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    中高生(中学生、高校生)へのオススメ本について徹底的に語ります。

    「へんなタイトルの本」を特集

     読売中高生新聞の読書面「ほんのレストラン」。11月13日号では、「へんなタイトルの本」を特集しました。今回も幅広い本を、副編集長2人でご紹介します。

     ナンクル・ナイサ副編集長(NN) 自分ではまともだと思っているが、家族の前では変な行動も多い。元々冬は嫌いだったが、近年冷え性になり、結構つらい。

     タマゴ・タベタイ副編集長(TT) 9月から編集室に入った最年少の男子。東京に劣等感を抱きながら埼玉県で育つ。生卵が好きだが、ゆで卵はもっと好き。

     TT 配属されたのは3か月も前ですが、このページの対談は初めてです。よろしくお願いします。参加しなきゃ、しなきゃとは思っていましたが、先延ばしにするダメな性格がもろに出て今頃になってしまいましたね。NNさま、申し訳ございませんでした。

     NN 待ちくたびれたぞ。この会議室で2か月近く待ってたんだから。

     TT マジすか……。

     NN 「待つわ」のフレーズが浮かんできたぞ。

     TT NNさん、その時代の人じゃないですよね。取って付けたように言わないで下さい。

     NN たしかに、今考えた。とにかく、来てくれてありがとう。待ったかいがあったよ。でも、テーマを忘れちゃった。今回は何を特集するんだっけ?

     TT 「へんなタイトルの本」です。まさに「一見『?』でも、中身は『!』」ですね。やたら長かったり、意味がつかみかねたり、少し変わったタイトルの本ということですが、選んだ本は全部、タイトルがほんとに長いですね。
     僕が読んだマンガ「俺はまだ本気出してないだけ」は、意味はわかるけど15文字もあって確かに長い。で、内容は、漫画家を目指すダメな40歳男を描いた本。やる、やると言いながらいろんなことを先延ばしにして……。ああ、これってまさに僕ですね。だから共感したんです。こうなりたくないとは思いながら、主人公の「どうしようもないおっさん」大黒シズオに少しずつ近づいていっているのかも……。

     NN いきなり語るね~~。でも、誰でもあるよね、先送りって。僕の場合は、嫌なことはなるたけ先に済ませちゃいたいタイプで、逆に、本当にやりたいことを「いつか」「いつか」と思って我慢して先送りしちゃってる気がする。

     TT 意味深ですね。

    青春描く「君の膵臓をたべたい」、強烈な「腑抜けども……」

     NN そんな僕が選んだのは、「君の膵臓(すいぞう)をたべたい」。恋愛と呼べるかどうかも分からないような、高校生の男女を描いているんだけど、引き込まれて泣いたね。生きているって素晴らしいことなんだな。一見変なタイトルも、実はとっても深いのだと分かる。でも、こんなすてきな青春小説を読むと、自分のことも振り返ってしまう。今の自分はあの時思っていたような自分かな、と考えちゃう。ああ、戻りたいなあ

     TT NN副編集長も語りますね。人生、何か後悔しているんですか?

     NN どこからやり直せばいいのか分からない……。

     TT 気分を取り直しましょう!!

     NN そうですな。じゃあもう1冊を紹介するね。「腑抜(ふぬ)けども、悲しみの愛を見せろ」。これはタイトルに負けず劣らず、本当に強烈な小説でした。まず、主人公の澄伽(すみか)の自意識が強すぎる。もう痛くて痛くて……。でも、女優になるって、このぐらいじゃないとダメなのかな。自分にはとても無理。

     TT 安心して下さい。NN副編集長が俳優になれると思う人は誰もいませんから。まず、見てくれ的に無理でしょう。

     NN 遅れてきたのに失礼な。

    いい意味で期待を裏切る「こんな夜更けにバナナかよ」

     TT 忘れて下さい。ところで、僕の選んだノンフィクション「こんな夜更けにバナナかよ」は、いい意味で期待を裏切る作品でしたよ。タイトルからはどんな話かまるでわからないのに、読んでみたら登場する鹿野さんという男性の言葉や言動にびっくり。筋ジストロフィーなのに、若い女の子との恋愛にもすごく積極的なんですよ。まあその意味じゃ、著者も作品の中で、鹿野さんのことを「どうしようもないおっさんだ」みたいなことを書いているんですけれども。
     鹿野さんはとっても魅力的で型破り。僕たちが「障害者」に対して抱きがちなステレオタイプのイメージを、一発で吹っ飛ばすような人物に、目を見張る思いでした。

     NN たしかに、僕も読んだ時、頭をぶん殴られるような衝撃があった。自分がいかに他者や物事を決めつけで見ているか、思い知らせてくれる本だった。たぶん人間は、障害者に限らず、外国人や別の世界に生きる人たちを固定されたイメージで見がち。それを自覚するためにも、読んでおくべき本だね。長いけど平易に書かれていて、すぐに作品世界に入り込めるしね。

     TT 2冊を読んで思ったのは、欠点や欠落した部分がある人ほど、完璧な人より魅力的に見えたり、親近感がわいたりするってことですかね。仕事を先延ばしにする人のことを「プロクラスティネーター」と英語で言いますが、まさに私はその典型なわけで、しかしそれもこの編集室ではご愛嬌(あいきょう)ということで……どうかお許し下さい。僕、まだ本気出してないだけですから。

     NN そうやってまとめたのね。じゃあ、次回はあまり待たせずに会場に来てね。

    2015年12月28日 17時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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