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村上春樹さん「読む人の自由」

ジュニア記者の取材を受けた村上春樹さん。取材は、新型コロナウイルス対応で適切な距離を取って行われた(読売新聞東京本社で)
ジュニア記者の取材を受けた村上春樹さん。取材は、新型コロナウイルス対応で適切な距離を取って行われた(読売新聞東京本社で)
一人称単数
一人称単数

 現代げんだい日本文学を代表する作家の村上春樹むらかみはるきさん(71)が、3年ぶりの新刊しんかん一人称単数いちにんしょうたんすう』(文芸春秋ぶんげいしゅんじゅう)を刊行しました。8作をおさめた短編集たんぺんしゅうです。高校生のわたしたちが、不思議ふしぎな物語を生み出しつづける村上さんの創作そうさく秘密ひみつせまりました。2週にわたって、おとどけします。

 「国語のテストで、これは何を意味しているかとか、このとき主人公が何を思っていたかとか、よくあるじゃない。ぼくにも分からないよね。読む人の自由なんだから」

 村上さんは、会う前に持っていたイメージより、100倍物腰ものごしやわらかい人でした。

 『一人称単数』は、人間の言葉を話すさるが登場する「品川猿の告白こくはく」や、「中心がいくつもあって、しかも外周がいしゅうを持たない円」といったなぞめいた言葉が出てくる「クリーム」など、奇妙きみょうな話が続きます。

 温泉おんせんはたらく「品川猿」の猿は、好意こういを持った人間の女性じょせいの名前をぬすんでいます。この話は、何かの「象徴しょうちょう」や「作家の意図」があるのかと聞くと、「猿がなぜ名前を盗むかは、本当のところは猿にしか分からない」と言葉が返ってきました。

 「小説しょうせつは、読者が自分をうつす『かがみ』のようなものです。読んだ人によって映るものはちがう。だから書いた僕と読んだ君の意見が違っていても、間違いではありません。物語にアクセスする権利けんりは、だれにも平等に開かれています」

作品の「情景」 心に残ってほしい

 それぞれの物語は、あらかじめ話のすじを決めるのではなく、一つアイデアがかんだら自由に書き進めていきます。読み終わったとき、作品の「情景じょうけい」が心にのこってほしいと思っているそうです。

 「クリーム」は、18さいの男の子が、ある女の子からピアノ・リサイタルに招待しょうたいされたことから話がふくらみます。「僕は男女共学きょうがくの高校だったから、10代の女の子は残酷ざんこくだと思うことが何度かあって。10代特有とくゆうきずつきやすさみたいなものを書いてみたかったかな」。ちなみに「外周を持たない円」は、村上さん自身も思い浮かべられないそうです。

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1447378 0 キッズニュース 2020/09/07 05:20:00 2020/09/14 05:50:24 2020/09/14 05:50:24 ジュニア記者の質問に答える作家の村上春樹さん。読売新聞東京本社で。2020年8月8日撮影。★外販禁止★ジュニア面掲載(8月25日、9月5日)まで他部使用禁止★ラテ止め https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/09/20200902-OYT8I50015-T.jpg?type=thumbnail

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