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 新緑が目にまぶしい季節きせつになりました。5月は、森をテーマにした本を紹介しょうかいします。

若いきこりたちの挑戦…小6・勝呂仁志記者

菅聖子 文
菅聖子 文

 みなさんは、現代げんだいの東京の森に「地球の幸せ」を目指す、わかいきこりの会社があると聞いたらおどろきませんか。おとぎ話ではありません。林業の会社「東京チェンソーズ」は実在じつざいします。『山をつくる 東京チェンソーズの挑戦ちょうせん』(小峰こみね書店)は、「林業を、子どもがあこがれる職業にしたい」と立ち上がった、若いきこりたちの仕事や挑戦をおったノンフィクションです。

 スギの丸太1本を売っても3500円。樹齢じゅれい50年、育てた1年分はわずか70円。利益りえきを上げるため、彼らは思いがけないアイデアを次々打ち出します。てられていた部分をたからに変える「1本まるごと使いきろう」作戦さくせん、会員になって30年自分の木を育てる「美林倶楽部びりんクラブ」などなど。

 ぼくは先月御岳山みたけさんに登った時、「山男のガチャ」というガチャポンで「バードコール」(鳥の鳴き声にた音の出る木のおもちゃ)を手に入れました。これも「1本まるごと使いきろう」作戦の製品せいひんです。「むだなく」が「楽しい」につながるところが最高です。再生産可能さいせいさんかのうな木という資源しげんは、地球環境かんきょうの明るい未来みらいの可能せいしめします。皆さんもこの本を読んで林業の新しい可能性に出合ってください。

ラスカルとの1年 繊細に…中1・坂本彩夏記者

スターリング・ノース著/亀山龍樹訳
スターリング・ノース著/亀山龍樹訳

 「かわいいアライグマは?」と聞けば、ラスカルを思いかべる人が多いと思います。アニメの原作にもなった『はるかなるわがラスカル』(ブッキング)舞台ぶたいは1918年、米ウィスコンシン州。森を探検たんけんしていたスターリング・ノース少年とい犬、友達ともだちが、木の根っこにアライグマの巣穴すあなを見つけます。少年はげそびれた1ぴきの赤ちゃんアライグマをれ帰り、ラスカルと名けます。

 好奇心旺盛こうきしんおうせいなラスカルとらし、父と少年だけの生活のさびしさがうすれます。自転車で一緒に下り坂をぶっ飛ばす場面では、ラスカルは全神経しんけいを集中し、風をあびて長いヒゲを耳までなびかせます。その時、特別とくべつな幸せを感じます。たった1年間が繊細せんさいに描かれた、自伝じでん的作品。少年は野生動物を飼うむずかしさも学びます。森や川、湖など自然しぜんの中での遊びに躍動やくどう感を感じました。

 今、森林伐採ばっさいが進み年4万しゅの生物が絶滅ぜつめつしているともいわれ、美しい自然がうしなわれています。私は森と共存きょうぞんする未来をのぞみたい。国連も「持続じぞく可能な開発目標もくひょう(SDGs)」をかかげています。森を守る行動を一緒に心がけませんか。森、動物、人間の共存まで考えさせられる作品です。

自然の美しさ 森を守る

張替恵子/東京子ども図書館理事長
張替恵子/東京子ども図書館理事長

 かがやく緑の季節。本のページをって、森へ出かけてみませんか?

《1》ジンジャー・ワズワース著/渡会和子訳
《1》ジンジャー・ワズワース著/渡会和子訳

 米カリフォルニア州のヨセミテ国立公園には、切り立つ岩壁がんぺきたき氷河ひょうが、巨木セコイアがりなす雄大ゆうだい景観けいかんが広がります。『大自然を守った巨人きょじんジョン・ミュア』(ほるぷ出版しゅっぱん《1》は、西部開拓かいたくさかんな19世紀せいき後半から、ヨセミテの自然保護ほごうったえたミュアの伝記です。野宿をしながら森のおく深くに分け入り、地質ちしつや動植物を観察かんさつ論文ろんぶん演説えんぜつ政治せいじ家の説得せっとくを通じて、過剰かじょうな伐採や採鉱さいこう、ダム建設けんせつ等から森林を守ろうとしたたたかいの軌跡きせきから、人間は「パンと同じように自然の美しさを必要ひつようとしている」というかれ信念しんねんしずかにつたわります。

《2》ニコライ・スラトコフ作/ニキータ・チャルーシン画/福井研介、松谷さやか訳
《2》ニコライ・スラトコフ作/ニキータ・チャルーシン画/福井研介、松谷さやか訳

 『北の森の十二か月―スラトコフの自然』(福音館書店、上下)《2》は、ロシア北部の森で30年以上観察をつづけた著者による作品集です。自然のいとなみをつづった135話が詩情豊しじょうゆたかな絵とともに、12の月に分けて収録しゅうろくされています。たとえば「五月」は、花えでのどをいためたのか、ハッホーと鳴く「かすれ声のカッコウ」や、季節外れの雪の後、土からにょきにょき出てきたキノコに心おどらせる「キノコ雪」など。読んでいるうち、みなさんも足で歩き、耳で聞き、目で見て、森を旅している気分になるでしょう。

《3》マリア=グリーペ作/大久保貞子訳
《3》マリア=グリーペ作/大久保貞子訳

 『森の少女ローエラ』(学習研究社)《3》の舞台はスウェーデン。12さいの少女ローエラは、人里はなれた森に、おさな双子ふたごの弟たちと住んでいます。母親は汽船の炊事婦すいじふをしているため、いつ帰るか分かりません。父親は幼いころわかれたきり、居所不明いどころふめい。それでもローエラは、森できのこをったりしながら、けんめいに弟たちの世話をします。ところが、見かねた大人たちのはからいで、町の児童じどうホームに入れられ学校に通うことに。騒音そうおん、光の洪水こうずい、人の波……。都会になじめないローエラでしたが、やがて友達と夜遊びに出かけたりもします。一方、母親の友人から昔の話を聞き、「パパ」へのあこがれをつのらせます。

 心の内に森の世界をめた野性的な少女が、孤独こどくを見つめながら自分の道をゆこうとする姿が印象いんしょう的です。1963年の作品ですが、現代文明への批判ひはんは、今、さらに重みを増しているかもしれません。

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2060069 0 キッズニュース 2021/05/24 05:20:00 2021/05/25 16:57:36 2021/05/25 16:57:36 山をつくる https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/05/20210517-OYT8I50007-T.jpg?type=thumbnail

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