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熊本市立三和中 剣道部(中)

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仲間と目指す一本

▽過去の連載
 熊本市立三和中 剣道部 (上)

孤独な素振りの先に…目標見えた!

 中学から剣道を始めたミサとナナ、ユウカは仲良しで、良きライバルでもある。3人で支え合い、腕を磨いてきた。ミサは中1の7月に練習試合で勝利を収め、ますます剣道に精を出していたが…。

 ヒュッ、ヒュッ。ミサは自宅の庭で、竹刀を振っていた。

 あと少しで2年生になる昨年3月。新型コロナウイルスの影響で学校が休校し、剣道部も自宅練習になった。

 「早くみんなと稽古したいな…」。そんな弱気が顔をのぞかせることもあった。

 でも、剣道部のテーマは「 克己(こっき) 」。自分に打ち勝つという意味だ。だから、自分に負けるわけにはいかない。

 休校前、顧問のカワセ先生からも「今できることをやろう!!」と言われ、ある紙を手渡されていた。200個の小さなマス目があって、50本素振りすれば1マス黒く塗っていく。全部塗るには1万本だ。

 その紙には「百練剛」と書かれている。百練剛とは、人の百倍努力して行えば、心身ともに強くなれるという教えだ。

 その教えを胸に、ナナ、ユウカの2人と「毎日1000本」の目標を立てた。2人からはLINEで「1000本やったよ!!」とメッセージが届く。

 「負けられん」。ビュッ、ビュッ!! 力がみなぎる。全てのマスを塗り終えると、「勝」の字が浮かび上がった。

先生のひらめき

 6月に学校が再開し、武道場での稽古も始まった。だけど、大会は軒並み中止。「試合に出たいね」「努力した成果を試したい」。3人とも思いは同じだった。

 夏になり、カワセ先生から校舎の一室に呼ばれた。

 「クラウドファンディングをして大会を開けないかと考えている!!」

 え? クラウド…? 先生が熱く語ってくれたのは、こういうことだった。

 私たちのように中学から剣道を始めた剣士だけが出場する大会を三和中で開く。開催するにはお金がかかるので、ネットを通じて寄付を募る「クラウドファンディング」を活用する。

 小学校から剣道を始めた人と違って、経験が浅い中学デビュー剣士はそもそも大会に出場しづらい。大会が減ったらなおさらだ。先生は「そんな剣士のための大会を開きたい」という。胸がじーんとした。

 「優勝めざそう!!」。目標がはっきり見えた。

竹刀で感謝の品

 稽古に打ち込むかたわら、寄付してくれた人にお礼として贈る「竹炭」も作った。折れたりして使えなくなった竹刀を炭にしたものだ。

 竹炭や木炭を製造する会社の指導を受け、竹刀を短く切って一斗缶に詰めて火を付ける。一斗缶にふたをする土も手で水とこねた。

 できあがった竹炭は消臭効果バツグンだった。

 稽古の汗が染みこんだ「小手」は、自分でも思わず「オゥ…」と鼻を遠ざけるぐらいだ。でも、小手の上に竹炭を1日置くと、臭いがすっかり消えていた。

 年が明けた今年1月、寄付を募るクラウドファンディングのページをネットに公開した。「寄付集まるかなあ」。ドキドキしていたけど、目標の金額を突破して開催が決まった。

 寄付で集まったお金で準備した優勝カップも届いた。「こんなに大きいんですか!! 絶対勝たなきゃ!!」。4月の大会まで、あと少しに迫っていた。

 ※登場人物は全て仮名です。

 熊本市立三和中 剣道部(下)は こちら

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2109269 0 部活の惑星 2021/06/09 11:00:00 2021/06/15 14:20:52 2021/06/15 14:20:52 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210602-OYT8I50043-T.jpg?type=thumbnail

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