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真言宗御室派(おむろは)総本山・仁和寺(京都市)で5月15日、重要文化財「観音堂」の修理完了を祝う落慶法要と、観音堂の特別公開が始まった。観音堂は17世紀に再建されて以来、本格的な修理はこれが初めて。しかも、通常は僧侶の修行等に使われているため非公開となっている。特別公開を前に、普段はめったに見られない観音堂の内部を360度カメラで撮影した。
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堂内には、本尊・千手観音菩薩像、不動明王立像など33体の仏像が安置され、回りの板壁や柱は極彩色の壁画で彩られている(ページ下部に写真特集)。
その壁画には、千手観音菩薩のほか、観音菩薩が救うべき対象に合わせて姿を変えた三十三身、亡者が苦しめられる地獄道や餓鬼道といった観音が救うとされる6つの世界などが描かれている。
観音堂は延長6年(928年)に創建され、度重なる焼失に見舞われたが、1640年代に再建された。再建以来、屋根の葺き替え工事など部分的な修理は行われたが、本格的な修理は今回が初めて。今回は建物の骨組みを解体し、建物をジャッキアップして礎石の沈下を直すなど、2012年12月から昨年11月にかけて修繕した。
仁和寺は、修理完了を祝う落慶法要を5月15~21日までの7日間開催している。落慶に合わせた特別公開が5月15日~7月15日と9月7日~11月24日の2回に分けて行われる。
観音堂の拝観料は1000円(高校生以下無料)で、参拝者はお守りなどの記念品がもらえる。
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御室桜はドローン空撮も
仁和寺は遅咲きの「御室桜」でも知られている。4月中旬には、境内の各所を薄いピンクの花が彩り、参拝客らの目を楽しませていた。その見事な咲きっぷりを、ドローンを使って空からも撮影した。
修復なった極彩色の壁画~写真特集
360度画像の見方
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(2019年4月12日、東京本社配信部・漆間晃撮影。画像は一部加工してあります)