「世界一短い詩」とも言われる俳句。その魅力って?

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「5・7・5」で自在な表現

 5・7・5の17音で表現ひょうげんし、「世界一短い詩」とも言われている俳句はいく最近さいきんはテレビ番組でも注目されています。このページに毎週掲載けいさいされている「KODOMO俳句」の選者せんじゃつとめる俳人の高柳克弘たかやなぎかつひろさん(39)に教えてもらって句会を行い、俳句の魅力みりょくを感じることができました。

秋の季語使い句会

季語を集めた歳時記は、内容もサイズも様々
季語を集めた歳時記は、内容もサイズも様々

 俳句で使う季語きごは、主なものだけでやく500語あり、私たちは今回、その中から「(秋の暴風ぼうふうしめす)野分のわき」「月」「レモン」という、秋の季語のうち三つを使って事前にんだ俳句を持ちり、句会を行いました。句会では、下の名前や「俳号」というペンネームで名乗り、び合います。肩書かたがき年齢ねんれいにとらわれずに句会を楽しむためだそうです。

 はじめに、短冊たんざくに1句ずつ句を書き写し、句会を仕切る宗匠そうしょうを務める高柳さんのところに集めました。それを参加者さんかしゃに配り直して、それぞれ「清記用紙せいきようし」に清書します。これは、筆跡ひっせきだれの句か分からないようにするための工夫くふうです。

 清記を終えたら、次は「選句」。清記用紙を回し、自分がよいと思う句をえらんで、選句用紙に書きます。今回は、1人3句ずつ選びました。同じ季語でも、人それぞれちがうイメージを持ち、句を詠んでいるのが面白おもしろいと感じました。

 いよいよ、各自かくじが選んだ句を発表する「披講ひこう」です。披講のさい、なぜこの句を選んだのかという理由も話しました。宗匠は、ほかの人にも意見をもとめ、たがいにべ合います。すると、人それぞれ感じ方や見方が違っていておどろきました。詠み手にとっては、自分の意図とは違った意見も聞けて、刺激しげきを受けました。

 今回、一番人気だったのは、高柳さんの「月よりもとおくへゆけと小石る」という句。高柳さんは、語順を入れえたり、言葉を選び直したりして、よりよい句にするアドバイスもしてくれました。はじめは自分の句を人に見せるのがずかしく、緊張きんちょうしましたが、いろいろな解釈かいしゃくを聞き、意見を交わすうちに、句会が終わるころには互いの距離きょりちぢまったように感じました。

もとは「連歌」遊び

 高柳さんによると、俳句のもとになったのは、室町時代に行われた、句をつないでいく「連歌れんが」というあそびだそうです。ただ、連歌はルールがきびしく、美しい言葉で優美ゆうびな歌を詠むことしかできませんでした。

 これに対して、庶民しょみん日常にちじょうも詠める連歌として生まれたのが、「俳諧はいかいの連歌」です。江戸えど時代には松尾芭蕉まつおばしょうのようなすぐれた詠み手があらわれ、季語を入れて詠む「発句ほっく」と呼ばれる1句目だけでも、十分に味わい深い作品ができるようになりました。芭蕉の句である「五月雨さみだれをあつめて早し最上もがみ川」などはよいれいです。

 明治時代になって、正岡子規まさおかしきが俳諧を詩としてとらえ直し、「俳句」と名付なづけたのが今の俳句の原点です。子規は、ありのままを言葉でスケッチする「写生」を大切にしたそうです。

長く付き合える文芸

 「言葉と言葉が化学反応かがくはんのうを起こし、17音の中に見たこともない世界が現れるのが面白い」と高柳さん。「今回使った『野分』のように、季語を通じて知らない時代を感じられるのも魅力」と話します。高柳さんは、毎年、全国から高校生が参加して行われる「俳句甲子園こうしえん」の審査員しんさいんも務めています。「俳句は長くき合える文芸ぶんげい。ぜひわかい人にも取り組んでほしい」とあつく語っていました。

 俳句に対して、「むずかしい」という印象いんしょうを持っていたジュニア記者も、句会を体験たいけんしてみて、短い中で自由に表現できる俳句の面白さや奥深おくぶかさを感じることができました。そして、もっと語彙ごいやして、カメラのシャッターチャンスのように、見たことや感じたことをそのまま俳句にうつし出せるようになりたい、と思いました。

 ジュニア記者の句から

・皿にレモン 可愛かわい姿すがた にだまされる  愛可
・手をのばす 漆黒しっこく にただ名月や     周
り注ぐ やぶ障子しょうじ に月明かり    卓郎
らかる葉飛びこえ走る野分後    慧

 (高2・福満愛可ふくみつあいか、高1・岩瀬周いわせあまね、中2・水谷卓郎みずたにたくろう、小6・岩瀬慧いわせけい記者、撮影さつえい林陽一はやしよういち

無断転載禁止
833764 0 キッズニュース 2019/10/14 05:20:00 2019/10/14 05:20:00 2019/10/14 05:20:00 えときは原稿で別送します https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/10/20191007-OYT8I50016-T.jpg?type=thumbnail

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