世界中にいる貧しい子どもたち。私たちにできることは?

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過酷な現状 知ることが大切

 開発途上国とじょうこくめぐまれない子どもたちを支援しえんする民間活動団体(NGO)「国境こっきょうなき子どもたち」(KnK)が、「Dialogue for People」(D4P)と共催きょうさいで、世界の現状を伝えるオンラインイベント「世界のリアルとつながろう―今、自分にできることは?―」を行いました。ジュニア記者たちもイベントに参加さんかしてきました。

学校に行けない

フィリピンの「チルドレンセンター」では、貧しくて学校に通えない子どもたちが日中通って勉強している(「国境なき子どもたち」提供)
フィリピンの「チルドレンセンター」では、貧しくて学校に通えない子どもたちが日中通って勉強している(「国境なき子どもたち」提供)

 「国境なき子どもたち」は、1997年に日本で設立せつりつされました。国境をえて全ての子どもに教育の機会きかいあたえるため、パキスタンやカンボジア、バングラデシュなど七つの国と地域で活動しています。

 現在、新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで、各国で学校が休校になったりしています。しかし、世界には、コロナとは関係なく、貧困ひんこん戦争せんそうのせいで学校に行けない子どもたちがいることを伝えるため、今回のイベントが企画きかくされました。

 最初に、KnKの活動拠点きょてんの一つ、フィリピンについて聞きました。フィリピンでは経済けいざい急激きゅうげき成長せいちょうする一方、貧富の拡大かくだい。18歳以下の子どもの10人中3人は貧困家庭で育ち、就学年齢しゅうがくねんれいで学校に行っていない人は285万人いるそうです。

 KnKはこの国で、ストリートチルドレンや虐待ぎゃくたいされた子どもを保護ほごする「若者の家」や、貧困地域の子どもに教育を施す「チルドレンセンター」の運営うんえいなどに当たっています。

 報告ほうこくしてくれた現地スタッフのジュンジュンさん(36)は元ストリートチルドレン。子どもの頃、義父の暴力で家を出て、ギャングの親方の下で野菜やさいや魚などを市場で売りながら家族にお金を渡していましたが、14歳で刑務所けいむしょに入れられます。当時は子どもと大人が同じ施設に入れられ、子どもが強盗ごうとう殺人さつじんの方法を教えられていたそうです。

 出所後も路上生活をしていたジュンジュンさんは、KnKのスタッフからデモへの参加にさそわれたのを機に、子どもが学校に行け、ゆめを持てるようにすることが必要だと考え、自分もスタッフになりました。

 KnKは、ヨルダンでも活動しています。シリアからのがれてきた人たちが暮らすザータリ難民なんみんキャンプに駐在ちゅうざいする松永晴子まつながはるこさんに話を聞きました。

約8万人が暮らすヨルダンのザータリ難民キャンプの様子(2017年)
約8万人が暮らすヨルダンのザータリ難民キャンプの様子(2017年)

 キャンプでは、約8万人が生活。就学年齢の子の75%ほどが通学できる環境かんきょうにいますが、多くが、教育課程かていを最後まで修了しゅうりょうすることなくはたらきに出たり、結婚けっこんしたりしなければならないそうです。

 インタビュービデオに登場した、キャンプで暮らす14歳の少年は、病気のお父さんの代わりに店を切りりしています。「ここでは自分の権利けんり主張しゅちょうできず、将来しょうらいが不安」と話していました。

 松永さんは、「みなさんはこの状況をみてどう考えますか」と問いかけます。

行動につながる

 KnKは、フィリピンなどに、日本の小中高生の中から選ばれた「友情のレポーター」を派遣はけんして、取材・報告をしてもらうプログラムを実施しています。

 イベントでは、2017年のリポーターとしてフィリピンを訪問ほうもんした山辺鈴やまべりんさん(18)が、同行したフォトジャーナリストの安田菜津紀やすだなつきさんと対談し、体験を語ってくれました。

 山辺さんは、更正施設である青少年鑑別所などを訪れましたが、訪問前は、収容しゅうようされている子から自分がどう見られるか、不安を感じていたそう。行ってみると、子どもたちの置かれた状況は過酷かこくでしたが、話すと「同じ子どもなんだ」と実感することができたと話していました。

 貧しい子どもたちについてもっと知りたいと考えた山辺さんは、昨年から今年にかけて、インドの学校に留学しました。

 「まず、知ることが大切。知ると行動につながるし、子どもたちにとって誰からも気にかけられないことが悲しみだから」。山辺さんと安田さんは強調します。

 今年はコロナのため、リポーター派遣は行われませんでしたが、今回のイベントには中高校生約40人が参加。参加者同士の交流では、「海外の貧困の様子を知りおどろいた」「学んだことを周りの人に伝えたい」といった感想かんそうが出ていました。

 私たちが知らないことが世界にはまだまだあり、それを知り、少しでも伝えていくことが、私たちにできることだと感じました。

 (高2・安田花やすだはな、中3・大谷莉々おおたにりりぃ、中1・岩瀬慧いわせけい記者)

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1522489 0 キッズニュース 2020/10/12 05:20:00 2020/10/13 11:23:37 2020/10/13 11:23:37 ジュニアプレス・虐待を受けた子やストリートチルドレンが暮らす、「国境なき子どもたち」が運営する「子どもの家」 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/10/20201005-OYT8I50008-T.jpg?type=thumbnail

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