生」となり、世界の教育事情じじょうについて国会議員に教える「国会議員のための『世界一大きな授業』」が、5月中旬に東京・永田町の議員会館で行われました。どのようなことをつたえたかったのか、先生役の中高生に話を聞きました。

中高生 国会議員に「授業」

 2003年に民間活動団体(NGO)などの主催しゅさいで始まった「世界一大きな授業」は、100か国以上の学生らが、開発途上国などの教育の状況じょうきょうについて同じ時期に学び、各国政府せいふに教育援助えんじょ充実じゅうじつはたらきかける国際的こくさいてきなキャンペーンです。日本では10年から、国会議員のための「授業」が行われ、今年は中1~高3の8人が先生をつとめました。

 授業は3時限じげん。1時限目は、高校3年生の柴田しばたあいかさん(17)が、自身が訪問ほうもんしたフィリピンの動画を見せながら解説かいせつをしました。

 フィリピンは貧富ひんぷはげしく、見学した貧困層ひんこんそう向けのある学校は、水道もトイレもなく、教室は二つだけ。スラムがいに住むある家庭では、政府の支援しえんを受けても、学校に行けるのは子ども7人のうち3人だけで、のこりの4人は生活のためにゴミを拾っていたそうです。

 2時限目は、すごろくを用いたアクティビティー。国会議員が四つの国に分かれ、それぞれサイコロをって、出た数字の数だけ「こま」になってマス目を進みます。1人が6マス目に到達とうたつするごとに、1人が高校を卒業そつぎょうしたとみなします。全体で、より多くの卒業生を出すことを目指します。

 サイコロを8回振った結果けっか、高校卒業者の数が一番多い国は8人、少ない国は1人と、大きな差がつきました。なぜでしょうか?

 実は、四つの国は、先進国である日本、中所得国のフィリピン、低所得国のチャド、紛争ふんそう国のアフガニスタンを想定そうていしています。サイコロの目は、先進国が6ばかりだった一方、紛争国は0や1が多かったのです。

 ゲーム終了後、サイコロの目だけでなく、わたされたサイコロの数もことなっていたことが明かされました。先進国は四つ、ほかは二つ。

 実は、ゲームの最中さいちゅう、「生徒」から「サイコロの目が違う。不公平だ!」という声が上がっていました。「サイコロをりしてはいけない」というルールはなかったため、先進国が、使わない三つのサイコロをほかの国に貸したり、ほかの国が「貸してほしい」とたのんだりすれば、より多くの高校卒業者を出せたのです。

 議員からは、「きそい合ってしまい、他の国を助けるという考えがかばなかった」「世界の状況を、体感的に知ることができた」などの感想かんそうが出ていました。

 最後に、中高生たちは、教育に重点をいた国際支援をするべきだと提言ていげん。国会議員たちに、政府に対する働きかけを求めて、授業は終了しました。

 議員を相手に堂々どうどうと先生役を務めた中高生たちに、感想を聞いてみました。

 高校3年生の大野おおのひよりさん(17)は、世界の子どもたちの問題を知り、自分も何か行動を起こしたいと思ったそうです。「教育問題について国会議員に授業をするのはとてもむずかしかったけれど、大きな学びになった」と話してくれました。

 中高生たちが最も苦労くろうしたのは、アクティビティーだったとか。伝えたいことが多くてなかなかしぼれない一方、ゲームは簡潔かんけつにしないと伝わらないため、知恵を絞ったといいます。

 みんな口々くちぐちに、「今回の経験を生かして、友だちや家族など身近な人に、教育の大切さを伝えたい」と話していました。

 世界で6400万人もの、小学校に通えない子どもたちがいることを知り、当たり前に教育を受けられる自分たちはとても恵まれていることに気付きました。私たちジュニア記者も、人のためにできることを探していきたいと思いました。

 (高1・安田花やすだはな、中2・大谷莉々おおたにりりぃ飯島いいじまひかる記者)

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