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さくさく食感と独特の甘さがクセになる人気のお菓子「キャラメルコーン」が来年、発売から50周年を迎える。時代に合わせて味やパッケージを変化させるなど、様々な工夫でロングセラーの地位を守り続けている。東ハト・マーケティング本部の春成裕介さんに、世代を超えて愛される秘密を聞いた。
ヒントはポップコーン

キャラメルコーンは1971年に発売された。当時のスナック菓子は塩味が主流だったが、コーンスナックにキャラメルシロップをまとわせ、あえて「甘さ」を追求。珍しさも手伝って、たちまち大人気になった。
開発段階で参考にしたのは、映画館などでおなじみのポップコーン。お菓子の形状では、いくつも試行錯誤した結果、口に入れたときにさくさく、そして口溶けの良い食感が楽しめる、現在と同じ「C」の形に落ち着いた。さらに、ただ甘いだけでなく、アクセントとして塩気のあるローストピーナツを入れ、飽きずに続けて食べてもらうための工夫も凝らした。
赤色のパッケージやスナックの製法、形状といった基本は、発売当初からほとんど変えていない。それだけに、東ハトの消費者調査ではキャラメルコーンのイメージに「懐かしさ」を挙げる人も多いという。
おいしさの歴史

▽1971年
新発売。当時は赤を基調としたスナック菓子のパッケージは珍しく、人目を引いた。表面に透明な

▽1985年
おいしい状態が長く保てるように、内側がアルミの袋に変更。透明の円窓はなくなり、商品イメージの写真が前面に。

▽1995年
ベースの味にハチミツを加えてリニューアル。その後も、さらなる味わいを求め、様々な試行錯誤が続けられている。

▽2003年
イメージキャラクターの「キャラメルコーン君」が誕生し、パッケージそのものをキャラクター化。長く親しまれてきたベースの赤色とスナック(写真)が見える円窓のデザインは残した。
8月下旬には、発売50周年を前に、味に改良を加えてリニューアル。食べた瞬間に甘さを最も感じられるようキャラメルシロップを増量。ローストピーナツも増やし、塩気と香ばしさのバランスに気を配った。1971年の発売当初のレシピを参考にし、原点を大切にした味だという。
同時に、香ばしさを強調した「アーモンドキャラメルコーン」、大人っぽいほろ苦さが感じられる「ビターキャラメルコーン」の2種類も新発売。東ハトは「新たな定番に」と期待している。
個性光るフレーバー
東ハトでは、キャラメルコーンの「基本」を守りつつ、挑戦的な新商品の開発にも取り組んできた。その数は、なんと500種類以上。ここでは、その中でも特徴的なものをいくつか紹介する。

脇役が主役
◇「キャラメルコーンのピーナッツ」(2019年5月発売、販売終了)
ふだんは「脇役」のローストピーナツ。「ピーナツだけ食べたい」というファンの声を受け、「主役」に。
スイーツ再現
◇「キャラメルコーン・平成スイーツ ティラミス味、昭和スイーツ フルーツパフェ味」(2019年2月発売、販売終了)
改元を前に、平成初期に人気のティラミス味と昭和の喫茶店の定番スイーツのフルーツパフェ味を再現。お父さんお母さんも懐かしかったはず。


ハロウィーン気分
◇「キャラメルコーン・パンプキンプリン味」(2020年8月発売)
かぼちゃペーストと卵、練乳を加えた蜜をかけ、濃厚でまろやかな味わいに仕上げた。キャラメルコーン君もハロウィーン仕様でドラキュラに仮装。
5倍大!
◇「ギガント!キャラメルコーン」(2020年10月発売)
コーンスナックの大きさを5倍にした巨大キャラメルコーン。見た目のインパクトは抜群で、反響も大きかった。


表情豊かに
◇「黒きゃりんとうキャラメルコーン・黒糖味」(2014年3月発売、販売終了)
黒ごまや沖縄産黒糖を加えた蜜でコーティングし、かりんとう風に。生地にも黒ごまを練り込んだ。ミルク味の「白」も同時発売。歌舞伎の


100年愛される味を
◇東ハト・マーケティング本部、春成裕介さん

キャラメルコーンは、3世代にわたって全国で愛されてきました。ご両親と一緒に食べたことがあるという人も多いのではないでしょうか。
最近では、キャラメルコーンを持って写真を撮り、SNSにアップする中高生もいるようです。先日は2025年大阪・関西万博のロゴマークがキャラメルコーン君に似ていると話題になり、びっくりしました。でも、買ってくれた人が自分なりの楽しみ方を見つけてくれたり、話題にしてくれたりするのはうれしいこと。50年、100年後も皆さんと楽しい思い出をつくっていけるお菓子であり続けたいと思っています。
※商品画像は東ハト提供