ゲーマーたちの「トキワ荘」~ゲーミングハウス入居者募集中

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 プロのeスポーツ選手やプロゲーマーを目指す若者が住み込み、練習や共同生活を送るシェアハウス「ゲーミングハウス」の入居者募集が、東京都で始まっている。ゲーミングPCや超高速ネット回線などが導入されており、プロゲーマーが生活しながら、修業できる場として利用できる。東京都町田市の玉川学園に立つゲーミングハウスを訪れた。

機材も家電も完備~身一つでゲーム漬けの日々へ

ゲーミングハウス「メゾン玉川学園1」
ゲーミングハウス「メゾン玉川学園1」

 東京都町田市の玉川学園の閑静な住宅街。ごく普通の一戸建て住宅の中に、ゲーミングPCやチェアなどが揃(そろ)っている。プロゲーマーがチームで住み込み、練習漬けの日々を送るゲーミングハウス「メゾン玉川学園1」だ。プロゲームチーム「野良連合」の選手・仲條靖史さん(23)が社長を務める「e’sPRO(エスプロ)」社が、ゲーマー向けに貸し出しを始めた建物だ。

 建物は2階建て。約5畳の個室が12部屋と、ゲーミングPCが6台置かれた練習室が2部屋設けられている。トイレやシャワールーム、キッチンなどは全員で共用。個室にはベッドや冷蔵庫、衣装ケースが完備されているほか、共用部には洗濯機、乾燥機、炊飯器や電子レンジ、食器類など、生活に必要な道具が一通りそろっている。

約5畳の個室。ナンバーロックでセキュリティー面も安心だ。
約5畳の個室。ナンバーロックでセキュリティー面も安心だ。

 ゲームに打ち込むための設備も完璧だ。練習室にはゲーミングPCやマウス、ゲーミングチェアなどの機材が人数分用意されている。ネット回線は、下りの最大通信速度が2Gbpsの超高速回線「NURO光」が導入されており、回線の切断や遅延といった、オンラインゲーム特有のトラブルを回避する環境も整っている。プレイステーション4やニンテンドースイッチなど、個人の据え置き型ゲーム機を持ち込んでも良い。

 「メゾン玉川学園1」の賃料は1部屋月9万円で、光熱費や回線費などを含む。身一つで気軽に入居でき、住んだその日からゲーム漬けだ。玉川学園や竹ノ塚(足立区)、舎人(同)、多摩地区に14棟70室を準備しており、4月までに全てオープンする予定。入居者は男性のみだが、女性限定のゲーミングハウスの構想もあるという。

共用部には洗濯機や乾燥機がずらり。「洗濯物を干す手間が省けるので、乾燥機はありがたいです」と仲條さん。
共用部には洗濯機や乾燥機がずらり。「洗濯物を干す手間が省けるので、乾燥機はありがたいです」と仲條さん。

「強くなるならシェアハウス」~選手兼社長の思い

 仲條さんは「クレイジーパピヨン」のプレーヤーネームで、野良連合に選手として所属。野良連合は「レインボーシックスシージ」「オーバーウォッチ」など数多くのタイトルで、国内大会やアジア大会の頂点に輝いてきたチームだ。仲條さん自身は、野良連合の選手とともに玉川学園のゲーミングハウスに住み込み、日々、練習に打ち込みながら共同生活を送っている。仲條さんは「強くなるならシェアハウスに住むべきだ」と、自身の体験を振り返りながら熱弁する。

「強くなるならシェアハウスに住むべき」と力説する仲條さん。
「強くなるならシェアハウスに住むべき」と力説する仲條さん。

 野良連合が得意とするゲーム「レインボーシックスシージ」は、5対5のチーム戦だ。チームワークが勝利を左右するため、チームメートとの密な連係が必要になる。野良連合でシェアハウスに住み始める18年9月までは、オンラインでのコミュニケーションが主だったが、共同生活を始めるとチームの成績が急上昇。2か月後にオフラインでの大会を制覇した。「効果は絶大だった」と、仲條さんも自身で驚いた。

 毎日が「合宿」状態のシェアハウスでは、個人練習でも手が抜けず、ごまかしがきかない。試合後の反省会で顔を合わせ、プレーミスや連係不足などを指摘し合うことで、どんどん腕が上がる。調子が悪い仲間がいると声をかけ、スランプを抜け出す手助けをする。寝食を共にし、共同生活を送ることで、お互いに高め合えるという。18~19歳のチームメンバーの中には、実家を出るのが初めてという人もおり、ゴミ出しや掃除、料理などのルールも教えているという。「これまで『ゲームは個人でやるもの』と思っていた人が、人間関係や社会生活のことを学べる。人としても成長できる環境がここにはある」と仲條さんは言う。

表札を前に笑顔の多田さん。ゲーミングハウスなどの事業を運営する。
表札を前に笑顔の多田さん。ゲーミングハウスなどの事業を運営する。

 仲條さんと共にe’sPRO社の社長を務める多田誠さん(49)は、「ゲーミングハウスの事業を通して、日本のeスポーツのレベルを高めていきたい」と語る。住居を提供するだけでなく、入居したチームにスポンサーとなる企業を紹介したり、入居した人どうしで交流する機会を設けたりする。プロゲーマーを目指すために入居し、才能や実力があれば、プロチームへの紹介もする予定だ。14棟のゲーミングハウスに住む選手たちと、eスポーツに関わる企業やチームがつながる「eスポーツの選手村」のような構想を描いている。多田さんは「ゲーミングハウスはゲーマー版の『トキワ荘』のイメージです。eスポーツで生きていく人を、いろいろな形で支援していきたい」。

 トキワ荘からは藤子不二雄さんや赤塚不二夫さんといった、日本を代表する漫画家が誕生した。このゲーミングハウスからも将来、世界に羽ばたく選手が続々と巣立つのだろうか。

 問い合わせはe’sPRO社の公式ホームページ(こちら)まで。

無断転載禁止
461612 0 トピックス 2019/02/25 16:00:00 2019/02/26 16:10:43 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190225-OYT8I50151-T.jpg?type=thumbnail

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