「特別展 りぼん」作家インタビュー 水沢めぐみさん
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数々のヒット作を送り出し、「乙女のバイブル」として1990年代に最大発行部数255万部を記録した集英社の月刊少女漫画雑誌「りぼん」。当時を支えた人気作家11人、16作品の原画を集めた「特別展 りぼん 250万りぼんっ子 大増刊号」が7月18日、東京の新宿高島屋で始まります。「読売新聞オンライン」では、展示に参加する作家2人に、デビュー時や作品の秘話、りぼんに対する思いを聞きました。初回は、出展作品の一つ「姫ちゃんのリボン」の作者・水沢めぐみさんのお話をお送りします。


「りぼん」と出会ったきっかけは?
2歳頃からお絵描きに夢中で、自分で考えた女の子やお姫様を描くのが大好きでした。小学3年の時、母に買ってもらった、みつはしちかこさんの「小さな恋のものがたり」を読んで、「漫画を描いて本にできるなんてすごい!」と漫画家になろうと思いました。
りぼんとの出会いは、小学5年。クラスの友達がとてもかわいいイラストが描かれたファイルを持っていて、「『りぼん』っていう雑誌のふろくだよ」と教えてくれたことでした。イラストは一条ゆかり先生が手掛けたもので、ふろく目当てでりぼんを買いにすぐに本屋さんへ。
表紙をめくると広がっていたのは、読んだことのない少女漫画の世界でした。「おとめちっく御三家」と呼ばれていた陸奥A子先生、田渕由美子先生、
りぼんは、品があって、かわいくておしゃれで特別な雑誌というイメージ。「私もこんな作品を描きたい。絶対にりぼんの漫画家になる!」と決めたんです。
高校在学中にデビュー
中学1年の頃には、セロハンテープでつなぎ合わせたノートに200ページほどの恋愛漫画を“連載”して友達に見せていました。勉強も好きだったので、夜中まで勉強してから午前1時や2時まで漫画を描いていましたね。描くことが幸せで、まったく眠くならなかった。その頃から「両立させること」が好きだったのかもしれません。
高校入学後、早速、りぼんに投稿して賞をもらい、1年生の時にデビューしました。授業中、机の上に墨汁を置いてこっそり原稿にペン入れをしていたこともあります。先生が寛容で、墨汁を教室の床にこぼしてしまった時も、なぜか怒られませんでした。
そんな日々を送りながらも、自分が「りぼん」の作家の一員になったということは、長い間信じられなかったです。