宇宙の謎に迫る「はやぶさ2」プロジェクトとは?

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小惑星調べ 生命の起源探る

 宇宙航空研究開発機構うちゅうこうくうけんきゅうかいはつきこうJAXAジャクサ)の探査機たんさき「はやぶさ2」が今年、地球からやくおくキロはなれた小惑星しょうわくせい「リュウグウ」に着地し、地下の岩石の採取さいしゅ成功せいこうしたとみられています。JAXAの宇宙科学研究所をおとずれ、ミッションマネージャとしてプロジェクトにたずさわったJAXA准教授じゅんきょうじゅ吉川真よしかわまことさん(57)に、プロジェクトでの苦労くろうなどについて聞きました。

打ち上げは14年12月

幅約6メートルのはやぶさ2の実寸大模型の下で話を聞くジュニア記者
幅約6メートルのはやぶさ2の実寸大模型の下で話を聞くジュニア記者

 JAXA相模さがみはらキャンパス(相模原市)内にある同研究所の宇宙科学探査交流とうには、はやぶさ2の実寸大模型じっすんだいもけいがあります。両側りょうがわの太陽光発電パネルを広げたはばが約6メートルの模型は、近くで見ると迫力はくりょくがあり、宇宙の広さを想像そうぞうしました。

 日本ではじめてのロケットは、1955年に発射はっしゃされた長さわずか23センチのペンシルロケット。70年には、日本初の人工衛星じんこうえいせい「おおすみ」の打ち上げに成功しました。2003年にび立った初代「はやぶさ」は、何度もトラブルに見舞みまわれながらも、10年に小惑星「イトカワ」表面の砂粒すなつぶを地球に持ち帰り、話題になりました。

 はやぶさ2の打ち上げは、14年12月。燃費がよく、長時間、推進力すいしんりょくられるイオンエンジンの力で、少しずつ軌道きどうえ、約3年半かけて昨年さくねん、リュウグウに到着とうちゃくしました。今年2月に1回目の着地に成功し、4月には、衝突装置しょうとつそうちを使って直径ちょっけい約30センチ、重さ約2キロ・グラムの銅板どうばん発射はっしゃ。秒速2キロ・メートルまで加速かそくして衝突させ、リュウグウに人工のあな(クレーター)を作りました。吉川さんによると、リュウグウの地表はやわらかく重力も大きくないため、直径約15メートル、深さ2~3メートルもの大きな穴が開いたといいます。

 7月には2回目の着地を行い、金属きんぞく弾丸だんがんを発射。衝撃しょうげきい上がった岩石の破片はへんを採取できた可能性かのうせいが高く、成功していれば、世界で初めて小惑星の地下の岩石を採取できたことになるそうです。現在げんざい、リュウグウの赤道上空にとどまっているはやぶさ2は、来月以降いこう、リュウグウを出発して地球に向かいます。そして来年末らいねんまつ、採取試料しりょうが入ったカプセルを、地球に向けて投下する予定よていです。

1回の交信 30分近く

 はやぶさ2との交信こうしん操作そうさは、口径64メートルもの巨大きょだいアンテナを使って行います。片道15分前後かかるため、1回の交信に約30分かかるとか。このため、着地の最終段階さいしゅうだんかいは、機体を自動制御じどうせいぎょに切りえたそうです。

 プロジェクトの中でうれしかったことを、吉川さんに聞いてみました。「リュウグウ到着、着地、クレーター作り、岩石採取……と、はやぶさ2が一つひとつ課題かだいをクリアしていったこと」との答えが返ってきました。一方、むずかしかったのは、リュウグウの表面ひょうめんが想像以上いじょうにでこぼこしていたため、平らな場所をさがし、そこに正確せいかくに着地させること。はやぶさ2は期待きたいこたえ、そろばんの玉のような形をした直径約1キロのリュウグウ地表で、岩の少ない直径約6メートルほどの場所に、見事着地しました。

 小惑星の岩石から、何が分かるのでしょうか? 吉川さんは、「惑星の材料ざいりょうや、生物などのもとになった物質ぶっしつが分かり、生命の起源きげん解明かいめいできるかもしれません」と話します。中でも、地下の岩石は変化へんかが少ないので、太陽系誕生たいようけいたんじょう当時の状態じょうたいを知ることができると考えられます。どんな発見があるのか、ワクワクします。

 小惑星を調べる目的もくてきは、ほかにもあります。金属などでできた小惑星を見つけられれば、資源しげんとして活用できるかもしれません。また、地球に衝突しそうな軌道の小惑星があったら、探査機を何機なんきかぶつけて軌道をずらすことができるといいます。

 各国かっこくが宇宙探査を行う中、小惑星に着地して帰ってきた探査機は、今のところはやぶさのみだとか。「はやぶさ2が帰ってきたら、2機目になります」と吉川さんはむねります。小惑星表面に事前に目印めじるしを投下して着地する技術ぎじゅつなどは、日本独自どくじの技術だと聞いて、とてもほこらしく感じました。

 吉川さんをはじめ、様々さまざまな分野の専門家せんもんか情熱じょうねつ努力どりょくがあるからこそ、技術が進歩し、宇宙のなぞせまれるのだと実感しました。

 (高2・辻井倫太朗つじいりんたろう、高1・安田花やすだはな、中1・本谷理彩もとたにりさ、小6・都島歩つしまあゆむ記者、撮影さつえい宮崎真みやざきまこと

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874295 0 キッズニュース 2019/11/04 05:20:00 2019/11/04 05:20:00 2019/11/04 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/10/20191031-OYT8I50002-T.jpg?type=thumbnail

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