2020年みんなの読売俳句大会~優秀作品発表

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 2020年みんなの読売俳句大会の優秀作品が決まりました。テーマは「冬の句」。応募総数265句の中から、特選5句、秀作15句が選ばれました。

 特選には賞状と副賞でよみぽ5000ポイント、秀作には賞状と副賞でよみぽ3000ポイントが贈られます。

 選者の望月周さん(よみうりカルチャー錦糸町講師)、環順子さん(よみうりカルチャー錦糸町講師)、辻内京子さん(よみうりカルチャー自由が丘講師)の選評とともに、応募作品をご紹介します。

 主催・東京連合読売会青年部、共催・読売新聞社 読売、日本テレビ文化センター

【特選】

冬林檎長寿の母に会いに行く(奈於美)

 林檎を手土産に母を訪います。簡潔明瞭な内容ですが、思いはたいへん深い作品です。季語「冬林檎」が印象深く、色のない冬の世界で命の輝きを象徴するように鮮やかです。

新婚の頬寄せて読む年賀状(林和寿)

 結婚したばかりの新年。届く年賀状には祝福の言葉が記されています。それを二人で読む楽しみ。独身時代とはまた異なる嬉しさがあるでしょう。「頬寄せて」がいかにも新婚。

風邪の子の浅き眠りや童歌(ゆきこ)

 熱を出した小さな子供がまどろんでいる。母親は心配そうに添い寝をして童歌を歌っている。優しい母親の姿を彷彿とさせる。

雪晴や合掌部落の梁の色(貞昭)

 奥飛騨の合掌造りの家屋。何代もの人たちによって守り継がれてきた家の梁は黒光りしている。小さな窓から雪晴れの光が差し込んでいる。

隙間風人工知能との共存(大熊峰子)

 人口知能と共存する現代。共存では済まなくなるかもという一抹の不安も。人工知能は我々の生活にどのような影響を及ぼすのか。未知の領域への複雑な思いが託された「隙間風」が絶妙です。

【秀作】

古毛布くるまりて見る母の夢(淡雪)

 母恋いの情を伝える作品。古い毛布が母の記憶を呼び覚まします。夢でしか会えない母に、会いたくなるときがあるのです。それゆえ、いつまでも捨てられずにいる「古毛布」。

宿坊の明けの勤行冬めきぬ(放浪者)

 寒さがつのってくる宿坊の朝の静寂を破り、勤行の音のみが響いている。厳粛さを感じる。

梅早し手入れ届かぬままの枝(大澤兎子)

 昨年は剪定も出来ぬままだったが、春の到来を知らせるかのように蕾が膨らんできた。

立冬の闇をかけぬけ朝刊来(中村登美代)

 新聞屋さんのバイクの音が明けきらぬ闇を駆け抜けて聞こえてくる。一日の始まり・・・。

口笛は海女の命よ霧深し(順子)

 海女が海上に上がるとき口笛を吹いてしらせる。命の知らせである。

昼灯し雁木にこもる酢飯の香(北方修司)

 「雁木」は雪国独特の景です。「昼灯し」「酢飯の香」に現実味があります。視覚、臭覚を通じて生活実感を捉えた見事な写生句となっているのではないでしょうか。

竹林の裾の日溜り冬椿(佐藤 京子)

 優れた風景描写です。「裾の日溜り」。竹林の周りの日溜りを言うことで、竹の鬱蒼とした密生をも描き出しています。日溜りには「冬椿」が咲くのでしょう。目に鮮やかです。

生き抜いて 友と語らん 年の宿(はらちゃん)

 年を越しながらの述懐です。あと何回、友と語らうことができるのでしょう。生き抜いて喜びを分かち合いたい。命への切望がひしひしと伝わってくる作品。

冬凪や群青色の深呼吸(安藤ゆき子)

 無季作品の名句〈しんしんと肺碧きまで海の旅 篠原鳳作〉を思わせますが、こちらは冬の凪いだ海らしい深い色合いです。呼吸に色を見たところに工夫があります。

湯豆腐や爪の色合ひほめらるる(内田令呆)

 マニキュアの色でしょうか、それとも爪そのものの色でしょうか。季語が絶妙で、「湯豆腐」をつつき合う登場人物のくつろいだやりとりや親密な間柄を様々に想像させます。

角摩れし往診鞄冬銀河(加藤ゆみ)

 年季の入った黒い往診の鞄が見えてきます。「角摩れし」は医師として生きてきた歳月を想像させる具体的で上手い描写です。それを支える季語「冬銀河」が巧み。

ベビーカー押す手に雪のおくりもの(小野みふ)

 ほのぼのと心温まる句です。「雪のおくりもの」に若い母とその子の明るい未来を感じます。子育ては大変な現実ですが、ちょっとした心の持ちようで生まれる詩心を感じます。

氷山の崩落の音太古へ消ゆ(池田利子)

 温暖化から発想したであろう地球の姿。実景を前にした写生の句ではないと思われるのに臨場感があります。想像力と詩情が絡み合い遥かな時空を感じさせるスケールの大きな句。

寒木の影絶壁を垂れにけり(こは猫)

 写生の眼と鋭い感性が絡み合った魅力的な句。引き締まったリズム、力強い表現によって、絶壁に寒木の影が垂れる、という独自の捉え方に説得力があります。

百円の白菜抱え帰りけり(馬場絹子)

 「百円」としたところ、抱えて帰った、ということろにほんのりとユーモアが感じられ味わいがあります。白菜を買って大事そうに抱えて帰る作者の姿が見えてきます。

全ての応募作品はこちら

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1169405 0 トピックス 2020/04/16 15:01:23 2020/04/24 14:44:44

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