需要高まる宅配便 その歴史って?

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

家庭に配達 暮らし支える

 新型しんがたコロナウイルスの流行で、インターネットや電話を使って買い物をする人がえ、家に荷物にもつ配達はいたつしてくれる宅配便たくはいびん需要じゅようも高まっています。宅配大手の「ヤマト運輸うんゆ」をふくむヤマトグループが昨年さくねん創業そうぎょう100周年しゅうねんむかえたのを記念きねんして今年7月に開館した「ヤマトグループ歴史館れきしかん クロネコヤマトミュージアム」(東京都港区とうきょうとみなとく)をたずね、宅配便の歴史やこれからについて学びました。

ジュニア記者に宅配便開始当時について説明する館長の白鳥さん
ジュニア記者に宅配便開始当時について説明する館長の白鳥さん

マーク誕生秘話

 ミュージアムは、建物中心部たてものちゅうしんぶを取りかこむスロープのスペースを使って、6階から2階へりながら、時代ごとに四つのゾーンに分けられた展示てんじが見られるようになっています。

 ヤマト運輸は、1919年、紙問屋の家に生まれた小倉康臣おぐらやすおみが、東京・銀座ぎんざで「大和やまと運輸」として創業。当時、国内に204台しかなかったトラックのうち4台を使い、日本はつのトラック輸送を始めました。その後、引っしや婚礼道具こんれいどうぐの運送も。当時はめずらしかった制服せいふく制帽せいぼう採用さいようし、お客さんにも好評こうひょうだったそうです。

 29年には、イギリス・ロンドンで行われていた家庭を回って集荷しゅうかし、地方へ運ぶ定期便事業ていきびんじぎょうをお手本に、またしても日本初となる定期便を始めました。荷物を1台のトラックに集め、いくつかの決まった路線で定期的ていきてきに配送するもので、関東一円かんとういちえんにネットワークを広げました。

 戦時中せんじちゅうは定期便も休止に追いまれましたが、戦後は進駐軍関連しんちゅうぐんかんれんの輸送依頼いらい増加ぞうか連合国軍総司令部れんごうこくぐんそうしれいぶ(GHQ)のマッカーサー元帥げんすいが米国へ帰国するさいの引っ越し作業も手がけたといいます。

 シンボルでもあるねこのマークは、1957年に生まれました。デザインを担当たんとうした社員が、自分のむすめが描いた絵をヒントに制作せいさくしたもので、親猫が子猫を運ぶように丁寧ていねいに荷物を運びます、という思いが込められています。

不便さから発案

 着実に仕事を増やしていった大和運輸ですが、高度経済成長期こうどけいざいせいちょうきになると、関東内だけの輸送にこだわっていたため、長距離ちょうきょり輸送で同業者におくれをとり、経営危機けいえいききおちいります。そんな中、2代目社長となった小倉昌男おぐらまさお氏は、小さくなった息子の服を親戚しんせきに送ろうとした時に不便ふべんさを感じ、家庭から家庭へと荷物を運ぶ宅配便を思いつきました。

 当時、個人が荷物を送る手段しゅだんは、鉄道か郵便ゆうびんしかありませんでした。荷造にづくりには細かいルールがあり、駅や郵便局まで持っていかなければならず、とどくまでに日数もかかったそうです。

 大きなけとなる事業を始めることに、社内で多くの反対はんたいがあったものの、何とか実現じつげんにこぎつけます。最初さいしょの荷物はわずか11だったそうですが、「宅急便たっきゅうびん」と名付なづけられたこのサービスは、今では、わたしたちにとってなくてはならないものになっています。

 その後も、「スキー宅急便」や「クール宅急便」など、社会のニーズにこたえる輸送サービスを提供ていきょう美術展用びじゅつてんようの美術品輸送などをはじめ、海外でも事業を展開しています。館長の白鳥美紀しらとりみきさん(62)によると、いろんな形の美術品は、品物に合わせた梱包こんぽうをして運びます。

時代に合わせて

 最近では、環境かんきょうへの配慮はいりょやドライバー不足ぶそくおぎなうために、自転車で集配を行ったり、ドローンや自動運転車で配達するシステムの実証実験じっしょうじっけんを行ったりしていると聞いておどろきました。コロナの中、接触せっしょくけるために、お客様と対面たいめんせず、玄関前げんかんまえなどにいて配達するサービスも行っているそうです。

 ミュージアムでは、運転手の制服を着て、配達車に乗ることもできました。運転せきから荷物室まで、立ったまま移動いどうできる「ウォークスルー車」は、天井てんじょうがとても高く感じました。

 こうして、取りあつかう荷物は年々ねんねん増え、昨年度はやく18億個おくこもあったそう。とくいそがしいのはお歳暮せいぼなどがある12月だそうですが、通販つうはん普及ふきゅうで、「繁忙期はんぼうきとそうでないときのが小さくなってきている印象いんしょうです」と白鳥さんは話します。

 ミュージアム内のシアターでは、ヤマト運輸の歴史に、家族4世代の物語を重ねて紹介しょうかいするアニメを見ることができます。「ヤマトの歴史だけでなく、訪れたお客様自身の歩みもかえっていただけたら」と白鳥さん。ミュージアムを見学して、今まで当然とうぜんと思っていた宅配便が、様々さまざま苦労くろうや社会の需要から生まれ、私たちのらしと密接みっせつかかわってきたことを実感しました。

 同館は月曜と年末年始、おぼん休館。入場無料むりょう

 (高2・西山寿奈にしやまじゅな、中2・久慈紗緒里くじさおり、小6・中島あかね記者、撮影さつえい和田康司わだやすし

無断転載・複製を禁じます
1511617 0 キッズニュース 2020/10/05 05:20:00 2020/10/05 12:02:03 2020/10/05 12:02:03 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/09/20200930-OYT8I50018-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

新着クーポン

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ