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杉戸宿 江戸の面影残す

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流罪の旗本 作中で宿泊

 「鉄道員(ぽっぽや)」などで知られる作家・浅田次郎さんの本紙朝刊連載小説「流人道中記」で、8月27日付から日光街道の「杉戸宿」(杉戸町)が登場している。1860年(万延元年)、蝦夷(えぞ)地への流罪が決まった旗本と、押送役の若い与力が江戸をたち、最初の宿泊地となったという設定。2016年に開宿400年を迎えた杉戸宿でまちおこしを進めてきた同町は、小説が観光客増につながることを期待している。

見返り狛犬や本陣跡 見所

 江戸幕府は日本橋から日光へ向かう道中に21の宿場を置き、杉戸宿は1616年(元和2年)に5番目として設けられた。

 1843年(天保14年)の記録では、延長約1・8キロの宿場に大名が滞在する「本陣」1軒、戯作者・十返舎一九も利用した「旅籠(はたご)屋」46軒、人馬の荷物運送を調整する「問屋場(といやば)」1軒などがあった。大落古利根川(おおおとしふるとねがわ)が近い街道では現在、高札場跡や社寺が面影を残す。

「知る機会になって」 案内人の会・寺田会長

 観光ボランティアでつくる「杉戸宿案内人の会」の寺田竹雄会長(66)は、「一昨年に復元された高札場、本陣跡の重厚な門、近津神社の見返り狛犬(こまいぬ)など見所は多い。全国で知ってもらう機会になってほしい」と願う。

 静岡県浜松市生まれの寺田会長は4年前、街道の歴史を勉強した新住民同士で意気投合し、「案内人の会」を結成。会員13人が昨年は56団体に解説した。今年も9月に8団体の予約があり、11月には80人の団体が訪れるという。

「どう描くか注目」 関口酒造社長

 街道には1822年(文政5年)創業の「関口酒造」がある。7代目の関口博正社長(77)=写真=は約30年前、「地元の土産をつくろう」と清酒「杉戸宿」を発売した。2006~15年に町商工会長としてまちおこしに努め、東日本大震災で壊れた店を2年前に改築した際も、梁(はり)などは当時の木材にこだわった。

 関口社長は「昔は八百屋、米穀店など店がたくさんあったが、寂しくなった」と嘆きつつ、「今年も11月18日に宿場まつりがあり、観光客でにぎわう。小説で町がどう描かれていくか注目したい」と話す。

「小さい頃蛍追った」 古谷町長

 浅田さんは8月28日付の回で、田園、瀬音、蛍といった自然を活写した。杉戸町の古谷松雄町長(67)=写真=は「自分も小さい頃は蛍を追いかけた。小説で取り上げられるのは、ありがたい。東京五輪の聖火リレーが県内の6宿を通るよう(県の実行委に)働きかけていて、タイミングがいい」と歓迎している。

(2018年8月31日朝刊掲載)

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50752 0 トピックス 2018/11/24 05:00:00 2018/11/24 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181119-OYT8I50011-T.jpg?type=thumbnail

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