いま話題の本「こども六法」って?

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

身を守る法律易しく紹介

 子どもに関係かんけいする法律ほうりつを、やさしい言葉とユニークなイラストで解説かいせつする本「こども六法」(弘文堂こうぶんどう)。著者ちょしゃは、いじめの被害者ひがいしゃにも加害者かがいしゃにもなった経験けいけんがある教育研究者の山崎聡一郎やまさきそういちろうさん(26)です。子ども向けに法律の本をまとめたのはなぜなのか、山崎さんに聞きました。

いじめ経験し法律勉強

山崎さんは、写真家やミュージカル俳優などとしても活躍しているそう
山崎さんは、写真家やミュージカル俳優などとしても活躍しているそう

 山崎さんは小学5~6年生のとき、いじめを受けていた同級生をかばったのをきっかけに、自分もいじめを受けるようになりました。親や先生にも相談しましたが、いじめはやまず、6年生の冬には、手首を骨折こっせつするほどの暴力ぼうりょくも受けました。

 そこで、教科書にもっている日本国憲法けんぽうを読んだら、人権じんけんの大切さは書かれていても、具体的ぐたいてきにどう守ってもらえるのかは書かれておらず、「がっかりした」そうです。中学に進学してから刑法けいほうを読んだところ、「この法律を小学生のときに知っていたら」と感じたことから、ほかの法律も勉強するようになりました。

 中学生のとき、山崎さんは、今度はいじめの加害者になる経験をしました。部活の後輩こうはいなかが悪くなり、みんなでその後輩を追いむようなことをしてしまったといいます。そのときはそれがいじめだとは思わず、自覚じかくしたのは大学生になってからだったそう。「加害者は、いじめている認識にんしきがなかったり、自分の方が被害者だと思ったりしていることもあることを身をもって知った」とり返ります。

 こうした経験から、大学では、「法教育を通じたいじめ問題解決」をテーマに研究。3年生のとき、子どもが興味きょうみを持って読める法律の解説書として作った教材きょうざいが、「こども六法」のもとになりました。

イラストも添え解説

 「六法」とうたっていますが、同書は憲法、刑法、刑事訴訟法けいじそしょうほう、民法、民事訴訟法のほか、子どもに関係のある少年法といじめ防止対策推進法ぼうしたいさくすいしんほうの中から条文じょうぶんえらび、わかりやすい言葉にして掲載けいさいしています。

 そして、最初さいしょ紹介しょうかいしているのは、国の大もとになる憲法ではなく、わたしたちもよく耳にする「懲役ちょうえき」などの刑罰けいばつっている刑法です。分かりやすく、身近なものから読んだ方が、法律に親しみやすいと考えたからだそうです。たとえば「暴行」は、「人に乱暴らんぼうな行いをしたけれども、相手にケガをさせなかった場合は、2年以下の懲役または30万円以下の罰金か拘留こうりゅう科料かりょうとします」という条文に、「ケガをさせなくても暴行になるよ」という文とイラストが添えられています。

 「今、苦しんでいる子の手にちゃんと本をとどけたい」という思いから、装丁そうていにも工夫くふうらしました。児童書らしくカラフルでかわいらしいイラストが描かれていますが、カバーを外すと、高校生が持っていてもそれほどおかしくないシンプルな表紙があらわれます。

 「子どものげ道を増やし、大人の逃げ道をふさぎたい」と山崎さん。子どもには、法律という助けてもらうための根拠こんきょを知ってほしいし、大人は、子どもから助けをもとめられたらきちんと対応たいおうすべきだ、と力を込めます。もし、被害にあったときは、「いつ、どこで、だれに、何をされ、どう感じたか」という記録きろくのこすことも大事、と具体的に教えてくれました。

 今後は、多くの学校で「こども六法」を使ってもらいやすくするため、モデル授業じゅぎょう実践例じっせんれい発信はっしんしたいと意気込みます。

 取材しゅざいしたジュニア記者の中には、自分を守るために同級生をきずつけてしまったり、いじめの傍観者ぼうかんしゃになってしまったり、といった経験を持つ記者もいます。

 今回の取材や本を通じて、法律の知識を得ることができただけでなく、親や先生以外にも、カウンセラーや警察けいさつなど、いろいろ相談できるところがあると知りました。山崎さんは、「助けてくれる大人はかならずいるし、専門せんもん知識を持つ第三者に入ってもらった方が解決できることもある」と言います。これからは、何かあったとき、解決にみ出せるようになりたい、と思いました。

 (高2・斉田歩(さいたあゆむ)、高1・伊東志穂菜(いとうしおな)、中2・塚原瑠奈(つかはらるな)、小6・青木咲良(あおきさくら)記者)

無断転載禁止
881974 0 キッズニュース 2019/11/11 05:20:00 2019/11/05 15:34:02 2019/11/05 15:34:02 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/11/20191105-OYT8I50028-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
The Japan News
発言小町
OTEKOMACHI
ささっとー
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ