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華やかに競う(3)

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淑徳SC高等部 華道部

こんな話です

 華道部に入部したアイカは、華道の流派・華道家元池坊の様式の一つ「自由花」に挑戦する。当初は思うように生けられず苦しむが、部活で指導するオオシマ先生の指摘を思い返しながら自宅で生け直すうちに、実力がつき始めていた。

▽過去の連載
 華やかに競う(1)(2)

感性、スピード、丁寧さ…「全国」目指せる!

 「先輩たち、なんかぴりぴりしてるよね」

 夏休み前の練習日。アイカは隣で花を生けていたジュリナに話しかけた。

 いつもは穏やかな2年上の先輩たちが、にわかに緊張感を漂わせていた。池坊(いけのぼう)の生け花を学ぶ高校生のための「花の甲子園」。その地区大会が8月下旬にあるからだった。

 毎年100校以上が参加し、地区大会(この年は全国が15地区に分かれていた)で優勝すれば、全国大会に進める。

 おもしろいのは、作品のできばえだけでなく、その魅力を伝えるスピーチもあること。先輩たちは活動時間が終わっても、作品の構成を考えたり、スピーチの練習をしたり…。

 そんな先輩たちは、関東南大会で優勝!! 11月の全国大会に出場することになった。

 地区大会は3人がそれぞれ生けるが、全国大会では3人がリレーのようにつないで一つの作品を仕上げる。全国大会に向けて、ますます仲良く、楽しそうに稽古する先輩たちがまぶしかった。

「悔しい」

 華道部に入って半年ほど。自宅での“自主練”や花屋前での“イメージトレーニング”のおかげか、力がついてきたアイカは、「私たちも全国大会に行きたいな」と思うようになった。

 華道部に2年生はいなくて、1年生はアイカ、ジュリナ、マナミの3人。「来年の花の甲子園を目指さない?」とジュリナに投げかけてみると、体験入部に誘ったときと同じように「いいね。私も出てみたい」と即答してくれた。

 仲間と一緒に大会を目指す――。花が好きだったし、上品そうだし、おしとやかな感じが自分にあっていると思って入った華道部だったけど、なんだか部活らしくなってきた。

 それでも、実力はまだまだ。10月の文化祭に出展したのは「30点」というレベルだった。

 同じ時期に、指導者の手直しなしの作品の写真を応募する「学校華道インターネット花展」があって、このための作品を文化祭でもお披露目する。

 先生が選んだ花材で挑んだが、「型」にこだわり過ぎてしまった。

 これまで何かに熱くなることはなかったアイカだったが、このときばかりは、とても悔しかった。

覚悟決めた

 先輩たちは、花の甲子園の全国大会で敢闘賞を受賞し、部活を引退した。いよいよアイカたちの代だ。

 このころになると、アイカ、ジュリナ、マナミとも、個性が際立つようになっていた。

 ジュリナは、芸術家タイプ。あえて花材を切らずに生けたりと、大胆な発想と豪快さが持ち味だ。

 マナミは、決断力とスピードが抜群。仕上げるまでの時間は3人で最も短かった。

 そしてアイカは、時間をかけて構成を考え、丁寧に生ける熟考タイプ。

 「この3人なら、いい化学反応が生まれるんじゃ」

 アイカにはそんな予感があった。

 ただ、ジュリナとマナミが自由過ぎて、仕切り役がアイカ以外にいなそうだった。周囲に流されがちだったアイカも覚悟を決めた。

 「私がまとめる。花の甲子園に出る!」

 華やかに競う(4)

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1817614 0 部活の惑星 2021/02/08 12:00:00 2021/02/12 12:42:37 2021/02/12 12:42:37 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/02/20210201-OYT8I50071-T.jpg?type=thumbnail

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