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淑徳SC高等部 華道部

同じ花。全く違う作品。面白いかも!

 「華道部に入りたいなぁ。でも茶道部にも興味があるしな」

 去年の秋から華道部の部長を務める高校2年のアイカも、入学前はそんなことを考えていた。学校案内で紹介されている先輩たちは、どちらもおしとやかに見えてステキだったから。

 どちらかといえば物静かなタイプ。小さい頃から花が好きで、小学校では「お花クラブ」に入っていた。

 中学に華道部か茶道部があればよかったけれど、通った中学校にはなくて、「なんとなく雰囲気が似ているかな」と吹奏楽部に入ってみた。だけど、思っていた以上にハードでついていけず、ほとんどを帰宅部として過ごした。

 そんなアイカにとって、東京・文京区の淑徳(しゅくとく)SCには最高の環境が整っていた。

 校名のSCから新しい印象を受けるけれど、起源は1892年(明治25年)にできた淑徳女学校。女子校として120年以上の伝統がある。SCはSuccessful Careerの略で、女性としてより良く生きるための教育を目指す意味が込められているらしい。

 そんな学校だから、華道、茶道ともクラブ活動は盛んだし、すべての生徒が学ぶ授業もある。

 「どっちにしようかな」

 合格してから入学するまで、ワクワクしながら悩む楽しい時間が続いた。

茶道部と兼部

 だが、入学してすぐに悩みは解消された。淑徳SCでは、兼部できるどころか、奨励すらされていたから。

 「なんだ、ぜんぜん悩む必要なかったじゃん」

 東京都内でも屈指の強豪であるバレーボール部なんかは毎日のように練習がある。けれど、華道部の活動は土曜日のみ、茶道部は水曜と金曜だけだった。

 アイカは両方に入ることに決めた。

 ちょうどそんな頃、図書室で、同じクラスのジュリナにばったり会った。教室でのジュリナはおとなしくて、上品な雰囲気。趣味もバイオリン演奏だということだった。

 「図書室で会うってことは私と同じ本好きみたい。似たもの同士かも」。そう思って声をかけると、すっかり意気投合。教室でもよく話すようになった。

 ある時、部活のことが話題になった。ジュリナは「茶道部とダンス部に入るつもり」という。「茶道部に関心があるんだったら、華道部にも行ってみようよ!」と誘ってみた。

 あっさり「いいよ」と返事してくれたことがうれしくて、ジュリナを抱きしめたくなった。

3人で体験

 アイカがジュリナと体験入部に訪れたのは、4月中旬。そこには、同じクラスのマナミもいた。

 華道では金属の針が並んだ剣山に花をさすものだが、初心者向けに、フラワーアレンジメントに使う吸水スポンジが用意されていた。剣山だと茎がズタズタになるので何度もやり直せないけれど、吸水スポンジなら茎を傷つけずにさせる。

 「やり直せるし、そんなに難しくないかな」と思ったアイカだったが、

 「あれ、切りすぎちゃったのかも?」

 「なんか違う…」

ということばかり。

 ほかの2人も思うような出来ではなかったみたい。

 「どうしてこうなっちゃうのかな」と思いながら3人の作品を見ていると、同じ花を使っていても全く違う作品になっていることに気付いた。

 「こんなに違いが出るなんて。生け花って、自分の個性を表現できて面白いかも」

 アイカが華道の魅力と奥深さに触れた瞬間だった。

 華やかに競う(2)はこちら

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1817601 0 部活の惑星 2021/02/04 12:00:00 2021/02/08 12:13:54 2021/02/08 12:13:54 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/02/20210201-OYT8I50064-T.jpg?type=thumbnail

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