[自民党総裁選]菅義偉さんこんな人…苦労人の「令和おじさん」

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菅義偉(すが・よしひで)氏(71)

 官房長官として安倍首相を支え続けてきた。総裁への意欲を一度も公言しないまま安倍政権の継承を掲げて出馬を表明し、本命に躍り出た。

 <菅さんが愛読する「人生案内」日本人の悩みに答えて1世紀

 たたき上げの苦労人だ。秋田から高校卒業後に上京し、都内の段ボール工場で働くが、数か月で退社。アルバイトで学費をため、2年遅れで法政大学に入った。

 卒業後、衆院議員秘書、横浜市議を経て1996年の衆院選に立候補し、47歳で初当選した。

 <菅官房長官の記者会見、通算3000回に…「やり取りは貴重な情報源」

 北朝鮮による日本人拉致問題を通じて安倍首相と親交を深めた。第1次安倍内閣で当選4回ながら総務相として初入閣を果たすと、ふるさと納税制度の創設に尽力した。

自民党総裁選で梶山静六・元官房長官を支持した菅氏(左)
自民党総裁選で梶山静六・元官房長官を支持した菅氏(左)

 政官界で、実行力への評価は高い。徹底してこだわるのが、省庁の縦割り打破だ。官房長官として人事権をテコに霞が関を掌握し、省庁横断で外国人観光客の誘致などを進めてきた。

 時に強権的との批判も招くが、周辺には「実績には自信がある」と言い切る。

 梶山静六・元官房長官を政治の師と仰ぐ。朝昼晩、財界人や官僚らと会食して情報を集め、判断力を磨く。かつては派閥に所属したが、10年以上無派閥を貫いている。

 昨年4月に新元号を発表し、「令和おじさん」として若い世代にも浸透した。下戸で好物はパンケーキ。党内外の人脈も豊富で、「ガラケー」でこまめに電話をかけ、丁寧にメールに返信する。

真理子夫人 内助の功…人柄「ファン多い」

2005年衆院選で駆けつけた支持者らとともに当選を喜ぶ菅氏と真理子夫人(左)
2005年衆院選で駆けつけた支持者らとともに当選を喜ぶ菅氏と真理子夫人(左)

 ファーストレディーになる夫人の真理子さん(67)について、関係者は「目立つことを好まず、夫を陰で支えるタイプ」と口をそろえる。選挙の時は誰よりも早く事務所で準備を始め、「菅に怒られていない?」と若い秘書らを気遣う。その人柄から、夫妻を古くから知る横浜市南区の斎藤精二さん(82)は「地元には『真理子ファン』が多い」と語る。

 2人は、菅氏が小此木彦三郎衆院議員の秘書だった1980年5月に結婚。手伝いで事務所に来ていた真理子さんを見初めた。新元号「令和」を発表した際の青色のネクタイは真理子さんが選んだものだ。菅氏は10年ほど前、体調を気遣う真理子さんの手作りスープカレーを毎朝食べ、4か月で14キロも減量した。

 菅氏は自民党総裁選の討論会で「感謝しかないが、今回支援を取りつけるのに一番苦労したのが家内だった」と笑いを誘った。

大の甘党 パンケーキ大好き

菅氏が定期的に足を運ぶ「SATSUKI」のパンケーキ
菅氏が定期的に足を運ぶ「SATSUKI」のパンケーキ

 菅氏は下戸で酒は飲めない。大の甘党だ。議員会館の自室で大福などを頬張るのが至福の時間。パンケーキにも目がなく、真理子夫人とともに人気店の行列に並んだこともある。

 菅氏が定期的に足を運ぶ店の一つが、国会近くのホテルニューオータニにある「SATSUKI」だ。パンケーキとフレンチトーストをセットで注文することが多い。激務の合間に好物を楽しみ、充電を図っている。

本紙が伝えた菅義偉氏の閣僚としての横顔

飾らず裏方に徹する…第1次安倍内閣(2006年9月27日付)

自民党総裁選の前日、安倍晋三官房長官(当時、右)の決起集会であいさつする菅氏(東京都千代田区のホテルで。2006年9月19日)
自民党総裁選の前日、安倍晋三官房長官(当時、右)の決起集会であいさつする菅氏(東京都千代田区のホテルで。2006年9月19日)

 安倍首相が最も信頼する側近の1人。総裁選で安倍氏支持の中核を担った派閥横断の再チャレンジ支援議連の発足メンバーとして活躍した。秋田県の農家出身。小此木彦三郎・元通産相の秘書、横浜市議を経て、衆院議員に。安倍氏とは、昨年、党の対北朝鮮経済制裁案の策定などを通じて深い関係を築いた。裏方に徹し、飾らない性格と行動力が強み。やや短気な面もあり、スピード出世に周囲のやっかみも多い。

調整得意な首相側近…第2次安倍内閣(2012年12月27日付)

 党内調整にもたけた、安倍首相が信頼する側近。総務相時代は、「ふるさと納税」の導入を提言するなど存在感を発揮した。秋田県の農家出身で、小此木彦三郎元通産相の秘書などを経て衆院議員となった。第1次安倍内閣も首相側近として支えたが、短命に終わり、巻き返しを期す。2年前スープカレーによる十数キロのダイエットに成功し、雑誌にも取り上げられた。

記者会見 まれに秋田弁…第2次安倍改造内閣(2014年9月4日付)

 秋田県の農家出身で、集団就職で上京した。サラリーマンや議員秘書、横浜市議などを経て国政に進出したたたき上げだ。首相の「女房役」の官房長官として毎日2回の記者会見を、まれに秋田弁がまじる素朴な語り口でそつなくこなし、首相から絶大な信頼を受ける。酒は飲めず、甘いものや麺類が好物。歴史小説を好み、座右の銘は「意志有れば道在り」。

菅氏の座右の銘「意志あれば道あり」
菅氏の座右の銘「意志あれば道あり」

危機管理 政権の要…第3次安倍改造内閣(2015年10月8日付)

 相次ぐ自然災害や邦人人質事件への対応に加え、閣僚の政治とカネの問題に素早く対処するなど、高い危機管理能力で政権を支える。沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題でも先頭に立つ。1日2回の記者会見にも安定感がある。省庁人事を掌握し、官邸主導を実現させたが、官僚からは恐れられる存在に。

危機管理に手腕を発揮…第3次安倍再改造内閣(2016年8月4日付)

 2012年の第2次安倍内閣発足時に官房長官に就任し、在職日数は歴代最長。危機管理対応に手腕を発揮し、沖縄問題などで陣頭指揮を執る。公明党・創価学会との太いパイプも強みで、連立政権の安定化に尽力。消費増税時の軽減税率導入や衆参同日選回避など重大な政策決定も主導してきたゆえに、自民党内には「権力が集中し過ぎ」との恨み節も。下戸だが、連日複数の夜会合をこなし、役所頼みでない情報収集に余念がない。

人事掌握 省庁ににらみ…第3次安倍・第3次改造内閣(2017年8月4日付)

 2012年の第2次安倍内閣発足以降、内閣の要である官房長官の重責を担い続ける。1日2回の定例記者会見で矢面に立ち、「高圧的」「攻撃的」との印象を与えることも。学校法人「加計(かけ)学園」を巡る問題では、「怪文書」と断じた文書の存在が明らかになり、釈明に追われた。省庁の幹部人事を掌握することで、霞が関ににらみを利かせる。経済界などに情報網を張り巡らせ、政策判断に深みを持たせようとする努力家の面もある。

「官邸主導」を定着…第4次安倍改造内閣(2018年10月3日付)

 省庁人事を掌握し、にらみをきかせることで、首相を中心とする「官邸主導」を定着させた。外国人労働者の受け入れ拡大では、霞が関の反発を押し切ったことも。官房長官の在職日数は歴代最長記録を更新中だ。北朝鮮情勢が緊迫した昨年、ミサイル落下前に未明の臨時記者会見を開いて警戒を呼びかけるなど、迅速な対応を心がけた。拉致問題や沖縄の米軍基地を巡る負担軽減にも力を注ぐ。好物はパンケーキ。

令和おじさん 選挙の顔…第4次安倍再改造内閣(2019年9月12日付)

 安倍首相を支える黒子役の印象が強かったが、新元号「令和」の発表で一躍時の人に。「令和おじさん」の愛称がすっかり定着し、7月の参院選は応援に引っ張りだこだった。官房長官の在職日数は歴代最長記録を更新中。霞が関の人事を掌握することで、関係省庁の反発する政策も力業で推し進める。外国人労働者の受け入れ拡大は代表例だ。毎朝の散歩を日課とし、パンケーキを食べるのが至福の時間。

経歴

1996年衆院選で初当選を果たした菅氏(菅氏の事務所提供)
1996年衆院選で初当選を果たした菅氏(菅氏の事務所提供)

1948年12月 秋田県生まれ
  75年 4月 法政大卒業後、小此木彦三郎衆院議員(当時)の秘書に
  87年 4月 横浜市議に初当選、2期務める
  96年10月 衆院神奈川2区から出馬し、初当選
  98年 7月 自民党旧小渕派(現竹下派)を退会
2000年 7月 加藤派(現岸田派)に入会
  02年 1月 国土交通政務官
  03年 9月 経済産業政務官
  05年11月 総務副大臣
  06年 9月 第1次安倍内閣で総務相として初入閣。ふるさと納税制度の創設に尽力
  07年10月 自民党選挙対策副委員長
  09年 9月 古賀派(現岸田派)を退会し、無派閥に
  12年 9月 野党時代の自民党幹事長代行
     12月 第2次安倍内閣で官房長官
  16年 7月 官房長官の在職期間が歴代最長に
         <衆院当選8回>

プロフィル

【身長・体重】1メートル67、65キロ
【血液型】O型
【愛読書】堺屋太一「豊臣秀長 ある補佐役の生涯」、コリン・パウエル、トニー・コルツ「リーダーを目指す人の心得」
【座右の銘】意志あれば道あり
【尊敬する人物】なし
【趣味・特技】ウォーキング、渓流釣り
【日課】腹筋100回、毎朝40分の散歩
【好きな食べ物】甘い物、麺類
【家族構成】妻と息子3人
【親族の国会議員】なし

語録

 「官僚は知恵袋であり、世界でも有数のシンクタンクと言っても過言ではなく、必要欠くべからざる存在です。その力をいかに活用できるかこそが、政治家の手腕なのです」(著書「政治家の覚悟 官僚を動かせ」より)

 「アピールに余念のない政治家はたくさんいます。しかしアピールばかりで結果を出さない政治家は、評価も信頼もされない。少なくとも私は結果を出す人しか信用しません」(「プレジデント」2020年7月3日号で)

 「この問題は、圧倒的に『東京問題』と言っても過言でないほど、東京中心の問題になっている」(20年7月11日、北海道千歳市での講演で。新型コロナウイルス感染症への対応を巡り、東京都の小池百合子知事への不満をにじませる)

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1464572 0 トピックス 2020/09/09 11:00:00 2020/09/15 12:18:48 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/09/20200914-OYT8I50078-T.jpg?type=thumbnail

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