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将棋棋士の妻が棋士の日常を描いた漫画って?

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「渡辺くん」たち 意外な個性

漫画がずらりと並ぶ本棚の前で、お気に入りのぬいぐるみを抱く渡辺さん(左)と伊奈さん(伊奈さん提供)
漫画がずらりと並ぶ本棚の前で、お気に入りのぬいぐるみを抱く渡辺さん(左)と伊奈さん(伊奈さん提供)

 将棋しょうぎのトップ棋士きしの一人、渡辺明わたなべあきら三冠さんかん(36)の日常にちじょうを、つま伊奈いなめぐみさん(39)がリアルかつコミカルに描く漫画まんが「将棋の渡辺くん」(講談社こうだんしゃ)。伊奈さんに、作品執筆しっぴつ経緯けいいや、現役げんえきの棋士を漫画に描くうえで気をつけていることなどを聞きました。

ほぼすべて実話

 伊奈さんが「将棋の渡辺くん」を漫画雑誌ざっし連載れんさいするようになったきっかけは、棋士の妻としてインターネットでつづっていたブログでした。それが出版社しゅっぱんしゃ編集者へんしゅうしゃの目にまり、連載の依頼いらいが来たそうです。

作品では、渡辺さんのぬいぐるみ好きについて頻繁に取り上げられている (c)伊奈めぐみ/講談社
作品では、渡辺さんのぬいぐるみ好きについて頻繁に取り上げられている (c)伊奈めぐみ/講談社

 描いているのは、ほぼすべて、実際じっさいにあった話。ぬいぐるみがきで、それぞれ名前をけてかわいがっていたり、ネット将棋で負けそうになっている息子の代わりに本気でしたり、毛筆もうひつで書く場面が多いのに字があまりうまくなかったり……。盤上ばんじょうでのクールな棋士の姿すがたと、家族かぞくだからこそ知る渡辺さんの意外な一面とのに、思わずわらってしまいます。

 藤井聡太七段ふじいそうたしちだん(17)の史上最年少しじょうさいねんしょう14さいでのプロ入りや、羽生善治九段はぶよしはるくだん(49)の永世竜王獲得えいせいりゅうおうかくとく永世七冠達成えいせいななかんたっせいなど、近年話題となった出来事のほか、タイトルせんの仕組みや、棋士の対局中たいきょくちゅうくせ、意外なタイトル戦会場といった将棋界のミニ知識ちしき紹介しょうかい。プロ棋士になるために通う「奨励会しょうれいかい」を「進学塾しんがくじゅく」、「穴熊あなぐま」「相振飛車あいふりびしゃ」などかく棋士の得意とくいな「戦法せんぽう」を「得意科目」とするなど、将棋用語を学校にたとえて説明せつめいしたり、各棋士が結婚けっこん相手と出会った場を調べてみたり……と、読めば将棋通になれる内容ないようです。

表紙は絵本風

最新刊の表紙。3頭身ほどに描かれている渡辺さんがかわいらしい
最新刊の表紙。3頭身ほどに描かれている渡辺さんがかわいらしい

 伊奈さんは、パニック障害しょうがいのため中学校で不登校ふとうこうになり、20歳をぎてから通信制つうしんせいの高校へ。在学中ざいがくちゅうに結婚と出産しゅっさん経験けいけんし、その後、美大の通信教育課程かていで油絵を学びました。10代のころには女流棋士の育成機関いくせいきかんに入っていたこともあり、渡辺さんとは、ネット上で詰将棋つめしょうぎについて語り合ううちに親しくなったことを、作中で明かしています。

 漫画を描き始めたのは30歳を過ぎてから。私生活しせいかつを描かれることについて、渡辺さんから「だめと言われたことはない」といいます。

 伊奈さんは絵本が好きで、現在げんざいかんまで刊行かんこうされている「将棋の渡辺くん」の、ぬいぐるみと渡辺さんが将棋を指している表紙は、絵本のイメージで描いたそう。

 棋士としての渡辺さんは、「いい意味で将棋を仕事としてり切っていて、だからこそきちんと勉強している」。対局で負けたときも、「スパッと切りえができている」と話します。

真剣勝負の裏で

 今回は、ウェブ会議かいぎシステムを使って、自宅じたくにいる伊奈さんに取材しゅざいしたため、在宅中だった渡辺さんにも話を聞くことができました。

 自分の言動が漫画になることについては、「15歳でプロ棋士になり、記事で自分のことを書かれることにれているので、気にしていません」とのこと。

 将棋の魅力みりょくについてたずねると、「むずかし過ぎず、簡単かんたん過ぎず、目的もくてきがはっきりしているゲーム。解説かいせつがあれば素人しろうとでものめり込める競技きょうぎ」と説明。伊奈さんの作品について、「この漫画を読んで将棋ファンになったと言ってくれる人もいる。将棋の魅力をつたえられているのでは」とほがらかに語ってくれました。

 「人生の半分は漫画で学んだ」と作中で豪語ごうごするほど、元々もともと漫画好きの渡辺さん。伊奈さんの影響えいきょうで、最近さいきんは漫画家などとの対談たいだんのほか、江戸えど時代に実在じつざいした名人が主人公の星野泰視ほしのやすしさんの漫画「宗桂そうけい」(リイド社)にも監修者かんしゅうしゃとしてかかわりました。

 将棋の棋士というと、真面目まじめで将棋のことばかり考えている、というイメージを持っていたジュニア記者もいましたが、漫画を読み、伊奈さんと渡辺さんに話を聞いて、個性的こせいてきなプロ棋士の姿を知ることができ、親近感がわきました。対局での活躍かつやくだけでなく、真剣しんけん勝負のうらでどんなやり取りや出来事があったのか、これからも伊奈さんの漫画で読むのが楽しみです。

 (高2・野部芙香のべふうか、高1・時田莉瑚ときたりこ、中3・大谷莉々おおたにりりぃ、中2・三代和香みよわか、中1・都島歩つしまあゆむ記者)

無断転載・複製を禁じます
1337725 0 キッズニュース 2020/07/20 05:20:00 2020/07/22 16:35:17 2020/07/22 16:35:17 えときは原稿で別送します https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/07/20200713-OYT8I50006-T.jpg?type=thumbnail

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