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    「SCHOOL OF LOCK!」とコラボしたラジオ企画を紹介します。

    復帰戦 「やっぱ、お前が必要だ」

    ラジオネーム  鯱男 ( しゃちお ) さんの物語 サッカー部 愛知県 高2男子

    • 写真はイメージです。協力=東京・足立学園高(青山謙太郎撮影)
      写真はイメージです。協力=東京・足立学園高(青山謙太郎撮影)

     「まかせろっ」

     ゴール前に来た相手の鋭いクロス。僕は“相棒”のダイチに声をかけると、思い切りジャンプした。

     バシッ。会心(かいしん)のヘディングとともにボールが大空に向けて飛んでいく。

     よっしゃあ!! 僕は心の中でガッツポーズして思った。「サッカーって、やっぱ楽しい」

     7月16日、地区の高校のリーグ戦。特別な試合ではないけど、僕には一生の宝物になった。

    腰に痛み

     サッカーは5歳から始めた。ずっとポジションはセンターバック。ゴール前を固めるディフェンダーの(かなめ)だ。

     身長1メートル84で同じポジションのダイチとは入学したときからの仲間だ。身長1メートル78でジャンプ力のある僕と彼はチームの「二大巨壁(きょへき)」と呼ばれてきた。

     「最上級生になったら2人で不動のレギュラー」。それが目標だったし、僕らはチームを支える存在になれると思ってきた。でも……。

     1月、腰に痛みが走った。

     病名は「椎間板(ついかんばん)ヘルニア」。「症状は軽いけど、激しいプレーはダメだよ」。レギュラー一歩手前まで来ていた僕にとって、医師の言葉は残酷(ざんこく)だった。

     痛みが(やわ)らいだ頃、医師にだまって練習を再開したが、それがさらに悪い結果を招いた。3月の朝、目覚めると激痛に襲われたのだ。「休めばまたいつかプレーできるのに、なぜいま我慢できないんだ」。医師の言葉を、僕はただぼうぜんと聞いた。

    サポート

    • 写真はイメージです。協力=東京・足立学園高(青山謙太郎撮影)
      写真はイメージです。協力=東京・足立学園高(青山謙太郎撮影)

     少しだけ前向きになれたのはそれから1か月後。チームがインターハイ地区予選で敗退し、引退が決まった先輩マネジャーの言葉がきっかけだった。

     「マネジャーって、選手から見ると試合と関係ない存在かもしれないけど、ボールを磨いたり、ドリンクを準備したり、誰よりチームを応援してる。チームは、みんなでつくるものなの」

     ボールを蹴れない自分にもできることがある、そう思えた。

     僕が自分に課したミッションは二つ。マネジャーの手伝いと、自分が抜けたセンターバックに入ったトモキのサポートだ。トモキは攻撃の選手だったから、ダイチとの連係は見ているだけでハラハラさせられた。

     ドリンクの用意や試合時間の計測、ビブス運びをするかたわら、僕はトモキに寄り添い続けた。「常にダイチの位置を確認して」「ダイチが相手に行ったら、後ろでカバー」

     ポジションがなくなる不安がなかったわけじゃない。でも、主将のコウセイは、僕にこう言ってくれた。「お前がいないと安心して攻められない。システムを変えて、センターバックを3人にしてもいい」

     まさかの「二大巨壁+1(プラスワン)」構想。ぐっときた。本気で腰を治さなきゃと思った。

     そして、6月、待ちに待った練習の許可が出た。

     半年ぶりの公式戦となった7月16日。トモキは攻撃のポジションに戻り、ゴール前は僕とダイチの「二大巨壁」で固めた。

     試合には負けたけど、空に向かって思い切り飛ぶあの感覚と、試合後のダイチの言葉は一生忘れられない。

     「やっぱさ、このチームにはお前と俺の高さが必要だよな」

     ※この物語は、ラジオ番組「SCHOOL OF LOCK!」に寄せられたリスナーのエピソードを取材に基づいて小説化したものです。登場人物は仮名です。

    〈とーやま校長より〉

     けがは肉体的、技術的にマイナスになるかもしれないけど、それと引き換えに今まで見えなかった何かを獲得できる! 鯱男が得たそれはチームと自分を強くする! 逆境の時こそ()()らすべきだ!

    SCHOOL OF LOCK!

     TOKYO FM/JFNのラジオ番組「SCHOOL OF LOCK!」では、読売中高生新聞とコラボした企画「青春サポーターズ」を絶賛オンエア中!! リスナーの部活エピソードをラジオドラマ化するこの企画は、毎週金曜午後10時9分頃から放送しています。

    2016年12月16日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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