世界最大級の音楽祭「BBCプロムス」 日本初開催 演奏動画も

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BBCプロムスの魅力に迫る

 英国の「BBCプロムス」は、毎年7月から9月にかけて、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールを中心に、国内で90以上のコンサートや関連イベントが開催される一大音楽祭。120年以上の伝統を誇る巨大なクラシック音楽祭が、なぜ日本に上陸するのか。(読売新聞東京本社事業開発部 佐藤千紘)

質の高い音楽をより幅広い層へ

7月19日に初日を迎えた今年の英国のBBCプロムス。中央のアリーナ席などを立ち見席として、当日安価な値段で販売。近年はオーストラリアやアラブ首長国連邦・ドバイでも開催されている。©BBC/Chris Christodoulou
7月19日に初日を迎えた今年の英国のBBCプロムス。中央のアリーナ席などを立ち見席として、当日安価な値段で販売。近年はオーストラリアやアラブ首長国連邦・ドバイでも開催されている。©BBC/Chris Christodoulou

 「音楽やコンサートになじみがない人たちも楽しめるような、娯楽性の高いクラシック音楽祭を日本で開きたいと思ったんです」

 「BBCプロムスジャパン」の企画者の一人で、ぴあ株式会社ライブ・クリエイティブ二部マネジャーの小池卓さんはそう振り返る。

 思い浮かんだのが英国のBBCプロムスだった。クラシック音楽だけでなく、映画音楽やジャズ、ヒップホップまでジャンルは多岐にわたり、世界の一流音楽家が演奏を披露する。会場を染める赤や青の照明や、プロジェクションマッピングを使った派手な演出も特徴的だ。「日本で例えるなら『NHK紅白歌合戦』。ここまでエンタメ性が高く、先進的なクラシックコンサートは日本にはない」と感じたという。

 1895年に始まったプロムスが英国内で浸透した背景には、「より幅広い層に極上のクラシック音楽を届ける」という一貫した理念がある。1927年からはBBCが運営。期間中は毎日、テレビやラジオで中継され、コンサートの当日には安価な立ち見券も販売される。最終日のコンサートは、ウェールズやスコットランドなど各地方の公園に設置された巨大スクリーンで同時中継され、多くの人たちが演奏を楽しんでいる。

 コンサート会場内では飲酒もOK。「プロムス」とは「散歩をしながら楽しめる」という意味の「プロムナードコンサート」の略語だが、その名の通り、気軽に質の高い演奏を楽しめるイベントとして、英国中の老若男女が訪れる夏の風物詩となっている。

 「プロムスジャパン」でも本家にならって、一部の席で1000円という破格の安さのチケットを販売する。また、会期中の11月2~4日には、JR渋谷駅周辺の3か所で、クラシック、ジャズなどの無料コンサートも開催。有料プログラムの曲目も、多くの層に関心を持ってもらえるように、マーラー「交響曲第5番」やチャイコフスキー「バイオリン協奏曲」など、日本人に聴きなじみのある曲をそろえた。

国内外の一流音楽家が集結

「BBC Proms JAPAN 2019」のプログラム

ユリアンナ・アヴデーエワ©Christine Schneider
ユリアンナ・アヴデーエワ©Christine Schneider

 プログラムに出演するのは、英国のプロムスと同様、実力・知名度を併せ持つ世界最高峰の音楽家たちだ。出演者を選定する上で重要視したのが、「多様性」だという。

 小池さんは、「プロムスは英国をまつりあげるイベントと思われがちですが、様々な国や世代の音楽に敬意を表してコンサートを作り上げている。プロムスジャパンでも、その精神を踏襲した」と話す。

 海外からは、2010年に女性として45年ぶりにショパン国際コンクールで優勝したユリアンナ・アヴデーエワのほか、世界的なバイオリニスト・ワディム・レーピンが出演する。また、ジャズでは1970年代のフュージョンブームを作った米国のギタリスト、リー・リトナーが、ジャズ界の巨匠・デイヴ・グルーシンとともにドリームバンドを復活させる。国内からも、バイオリニストの葉加瀬太郎、オペラ歌手の森麻季が最終夜の舞台に登場する。

次世代を担う若手音楽家にも注目

三浦文彰©Yuji Hori
三浦文彰©Yuji Hori

 国内外で活躍する若手の音楽家たちも積極的に起用した。象徴的なのが、11月3日のプログラム「日本を代表する次世代のソリスト達」だ。気鋭のソリスト2人がBBCスコティッシュ交響楽団と共演する。

 バイオリニスト・三浦文彰は、2009年にハノーファー国際コンクールを史上最年少で制し、NHK大河ドラマ「真田丸」のテーマ曲をソリストとして奏でた。ステージでは、ブルッフの「バイオリン協奏曲第1番」を演奏する。チェリスト・宮田大はエルガーの「チェロ協奏曲」を披露する。

挾間美帆©Hiroyuki Seo
挾間美帆©Hiroyuki Seo

 一方、同月1日の「ジャズ・フロム・アメリカ」に、自身のバンドを率いて参戦するのは、米国在住のジャズ作曲家・挾間(はざま)美帆。挾間は、米国のジャズ専門誌「ダウンビート」が選定した「未来を担う25人のジャズアーティスト」に、アジアから唯一選ばれた実力派だ。小池さんは「挾間さんの楽曲はクラシックとジャズの長所が織り込まれ、枠にはまらない楽しみ方ができる。最も旬なジャズ作曲家」と起用した理由を明かす。フィナーレではリトナーらとの共演も予定され、ジャズの新境地を目の当たりにできそうだ。

 

 

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758048 0 トピックス 2019/08/23 11:00:00 2019/08/23 11:39:07 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/08/20190820-OYT8I50025-T.jpg?type=thumbnail

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