アジア大会「ウイイレ」金メダル~「表彰台の光景忘れない」

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 アジア競技大会は1日、今大会で公開競技となったeスポーツが行われ、「ウイニングイレブン2018(ウイイレ)」に出場した日本代表チーム2人が金メダルを獲得した。出場した杉村直紀選手(21)と相原翼選手(18)による報告会が3日、東京都内で行われ、メダルの喜びやeスポーツの未来について語った(メディア局編集部・原啓一郎)

「表彰台からの光景、一生忘れられない」

金メダルを手に笑顔の杉村選手(左)と相原選手(3日、東京都内で)
金メダルを手に笑顔の杉村選手(左)と相原選手(3日、東京都内で)

 会見で杉村選手は「悔しい試合もあったが、金メダルは日本の皆さんに喜んでもらえる結果だと思う」と安心した様子で語った。相原選手は「金メダルが目標だった。表彰台の一番上で国歌を聴きながら見た光景は、一生忘れられない」と笑顔を浮かべた。

 金メダルを首から下げ、相原選手は「率直に重かった」とも。8月の壮行会では「一番良い色のメダルを持って帰ってくる」と宣言する、10代らしからぬ強心臓が持ち味だったが、日本代表に決まった後、「正直きつかった。自分でいいのかな、って何度も考えた」と胸の内を明かした。それでも弱気になる度に、「もっと頑張らなきゃ」という思いが湧いてきたという。「色々なものを積み重ねた果てに勝ち取った、重い金メダルですね」と本音を漏らすシーンもあった。

 杉村選手は「金メダルを取ったからといって、僕たちはスーパースターになったわけではない。一人のウイイレプレーヤーとして、これからまた頑張らなければ」と気持ちを新たにする。「世界のプレーヤーとオンラインで対戦し続けたから、強くなれた。(これまで対戦した)みんなのおかげです」と感謝を口にした。

大逆転の決勝戦「少しは恩返しできたかな」

決勝戦で喜ぶ杉村選手(左)と相原選手=KONAMI提供
決勝戦で喜ぶ杉村選手(左)と相原選手=KONAMI提供

 試合は8か国・地域から2人1組の計16人が登場し、個人戦2試合とチーム戦1試合の計3試合で争った。日本代表はグループリーグを3連勝で突破すると、準決勝のマレーシアに勝利。決勝のイラン戦に臨んだ。

 第1試合では杉村選手が1-3で敗れる展開に。杉村選手は7月の世界大会でも予選敗退しており、敗戦直後は「『また大事な試合で負けたのか』と、自分への腹立たしさでいっぱいだった」という。それでも、「ここで落ち込んでいたら相原選手に申し訳ない。相原選手のサポートに徹しよう」と気持ちを切り替え、続く第2試合は2-0で勝利。第3試合につなげた。

 「ここで自分が勝たなければ意味がないんだ」と奮い立った相原選手。得点シーンでは大きくガッツポーズをするなど、闘志をむき出しにして試合に臨んだ。試合は3-2で勝利。試合終了のホイッスルが鳴ると、2人は力強く抱き合って優勝の喜びを爆発させた。

 世界大会で優勝経験のあるトッププレーヤーの杉村選手と、アジア大会が自身2度目の大規模大会というルーキーの相原選手。チームを引っ張っていたのは、やはり杉村選手だった。だからこそ決勝の第1試合で負けた時、杉村選手はステージで頭を抱えるほどに悔しがった。「相当引きずったけれど、2戦目の相原選手のプレーから落ち着きを感じた。第3試合は『大丈夫だな』と少しも心配しなかった。ありがたい後輩です」と振り返った。

 相原選手は「(杉村選手は)今も尊敬しているプレーヤー。東アジア予選からずっと頼って、支えてもらっていたから……。最後は勝てて、少しは恩返しできたかな」と照れ臭そうに笑った。

アジア大会からオリンピックへ

グループリーグで、得点を決めて喜ぶ杉村選手(左)と相原選手(1日、ジャカルタで)=浦上太介撮影
グループリーグで、得点を決めて喜ぶ杉村選手(左)と相原選手(1日、ジャカルタで)=浦上太介撮影

 2022年のアジア大会(中国・杭州)の正式競技になることが決まっており、24年のパリ五輪への採用も検討されているeスポーツ。日本でも様々なゲームタイトルの大会が開かれたり、プロゲーマーがメディアに取り上げ始められるなど、徐々に盛り上がりつつある。一方、国際オリンピック委員会(IOC)の関係者が「(eスポーツは)本当にスポーツなのか疑問を抱いている」人の存在を挙げるなど、世間への浸透には時間がかかりそうだ。アジア大会を戦った2人は、eスポーツの未来をどう見ているのか。

 相原選手は「(eスポーツが)どんな方向に進むかは、正直分からない」としながらも、「正式競技ではなかったとはいえ、会場の盛り上がり方は、本当のスポーツと同じくらいだった。少しずつ、本当のスポーツに近づいている気がする」と振り返った。杉村選手は「プレーヤーができることは結果を残すこと。それを通じてeスポーツをみんなに知ってもらって、見たり、プレーしてもらったりすることに繋げたい」と話す。五輪への出場について杉村選手は「五輪は限られた人しか出られない舞台。もしプレーヤーとして出られるのであれば、誇りですよね」と、相原選手は「プレーヤーとして出たい。今回日本代表として戦った経験が、きっと有利になる」と、憧れを語った。

 一方で2人は、「一年一年を大切にすることが先」と口をそろえる。ゲームメーカーのコナミデジタルエンタテインメントからは8月30日、ウイイレの最新タイトル「ウイニングイレブン2019」が発売された。アジア大会で採用された「2018」から一部のシステムやゲームバランスが調整されており、ウイイレ公式リーグ「PESリーグ」の新シーズンも間もなく始まるからだ。杉村選手は「アジア王者だということをプレーでも証明していく」と、相原選手は「もっと実力をつけて、これからどんどん勝てるようになりたい」と意気込んでいた。

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39650 0 トピックス 2018/09/04 11:30:00 2018/09/04 11:30:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180904-OYT8I50018-T.jpg?type=thumbnail

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