eスポーツ「パワプロ」開幕(下)観戦文化、徐々に浸透

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(「パワプロ」開幕(上)から続く)

五輪採用も検討

アジア競技大会の「ウイニングイレブン」で、得点を決めて喜ぶ日本代表の杉村直紀選手(左)と相原翼選手(9月1日、ジャカルタで)=浦上太介撮影
アジア競技大会の「ウイニングイレブン」で、得点を決めて喜ぶ日本代表の杉村直紀選手(左)と相原翼選手(9月1日、ジャカルタで)=浦上太介撮影

 eスポーツはインターネットなどを介して行う対戦型コンピューターゲームで、野球やサッカー、格闘技のほか、カードゲームなどがあり、観客は会場の大型画面で観戦する。

 選手は、高校生や大学生、20、30歳代が中心で、本名ではなく「プレーヤーネーム」を使って戦う。「日本eスポーツ連合」は現在、約130人にプロライセンスを発行している。世界の競技人口は1億人以上とされ、米国や中国、韓国で人気があり、中には数億円を稼ぐプロ選手もいる。

 今夏インドネシアで開かれたアジア競技大会では初の公開競技として6タイトルが行われ、サッカーゲーム「ウイニングイレブン」で、日本人選手が金メダルに輝いた。4年後の中国・杭州大会では正式競技になる予定だ。また、国際オリンピック委員会(IOC)は今後、五輪での採用も検討している。

「元年」の盛り上がり「根付かせたい」

 国内では今年、大型大会が開催されるなど、「eスポーツ元年」と呼ばれる盛り上がりを見せている。

 代表的なのは、カードゲーム「シャドウバース」や格闘ゲーム「ストリートファイター」など人気タイトルが行われる総合大会「RAGE(レイジ)」だ。

 派手な演出が特徴的で、2016年1月の初回の観客は150人だったが、今年9月の9回大会には約1万人が来場。約700万人がインターネットでプレーを視聴した。

 今月23日には10回大会を控えており、主催する「CyberZ(サイバーゼット)」の大友真吾プロデューサー(34)は、「eスポーツを観戦する文化を日本に根付かせたい」と語る。

 今年1月には、1995年から米国で開催されている世界最大規模の格闘ゲーム大会の日本版が初開催された。12月には、国内最高額となる優勝賞金100万ドル(約1億1000万円)の大会が開かれる。

 また、国民体育大会(国体)の文化プログラムとしてeスポーツを導入する動きも広がっている。

 17年の愛媛国体では、野球が盛んな土地柄から、野球ゲーム「実況パワフルプロ野球」の大会が開かれ、地元の企業チームなどが戦った。来年の茨城国体ではサッカーゲーム「ウイニングイレブン」による都道府県対抗大会が開かれる。茨城県の担当者は、「東京五輪では県内がサッカー会場になるなどサッカー熱は高い。誰もが気軽に観戦できるため実施を決めた」と話す。

 一方、Jリーグは今春、eスポーツ大会を初めて主催した。サッカーゲーム世界一を決める「eW杯」の日本予選との位置付けで、決勝では15人が、実際のクラブの選手を操作して対決した。Jリーグの担当者は「eスポーツは世界的に若者に人気がある。Jリーグでは若年層の観客が減っているので、大会を通じてサッカーファンを増やしたい」と話している。

韓国 世界大会に観衆3万人

文鶴競技場で開かれたLoL決勝戦の模様
文鶴競技場で開かれたLoL決勝戦の模様

 eスポーツの人気は、専用スタジアムが建設される米国はもとよりアジアでも拡大する。その代表が韓国だ。

 11月3日、夕闇迫る韓国・仁川インチョン文鶴ムンハク競技場は3万人の熱気で埋め尽くされていた。日韓ワールドカップサッカーが開かれた会場の気温はすでに5度以下。肌を突き刺す寒風が吹き抜けていた。

 彼らが熱狂するのは、サッカーでも野球でも、音楽でもない。チーム戦で相手陣地を破壊する「リーグ・オブ・レジェンド(LoL)」というオンラインゲームだ。アメリカの会社が運営・開発を行い、5人対5人というチームが生む連帯感や、ファンタジーかつポップな世界観が幅広い層に受けている。

 その世界大会の決勝戦が、今年は韓国で行われた。半年以上にわたる予選ツアーで世界数十か国から勝ち抜いた、中国を拠点とするチーム(IG)と、ヨーロッパ各国の選手が集まるイギリスの名門チーム(FNC)が対戦。賞金総額は数百万ドル以上となっている。

 スタジアム会場には幅数十メートルの超大型スクリーンが3台並べられ、スクリーンに映し出された、1試合30分ほどの戦いを見つめる観客の興奮はやむことがなかった。

熱狂する観客=いずれもRiot Games提供
熱狂する観客=いずれもRiot Games提供

 結果は、中国、韓国のプレーヤーがいるIGの3連勝(5試合制)で幕を閉じた。3時間に及ぶイベントでは、歌手とゲームのキャラクターのAR(拡張現実)ショーなど、片時も観客を飽きさせない工夫が随所に見られた。各種動画配信によるライブ視聴者数は計100万人を超え、ツアートータルの視聴者数は5000万人を軽く超えたという。

 会場で観戦したソウル在住の会社員イ・ドンゴンさん(35)は「韓国での開催は古参ファンとしてうれしい。第1回優勝のFNCが、最新の戦法についていけず敗北、時代の流れを感じた」と話した。(事業局コンテンツ開発部 福士博之)

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49657 0 トピックス 2018/11/15 12:24:00 2018/11/15 12:24:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181115-OYT8I50022-T.jpg?type=thumbnail

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