「マンモス展」見どころは?

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冷凍標本で太古の姿今に

「ユカギルマンモス」に見入るジュニア記者たち
「ユカギルマンモス」に見入るジュニア記者たち

 太古の世界の人間とかかわりがあり、教科書などでもおなじみの「マンモス」。やく9300年前に絶滅ぜつめつしましたが、近年、その冷凍標本れいとうひょうほんが相次いで見つかっています。発見を生かし、マンモスを現代げんだいよみがえらせるプロジェクトも進んでいるそうです。日本科学未来館にっぽんかがくみらいかん(東京都江東区こうとうく)で開催中かいさいちゅうの「マンモスてん」(11月4日まで)をおとずれ、なぞの多いマンモスの生態せいたいせま最新研究さいしんけんきゅうを学んできました。

長鼻類ゾウ科の動物

 マンモスはアジアゾウやアフリカゾウと同じ長鼻類ちょうびるいの「ゾウ科」の動物。その特徴とくちょうは大きなきばです。移動いどうのために雪をどかしたり、氷をるために発達はったつしたそうです。ユーラシア大陸たいりくには40万年前から生息していましたが、今から9300年前にほぼ絶滅したと言われています。寒さに強かったマンモスですが、このころ「氷期」が終わり、環境かんきょう変化へんかしたことが原因げんいんと言われています。

 近年、ロシアで、マンモスをはじめ、様々さまざまな古生物の「冷凍標本」が発掘はっくつされています。冷凍標本は、2年以上いじょう、0度以下の状態じょうたいつづく「永久凍土えいきゅうとうど」で発見されたこおった動物のこと。氷河ひょうが雪渓せっけいの割れ目に落ち、永久凍土にめられてしまったのです。腐敗ふはいの原因となる湿気しっけからさえぎられていたため、毛や皮膚ひふなどが良好りょうこうな状態です。今回の展示てんじも、ロシアの特別重要文化財とくべつじゅうようぶんかざいになっている貴重きちょうな冷凍標本の数々かずかずが見所となっています。

 展示室に入ると、長い毛を持つ「ケナガマンモス」の全身骨格こっかく標本が出迎でむかえてくれます。「マンモスのほねが全部そろって見つかることはなかなかありません。この標本は、3体の骨を組み合わせて作られています」と、未来館の研究者である森田由子もりたゆうこさん。実際じっさいに生きていたら体高(肩の高さ)は約3メートル、体重は3~6トン、牙だけでも100キロをえるとのこと。骨格だけでも、とても迫力はくりょくがあります。

 さらに進むと、目にするのは冷凍標本の動物たち。子馬、バイソン、ライチョウは毛や皮膚がよくのこり、今にも動き出しそうに感じました。

 そして、最大の目玉であるマンモスの冷凍標本に対面たいめんです。特に、2005年の「あい地球博ちきゅうはく」(愛知県)でも公開された「ユカギルマンモス」の標本にはおどろきました。2002年に発掘された約1万7800年前のケナガマンモスで、発見場所のロシアの地名から、この名でばれています。頭部の骨がほぼ完全に残っていることはとても貴重だそうで、はだのツヤやしわもとてもリアル。時代をえてマンモスに出会えたようで、とても感動しました。

 こうした冷凍標本は研究面でも大きな役割やくわりたします。たとえば耳の形や大きさ。ケナガマンモスは寒冷地域かんれいちいきにすみ、耳が大きいと体がえるため、耳はとても小さくできています。ただ、耳はやわらかく骨もほとんどないので、くさって発見されないケースが多かったのです。筋肉きんにくだけでできている鼻の形なども、永久凍土の冷凍標本のおかげで復元ふくげん可能かのうとなりました。

復活プロジェクトも

 現在げんざい、マンモスをめぐ壮大そうだいなプロジェクトも進んでいます。その名も「マンモス復活プロジェクト」。近畿きんき大学は2万8000年前の子供こどものケナガマンモスの冷凍標本の筋肉から細胞核さいぼうかくを取り出すことに成功せいこうしました。今後、これまでの研究で得た全遺伝情報をもとにマンモスの細胞核などを作り出し、ゾウの細胞に移植・培養ばいようし、「ネオ・マンモス細胞」を作り出すアイデアがあるそうです。話を聞いて、将来、マンモスが復活するかも、とゆめふくらみました。

 冷凍標本のマンモスには、愛称あいしょうがついているものもあります。1977年に発掘された子供のケナガマンモス「ディーマ」。足首のふさふさした長い毛などがちゃんと残り、私たちは約4万年前の大地をディーマが走る姿に思いをせました。

 実は、永久凍土から、最近になって次々つぎつぎとマンモスが発見されている背景はいけいには、地球温暖化おんだんかがあるとのことです。静かに横たわるディーマの姿すがたが、現代のわたしたちに何かをうったえているような気がしました。マンモスたちが見られることはうれしいけれど、地球温暖化は食い止めなければ。そんなことも考えさせられました。

 (高2・山口万由子(やまぐちまゆこ)、中2・丹羽美貴(にわみき)、中1・久慈紗緒里(くじさおり)、小5・中島(なかじま)あかね記者、撮影(さつえい)園田寛志郎(そのだかんしろう)

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812511 0 キッズニュース 2019/09/30 05:20:00 2019/09/30 05:20:00 2019/09/30 05:20:00 「マンモス展」で、ユカギルマンモスに見入るジュニア記者たち(6日、日本未来科学館で)=園田寛志郎撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/09/20190924-OYT8I50038-T.jpg?type=thumbnail

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