「本屋大賞」ってどんな賞?

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書店員が選ぶ「売りたい本」

 全国の書店員が、いま一番売りたい本をえらぶ「本屋大賞たいしょう」。今月7日、2020年の大賞として、凪良なぎらゆうさんの「流浪るろうの月」の受賞が決定しました。選ばれるのは、はば広いそうにとって読みやすく、私たちにもなじみがある本です。賞の歴史れきしや選考方法ほうほうなどについて、NPO法人本屋大賞実行委員会理事で、発足時のメンバーでもある内田剛うちだたけしさん(51)に話を聞きました。

「読みやすさ重視」

「本は人生を変えるほどの力があります」と熱く語る内田さん
「本は人生を変えるほどの力があります」と熱く語る内田さん

 紙の本の売り上げは、1996年の約2ちょう6500おく円をピークに、ずっと右かた下がりです。本屋大賞は、こうした状況じょうきょう危機感ききかんを持った内田さんら書店員の有志ゆうしなどによって企画きかくされ、2003年にスタートしました。

 有名な文学賞として、芥川あくたがわ賞や直木賞などがあります。それらとのちがいについて「たとえば、芥川賞は、文学せい重視じゅうしするため、むずかしい本が選ばれる傾向けいこうがある。本屋大賞は、一人でも多くの人に本を読んでもらうために始まった賞なので、読みやすさを重視しています」と内田さんは話します。

アルバイトも投票可

 選考は12月から始まり、対象たいしょうになるのは、前年12月1日~その年の11月末の間に出版しゅっぱんされた文芸ぶんげい書。新刊しんかんを売る書店につとめる人なら、正社員でなく、アルバイトでも投票とうひょうできます。

 投票は2回。1次審査しんさでは、書店員が3さつを選び、コメントを付けてネットやFAXで投票します。今年は約500書店の600人ほどが参加さんかしました。集計し、上位10冊を「ノミネート作」として公表します。2次審査では、その10冊を読んだ書店員が、全ての作品に対してコメントを書いたうえで、ベスト3を選んで投票します。

 選考委員は、票に書かれているコメントを一つひとつ読み、組織そしき票がないか、感想を丸写ししているものがないかなどをチェックした上で、一番得票が多い作品が大賞になるそうです。

 大賞本は、それ以前の何十倍以上も売れたりします。受賞の影響えいきょうもっとも大きかったと思われるのは、16年の『ひつじはがねの森』(宮下奈都みやしたなつちょ)。映画化えいがかもされ、初版が6500部だったのが、50万部をえるベストセラーになりました。

 内田さんは、「どうしても大賞作品が注目されるけれど、ノミネートされた作品は、大賞以外の9作品もとても面白い。ぜひ読んでみてほしい」と話します。

 本屋大賞には、ジャンルや刊行時期を問わず、書店員が「今読み返しても面白い」と思う本を選ぶ「発掘はっくつ部門」もあります。今年は、土屋賢二つちやけんじさんの「無理難題が多すぎる」が選ばれました。

「本はライフライン」

 これまでで、内田さんの印象に一番強く残っているのは、東日本大震災だいしんさいが起きた11年だといいます。

 震災の影響で、本屋大賞の発表は中止にする方向でしたが、被災地ひさいちの書店から「ぜひやってほしい」との要望ようぼうがあり、実施じっししました。避難所ひなんじょで、一冊のマンガ本が回し読みされたり、書店で詩集が売れたりしたことで、内田さんは「紙の本は、人が生きていくうえで絶対的ぜったいてきに必要なライフラインであり、本屋をなくしてはいけない」と、あらためて気づいたそうです。

 最近は、電子書籍しょせきなどがえてきていますが、紙でしかあじわえない楽しみがあります。たとえば、恩田陸おんだりくさんの『蜜蜂みつばち遠雷えんらい』は、ピアノコンクールの物語のため、カバーを外すと、表紙が黒いピアノの色になっていて、一枚めくると、白い鍵盤けんばんの色。そして表紙の上にも、鍵盤のような模様が見えます。こうしたことは、紙の本でしかできません。

 内田さんは、書店の楽しみ方について、「買ったり読んだりするのも楽しいけれど、選んだり、さがしたりするよろこびがある」と言います。そして、なやみを持っている人が書店に行けば、その悩みを解決かいけつする方法について書かれた本が必ずどこかにあるため、「書店は、パワースポットだと思います」とも。

 新型しんがたコロナ感染拡大かんせんかくだいで、自由に外出できない日がつづきます。「本屋大賞」を良いきっかけにして、たくさん本を読みたいと思いました。

 (高3・辻井倫太朗(つじいりんたろう)、高2・安田花(やすだはな)、高1・吉川詩音(よしかわしおん)、中1・都島歩(つしまあゆむ)記者、撮影=田中秀敏(たなかひでとし)

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1167400 0 キッズニュース 2020/04/20 05:20:00 2020/04/20 05:20:00 2020/04/20 05:20:00 えとき別送り https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/04/20200415-OYT8I50017-T.jpg?type=thumbnail

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