「全国高等学校総合文化祭」報告(上)

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

力強さと一体感 熱き舞台

 全国の高校生が集う「第43回全国高等学校総合そうごう文化祭 2019さが総文」(読売新聞社など特別後援とくべつこうえん)が、7月27日~8月1日、佐賀さが県内で開催かいさいされました。その様子を2週にわたって報告ほうこくします。今週は、コンクール形式で行われた演劇えんげき郷土芸能きょうどげいのう、日本音楽の3部門の、あつ舞台ぶたいを紹介します。

コメディーが人気

 ◇演劇
 (7月27~29日、鳥栖とす市)

 演劇部門では、コメディータッチの作品が、観客かんきゃくの人気を集めました。

コミカルな演技で観客を沸かせた逗子開成
コミカルな演技で観客を沸かせた逗子開成

 出場12校中、最優秀賞さいゆうしゅうしょう・文部科学大臣だいじん賞にかがやいた逗子開成ずしかいせい神奈川かながわ)の「ケチャップ・オブ・ザ・デッド」は、おどろおどろしい舞台美術びじゅつとは裏腹うらはらに、コミカルなテイスト。ホラー映画撮影えいがさつえいのため、森に入った映画サークルの大学生3人が、そこで遭遇そうぐうした本物のゾンビを利用りようして映画を製作せいさくするストーリーです。

 劇中で、ゾンビは人間の言葉がわかるけれど、人間はゾンビの言っていることがわからないという設定せってい観客かんきゃくはゾンビの言葉がわかるため、大学生とゾンビのやりとりのずれがコントのようで笑えるうえ、孤独こどくさびしかったゾンビが、人に会ってうれしがる様子などが、かわいらしく見えてきます。

 ゾンビ化した仲間なかままれる映画のシーンの撮影では、役者が舞台でケチャップを口に注いでから噛みつき、衣装いしょうが“血まみれ”になる演出も効果的で、大きな拍手はくしゅがあがりました。

 受賞について、部長の坂巻虎太郎さかまきこたろうさん(2年)は、「観客のみなさんに楽しんでもらえたことが本当にうれしいです」と語っていました。

 昨年さくねんの総文祭で最優秀賞を受賞した丸亀まるがめ香川かがわ)は、「馬鹿ばかも休み休みYEAH!!」を演じました。

 アイドルきのオタク男子高校生5人が、オタク同好会結成けっせいのため、東大を目指すアイドルを育てる計画を立て、成績せいせきが学年トップの女子を仲間に引き入れます。「完璧かんぺきな子」と思われながら、実は屈託くったくかかえる彼女かのじょを、5人が全力で「馬鹿」をして元気づけます。

 女子のかわいいしぐさとセリフに、男子が「ズキューン」とむねかれて真後ろにたおれたり、彼女を応援する時にオタげいをしたりするのがわらいをさそいますが、動き一つ一つにキレがあり、練習を重ねてきたことがうかがえました。

 丸亀は、上位じょうい4校入賞をのがしたものの、そのエネルギーあふれる演技えんぎは、会場を大いにり上げました。

太鼓と神楽、観客魅了

 ◇郷土芸能
 (7月30日~8月1日、武雄たけお市)

息の合った勇壮な演技を披露した南多摩中等教育学校
息の合った勇壮な演技を披露した南多摩中等教育学校

 「和太鼓わだいこ」と、各地かくちつたわる神楽かぐら民謡みんようなどの「伝承芸能でんしょうげいのう」の両部門に、やく60校が参加さんかしました。日本一に輝いたのは、八丈島はちじょうじまに伝わる「八丈太鼓」をベースにした演目「八多化やたけひびき」を披露した南多摩みなみたま中等教育学校(東京)です。一つの太鼓を2人で両面りょうめんからたたくのが特徴とくちょうの八丈太鼓で、毎夏、合宿がっしゅくおとずれる八丈島の風景ふうけいや夏祭りの様子を、力強く表現しました。

 太鼓部部長の谷口大地たにぐちだいちさん(3年)によると、「どんな風景を想像そうぞうして演じるか」などを話し合いながら、練習にはげんできたそう。「本番ではお客さんと一体になれた気がした。大満足だいまんぞくの演技ができました」とほお紅潮こうちょうさせて話しました。

 庄内しょうない神楽「天孫降臨てんそんこうりん」を演じた由布ゆふ大分おおいた)は、昨年につづき2年連続れんぞく文化庁ぶんかちょう長官賞を受賞しました。古事記の中の物語をモチーフに、金色の豪華ごうかな衣装をまとった猿田彦命さるたひこのみことをはじめとする神々かみがみが地上にり立つさまを、テンポの速い独特どくとくまいや、一心不乱いっしんふらんにたたく大太鼓、神楽ぶえの音色が一体となって表現し、観客を魅了みりょうしました。

 郷土芸能部は、地域ちいきのイベントなどで年間約40回も公演を行っているそう。同部部長の園田そのだ唯我ゆいがさん(3年)の「庄内神楽が長く受けがれてほしい」という言葉に、熱い思いを感じました。

情感豊かに美しい音色

 ◇日本音楽
 (7月27~28日、武雄市)

一体感のある美しい琴の音色を響かせた星野
一体感のある美しい琴の音色を響かせた星野

 50を超える出場校・団体だんたいの中から最優秀賞にあたる文部科学大臣賞に輝いたのは、「風景」を演奏えんそうした星野ほしの埼玉さいたま)です。四季しきうつろいや街並まちなみを美しい音色で情感豊じょうかんゆたかに表現しました。箏曲そうきょく部部長の古寺優里ふるてらゆりさん(3年)によると、初挑戦はつちょうせんの曲で「楽しくくことを心がけた」そうです。「音程おんていがずれたところがあったので、東京公演では直したい」と話していました。

 「絃歌げんか」で文化庁長官賞を受賞した橋本はしもと和歌山わかやま)の邦楽ほうがく部部長の西本爽帆にしもとあきほさん(2年)は、「曲の中に物語を作り出すのがむずかしく、苦労くろうした。みんなで合唱がっしょうするような気持ちで演奏しました」と笑顔えがおでした。

 どの学校も、繊細せんさいさと力強さが共存きょうぞんし、一体感のある演奏に圧倒あっとうされました。

 3部門の上位入賞各4校は、24、25の両日、国立劇場(東京都千代田区)で行われる全国高等学校総合文化祭優秀校東京公演に出場します。各部門のその他の上位入賞校(文化庁長官賞)は以下いかの通りです。

 演劇=帯広北おびひろきた(北海道)、屋久島やくしま鹿児島かごしま)、ふたば未来みらい学園(福島)▽郷土芸能=必由館ひつゆうかん熊本くまもと)、八重山農林やえやまのうりん沖縄おきなわ)▽日本音楽=創価そうか(東京)、関西かんさい創価(大阪おおさか

 (高2・蟹田光かにたひかる長倉希空ながくらのあ福満愛可ふくみつあいか記者)

無断転載禁止
756908 0 キッズニュース 2019/08/26 05:20:00 2019/08/26 05:20:00 2019/08/26 05:20:00 コミカルな演技で観客を沸かせた逗子開成 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/08/20190819-OYT8I50020-T.jpg?type=thumbnail

おすすめ記事

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ