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誰でも快適 公共トイレ

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  みな さんは 公共こうきょう トイレと聞いて、どんなイメージが かびますか? 日本 財団ざいだん が東京・ 渋谷しぶや で進めるプロジェクト「THE TOKYO TOILET」では、 著名ちょめい建築家けんちくか やデザイナーらの手によって、 個性的こせいてき な公共トイレが次々に 設置せっち されています。 参加さんか したプロダクトデザイナーの 田村奈穂たむらなお さんと、日本財団の 担当者たんとうしゃ に、設置の 効果こうか やデザインへのこだわりについてオンラインで 取材しゅざい しました。

 「THE TOKYO TOILET」は、 だれ もが 快適かいてき に使用できる公共トイレを設置するという 目的もくてきかか げたプロジェクトです。建築家の 隈研吾くまけんご さんや 安藤忠雄あんどうただお さん、クリエイティブディレクターの 佐藤可士和さとうかしわ さんら、世界的なクリエイター16人がデザインを 担当たんとう しました。

 この 企画きかく が始まったのは、2018年。公共トイレは「暗い、 きたな い、 こわ い、くさい」の「4K」と言われ、あまりいいイメージを持たれていませんでした。公共トイレとはいうものの、本当に人々にとって開かれた場所であるのかという問いが企画の 背景はいけい にあります。

建築家の坂茂さんが手がけたガラス張りのトイレ。利用者がカギをかけるとガラスが不透明になる
建築家の坂茂さんが手がけたガラス張りのトイレ。利用者がカギをかけるとガラスが不透明になる

 プロジェクトのトイレは、デザインはもちろん、 設備せつびこと なります。 たと えば、男女共用の個室を やすことで、LGBTQ+(性的少数者)の人や別性の 介助かいじょ 者が使いやすくしたり、 不審ふしん 者が ひそ んでいるかどうかが一目で分かるように 透明とうめい外観がいかん にしたり、暗い夜道を らすために、トイレ自体が光るようにしたり、様々な 工夫くふうほどこ されています。

 「全てのトイレに共通しているのは、社会の 課題かだい解決かいけつ を目指していること」だと、日本財団事業担当者の 佐治香奈さじかな さんは話します。利用者の気持ちに い、「誰もが快適に利用できる」というプロジェクトの目的を 実現じつげん しています。

 また、「作っておしまいではなく、10年、20年後も、きれいなトイレを 維持いじ することが大切」だと語る佐治さん。 清潔せいけつ さを維持することが、 まち 全体を変える力になれると考えたそうです。

  通常つうじょう のトイレ 清掃せいそう は1日1回 程度ていど ですが、1日2~3回行っています。さらに、月に1度は 専門家せんもんか の「トイレ 診断士しんだんし 」に 点検てんけん してもらい、メンテナンスしています。清掃員のユニホームもオシャレで、街の人からねぎらいの声を けられることも多いといいます。

田村奈穂さんがデザインした「東三丁目公衆トイレ」(撮影:永禮賢、提供:日本財団)
田村奈穂さんがデザインした「東三丁目公衆トイレ」(撮影:永禮賢、提供:日本財団)

 これらのトイレの中でも、 外壁がいへき の赤が 印象的いんしょうてき な「東三丁目 公衆こうしゅう トイレ」をデザインした田村奈穂さんは、ニューヨーク 在住ざいじゅう のデザイナーです。デザインするにあたり、日本に一時帰国し、 改装かいそう 前のトイレを見に行ったそうです。

 駅に近いため、子どもやお年寄り、サラリーマンなど、 老若男女ろうにゃくなんにょ いろいろな人に利用されているのを見て、「だれでも 気兼きが ねなく使えるデザイン」を考えたそうです。また、東京 五輪ごりん ・パラリンピックの 開催かいさい に合わせて、外国人の方々に日本の 魅力みりょく を伝えられたらという思いもありました。

 外壁に赤を えら んだのは、「見た目のわかりやすさ」を大切にしたことと、「 緊張感きんちょうかん を持たせるアラート色を使うことで、少しでも出来心で犯罪が起こらないように、そんな思いを込めた」からだそうです。 特徴とくちょう 的な形は、日本の おく り物文化の 伝統でんとう である「 折形おりがた 」からヒントを ました。一方で内装は落ち着いて使ってもらえるように、シンプルな白を 基調きちょう としています。利用者からは「きれいで使いやすい」「かっこいい」などの声が届いているといいます。

 今回の取材を通して、日本財団の方も、デザイナーの田村さんも「使う人」のことを考えてプロジェクトを進めていることが心に のこ りました。私たちも大切に使っていきたいと思います。これから全国に快適な公共トイレが広がっていくことを期待しています。

編集後記

  はじ めてこれらのトイレを見た時は、 たん に街を り上げるために個性的な公衆トイレを設置しているのだと思っていました。しかし、各トイレの個性は「利用者に寄り添ったデザイン」の 結果けっか 生まれたものだと知り、デザインで社会の課題を解決しようという こころ みに感動しました。

 プロジェクトは、むしろこれからがスタートだと思います。今後トイレが街にどんな 影響えいきょうおよ ぼしていくのか楽しみです。(川延)

 ★企画者・ 川延怜奈かわのべれいな 記者(高1)、 時田莉瑚ときたりこ 記者(高2)、 三代和香みよわか 記者(中3)、 青島あおしま アティーシャ・アンジェロ記者(中2)、 斎藤陽依さいとうひより 記者(小5)

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2182716 0 キッズニュース 2021/07/12 05:20:00 2021/07/13 12:00:33 2021/07/13 12:00:33 田村菜穂さんがデザインした「東三丁目公衆トイレ」(撮影:永禮賢、提供:日本財団)=外部著作権撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210701-OYT8I50005-T.jpg?type=thumbnail

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