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    ジュニア記者が様々な施設やスポットを訪問します。

    あめ細工 伝統の技に挑戦

     江戸時代えどじだいから庶民しょみんに親しまれてきたあめ細工。お客さんの目の前で、動物や花など様々さまざまな形を作り出します。専門店せんもんてん「あめ細工 吉原よしはら」の吉原孝洋たかひろさん(42)に伝統でんとうわざについて聞き、基本的きほんてきな細工に挑戦ちょうせんしてみました。

    専門店で「ウサギ」作り

    • 吉原さんに教わりながらあめ細工に挑戦。はじめは熱いあめを練るところから
      吉原さんに教わりながらあめ細工に挑戦。はじめは熱いあめを練るところから

     あめ細工は、江戸時代の1700年ごろから街中まちなかで売られ始めたと言われています。原料げんりょうは、米などのでんぷんを酵素こうそとうえた水あめ。当時は、ストローじょうあしを使って、きガラスのようにあめをふくらませて作られ、鳥の形が多かったそうです。

     子どもの頃、お祭りの屋台などであめ細工に親しんでいたという吉原さん。大人になってイタリア料理人になりましたが、勉強のためにイタリアに行ったさい、「宿でいろんな人と話し、自分は日本人であるということを自覚じかくした」と言います。そこで、小さい頃にあこがれていたあめ細工を学ぼうと思い立ちました。

    • 店で売られている様々なあめ細工
      店で売られている様々なあめ細工

     各地かくちの祭りに出かけ、あめ細工の屋台で作り方をたずねるなどする中で出会ったあめ細工の一人に弟子入でしいりし、2004年に独立どくりつ。昔は行商だったあめ細工ですが、今では衛生上えいせいじょうの理由から路上では営業えいぎょうできません。そこで「あめ細工を後世にのこしていくためには、普段ふだんから見られるところがなければ」と、08年にお店を開きました。

     はじめの頃は、何回作っても同じ形ができるように、毎日同じ形ばかりを60~70作り、「体でおぼえた」そうです。作れるものは、今ではねこ干支えとの動物、恐竜きょうりゅう、人魚、プリンセスなど70種類以上しゅるいいじょう。味も、バニラ味のほか、レモンやイチゴ、チョコ、ソーダ味もあります。

     温めてやわらかくしたあめは、3分ぐらいでかたまってしまうので、スピード勝負です。お店では注文からお客さんにわたすまで、5~10分ぐらい。できあがったあめ細工は、冬なら3~4か月、夏は1週間から1か月保存可能ほぞんかのうです。

    • 完成した「ウサギ」。真ん中の吉原さんが作ったお手本と比べると、ネコやブタみたいなものもあるけれど、それぞれの味が
      完成した「ウサギ」。真ん中の吉原さんが作ったお手本と比べると、ネコやブタみたいなものもあるけれど、それぞれの味が

     お店は現在げんざい実演販売じつえんはんばいを行う千駄木せんだぎ本店(東京都文京区)と、体験たいけんができる谷中やなか店(同台東区)の2店。私たちは、谷中店であめ細工作りを教わりました。

     挑戦したのは、ウサギ。あついあめを手で練って、形を丸くしてくしし、はさみを使ってウサギの形にしていきます。はじめに吉原さんがお手本を作ってくれたときは簡単かんたんそうに見えましたが、やってみると、固まっていくあめにはさみを入れるのに一苦労ひとくろう。とてもウサギには見えない形になってしまいましたが、作業はとても楽しかったです。

    • 吉原さん作の「ペガサス」。羽やたてがみの細部まで繊細にできている
      吉原さん作の「ペガサス」。羽やたてがみの細部まで繊細にできている

     最後に、吉原さんがペガサスを作ってくれました。「彫刻ちょうこくは引き算、粘土ねんど細工は足し算だけど、あめ細工はり算」と話しながら手際てぎわよく作り上げたペガサスは、羽やしっぽに躍動感やくどうかんがあり、今にも空にけ出しそうでした。

     吉原さんは、最近さいきんでは各地のお祭りだけでなく、介護施設かいごしせつや海外の領事館りょうじかんで実演することもあるそう。また、お店には外国人観光客かんこうきゃくも多くおとずれ、見事な細工におどろいたり、製作せいさくを体験したりしているといいます。

     「目の前のお客さんがよろこぶ顔を見るのがやりがい」という吉原さんは、「ライブ感を大切に、子どもだけでなく大人も喜ぶものを作っていきたい」と話してくれました。

    【取材後記】難しさ予想外 未来につなぐ

     ◆高2・伊藤瑞穂いとうみずほ記者

     体験してみて、予想外よそうがいむずかしさに驚き、一人前になる大変たいへんさを実感。あめ細工が一層魅力的いっそうみりょくてきに見えてきました。ほかの伝統の技や芸能げいのうも、私がまだ知らない多くの魅力がまっているのではないかと感じました。

     ◆中3・福満愛可ふくみつあいか記者

     今ある伝統的なものは、吉原さんのように後世に残そうと努力どりょくする人がいるからこそつたえられてきたのだと感じました。私たちも、日本の伝統を責任せきにんを持って未来につなげていかなければならないと思いました。

     ◆中1・津田凜太郎つだりんたろう記者

     吉原さんに「急ぎながらも美しく」とアドバイスされてがんばりましたが、あめが固まるのが予想以上に速く、ウサギを作ろうとしたのに恐竜のような形に。むずかしかったけれど、よい思い出になりました。

     (ヨミウリ・ジュニアプレス取材班しゅざいはん撮影さつえい松本拓也まつもとたくや

    2018年04月06日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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