下を向いて歩こう(3)

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日比谷高(東京都) 雑草研究会

こんな話です

 都立No.1進学校の日比谷高雑草研究会(雑研(ざっけん))は、それぞれの学年が研究テーマによって「○○世代」と呼ばれる。部長で2年のめじろ君は、先代が成し遂げてきた研究に驚かされていた。

▽過去の連載

 下を向いて歩こう(1)(2)

シダからコケに世代交代

 こんにちは。部長で2年のめじろです★

 校舎の半地下で活動しているため、「地下部」なんて、ちょっと怪しげな呼ばれ方をする雑研。でも実は僕たち、学年ごとにテーマとなる植物を決めて、ちゃーんと真面目に研究しているんです。

 例えば、この春卒業した先輩たちのテーマは「シダ」。その一つ上の先輩もシダを研究していたから、「第2シダ世代」と言った方がいいかもしれません。彼らは2年がかりでシダの分布を調べたので、秋の文化祭で発表された研究結果の緻密(ちみつ)さたるや、専門家顔負けでした。

 さて、2年続いたシダの後、どんな植物を選ぼうか? 今の3年生は苦悩したそうです。

 結局、選んだのが「コケ」。

 シダもそうですが、コケも花が咲かないので種類の識別はそのぶん難しくなります。葉もものすごく小さいのでピンセットでつまむのも一苦労。そして何より、地味……ですよ()

 「先生、僕たちコケやります」

 昨春、前部長の福村先輩がそう申し出たとき、僕らの部の担当で、学生時代に植物学が専門だった生物の福田先生も「えええっ」と驚いたようです。

 コケそうになった、と★

文化祭で発表

 かくして「コケ世代」は文化祭に向け、研究を始めました。

 緑色の小さな葉をスライドグラスに載せては顕微鏡で熱いまなざしを注ぐ先輩たち。福村先輩を始め、個性的なメンバーがどんな発表をするのか、僕らはすごく楽しみにしていました。

 そして迎えた昨年9月の文化祭。先輩たちは見事に結果を残しました。コケの研究をポスターで発表するだけでは一般客のハートを射止められないとふむと、お手製の「どくだみ茶」で来場者をおもてなし。さらにプレゼントがもらえる「雑草クイズ」で場を盛り上げたのです。

 特に、クイズ全問正解者に贈られたプチサボテンは子どもからお年寄りまで大人気でした。

 コケティッシュだ、って()

伝説の寸劇

 そういえば、僕が雑研に入ったのも、コケ世代のおかげです。

 昨年4月、僕ら新入生向けに開かれたオリエンテーションで彼らが披露したのは伝説の寸劇「雑草戦隊雑研ジャー」でした。

 まずステージ上に現れたのは「草刈り機」役の男子。「日比谷高の雑草を一掃してやるぜぇ」と暴れまくります。

 そこに、「そうはさせない」と赤、青、緑のカラフルなTシャツを着込んだ3人が登場。元気いっぱいかりん先輩、イケメンのもこみち先輩、そして、明らかにノリノリな2人についていけていない福村先輩が、「雑草にだっていいところがある」と猛アピールしたのです。

 「緊急時の食べ物になる!」「土をきれいにしてくれる!」「勉強で疲れた心を癒やす!」

 「くっ! きょっ、今日のところは見逃しておいてやる」

 草刈り機はこうして退散し、平和が訪れる……。シュールすぎる展開でしたけど、僕は「なんか楽しそうだなー」って感じたんですよ()~。雑草への愛を感じたというか。

 で、そんなコケ世代の後を継ぐ僕たち2年生が何を研究するかというと……「カミ」、です。特定の植物ではなく、繊維の多い雑草から紙を作るというハイレベルなものなのですが……「カミ世代」の挑戦は道半ば。

 秋までに、必ずや成果を上げるつもりですっ! (高校生の登場人物はすべて仮名です)

32854 0 部活の惑星 2018/07/25 05:20:00 2018/07/25 05:20:00 2018/07/25 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180718-OYT8I50077-T.jpg?type=thumbnail

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