「鉄と魚とラグビーの街」釜石の名所を歩く

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 2019年ラグビーワールドカップ(W杯)の開催都市の一つである岩手県釜石市。近代製鉄発祥の地であり、三陸の海の幸に恵まれる「鉄と魚とラグビーの街」だ。大会期間中、予選リーグ2試合が行われる釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアムが完成し、W杯に向けて大いに盛り上がっている。ラグビーだけではない、釜石の魅力を紹介する。(原啓一郎)

釜石を見守る観音様~釜石大観音

ハート形のモニュメントの向こうに大観音を仰ぎ見る
ハート形のモニュメントの向こうに大観音を仰ぎ見る

 まず訪れたのは、鎌崎半島にそびえ立つ釜石大観音だ。1970年に建てられて以降、約50年の間、釜石市を見守ってきた。

 高さは48.5メートルで、内部は13階に分かれている。胎内には三十三観音や七福神が(まつ)られており、11・12階部分の展望台に上れば、太平洋を一望できる。2016年には「恋人の聖地」に認定され、敷地内に2羽のカモメが寄り添うハート形のモニュメントが完成。恋愛成就、特にプロポーズにふさわしいスポットとして有名だ。

 大観音とあわせて見ておきたいのが、駐車場近くにある「奇跡の石」。東日本大震災の津波に耐えた石に水晶が埋め込まれており、触れれば幸運に巡り合えるとされている。このパワースポットを訪れ、幸せを招こう。

 拝観時間は午前9時~午後4時半。入場料(個人)は大人500円、中高生300円、小学生100円。定休日は毎年12月29~31日(31日は午後10時開館)。公式サイトはこちら

展望台からの風景。太平洋のはるか遠く、水平線が美しい
展望台からの風景。太平洋のはるか遠く、水平線が美しい
東日本大震災の津波に耐えた「奇跡の石」
東日本大震災の津波に耐えた「奇跡の石」

駅前で海の幸に舌鼓~サン・フィッシュ釜石

「サン・フィッシュ釜石」の建物。マンボウの絵がかわいらしい
「サン・フィッシュ釜石」の建物。マンボウの絵がかわいらしい

 JR釜石駅の改札を出てすぐ、マンボウの絵が描かれた建物が、駅前橋上市場「サン・フィッシュ釜石」だ。新鮮なアワビ、ウニ、ホタテなどの海産物や海藻類などを買えるほか、2階のレストランで食事も楽しめる。2003年にオープンした。東日本大震災の津波で浸水はしたが、甚大な被害からは免れた。

 館内の「七兵衛屋商店」のいち押しが、三陸産のワカメと昆布だ。店主の後藤英輔さん(64)によると、昆布はおでんや昆布巻きに適しているといい、「一度買ったお客さんが、何度も『送ってほしい』と注文してくれる」という。

昆布を持ち上げる「七兵衛屋商店」店主の後藤英輔さん
昆布を持ち上げる「七兵衛屋商店」店主の後藤英輔さん

 W杯には「期待もあるが、不安もある」という後藤さん。釜石市内には十分なホテルがないため、「花巻市や盛岡市に泊まった人たちは、お店に寄ってもらえないんじゃないか」と心配している。地元で取れた魚もそろえており、「ラグビーはもちろん楽しんでほしいけど、釜石の海の幸もぜひ食べてほしいね」と語る。

 サン・フィッシュの営業時間は午前7時~午後4時。原則、水曜定休。公式サイトはこちら

 海の幸はサン・フィッシュのほか、釜石市内のさまざまな店舗で提供されている。ラグビーの応援で()いたお(なか)は、取れたての海の幸でぜひ満たそう。

「鉄の街」釜石を学ぶ~鉄の歴史館

 江戸時代末期、盛岡藩士の大島高任(おおしまたかとう)が釜石市に西洋式の高炉を築き、日本で初めて鉄鉱石を原料とした製鉄に成功したことから、釜石には本格的な製鉄が根付いた。釜石大観音の近くにある「鉄の歴史館」では、その歴史に触れられる。

 館内には、江戸時代に盛岡藩が大島の指導で築造した「橋野鉄鉱山」で使われていた高炉のひとつ、「三番高炉」の実物大模型がある。模型では赤やオレンジの照明で、溶けた鉄が流れる様子を再現しているほか、鉄鉱石や高炉で作られた宝剣など、釜石の製鉄業に関する資料が(そろ)う。金属の鋳造体験もでき、自分だけのキーホルダーを作ることができる(要予約)。

 開館時間は午前9時~午後5時(入館は午後4時まで)。入館料(個人)は一般500円、高校生300円、小・中学生150円。休館日は毎週火曜日。

 釜石駅前には大島高任の像と、「鉄のモニュメント」が立つ。モニュメントの上部には釜石製鉄所の高炉で燃えていた炎が灯されており、駅前からは、新日鉄住金の工場から立ち上る白い煙が見える。釜石に今も息づく「鉄の街」の鼓動を感じる場所だ。

 釜石駅から車で約50分の場所にある「橋野鉄鉱山」は、世界遺産「明治日本の産業革命遺産」の一つ。高炉跡などを巡ることができる。

「三番高炉」の実物大模型(鉄の歴史館提供)
「三番高炉」の実物大模型(鉄の歴史館提供)
釜石駅前の「鉄のモニュメント」。「ものづくりの灯を永遠に」という言葉に、鉄の街としての誇りが込められている
釜石駅前の「鉄のモニュメント」。「ものづくりの灯を永遠に」という言葉に、鉄の街としての誇りが込められている

ラグビーカフェ、釜石ラーメン、新鮮な海の幸……

「ラグビーカフェ釜石」に掲げられたフライキ
「ラグビーカフェ釜石」に掲げられたフライキ

 釜石市のラグビー情報発信拠点が、釜石駅隣の観光物産施設「シープラザ釜石」内にある「ラグビーカフェ釜石」だ。

 館内には新日鉄釜石ラグビー部の活躍を紹介するパネルや、日本選手権で使われたボールなどが展示されているほか、天井からは釜石ラグビーの応援を象徴する「フライキ」(大漁旗)が飾られている。

 併設されているフォトスポットでは、ラガーマンになり切り、トライを決める瞬間の写真を撮ることができる。壁に観客席と芝生が貼られており、芝生にラグビーボールと手を押し付けて、写真を撮ってもらおう。撮った写真を90度回転させれば、芝生に飛び込んでジャンピングトライを決めるシーンの完成だ。足が入らないように撮るのがコツ。

記者もトライを決めてみました。気分はラガーマン
記者もトライを決めてみました。気分はラガーマン

 昼食におすすめなのが「釜石ラーメン」。極細の縮れ麺と薄口しょうゆ味のスープが特徴だ。市内で20か所以上の店舗が提供しており、スープや味、トッピングは店舗ごとに異なる。「釜石ラーメン」と書かれた黒いのぼりが目印だ。釜石ラーメンマップも参考に、気になる店を訪ねよう。

 街中の至る所で、W杯をPRするのぼりや看板を目にする。W杯に向けて盛り上がる釜石市を、歩いてみてはいかがだろうか。

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38001 0 トピックス 2018/08/24 16:30:00 2018/08/24 16:30:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180824-OYT8I50019-T.jpg?type=thumbnail

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