菅内閣発足 20閣僚の横顔

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記念撮影に臨む菅首相(前列中央)ら(16日夜、首相官邸で)
記念撮影に臨む菅首相(前列中央)ら(16日夜、首相官邸で)

 自民党の菅義偉総裁(71)は16日午後、国会で指名を受け、第99代の首相に就任した。

 首相は同日夕に組閣を終え、菅内閣が発足した。首相官邸で記者会見に臨んだ首相は、「国民のために働く内閣を作る」と述べ、新型コロナウイルス対策と経済再生を最優先に、行政の縦割り打破や規制改革に取り組む方針を示した。

 今回の組閣では、閣僚数が1増の20人となった。19年4月に成立した特別措置法の規定に基づき、25年に開かれる大阪・関西万博の担当相を新設したためだ。

 閣僚20人のうち、再任や横滑り、再登板が15人おり、経験者を多く起用。初入閣は5人、女性は2人だった。菅内閣の20閣僚の横顔を紹介する。(敬称略。似顔絵・小河原智子)

副総理・財務・金融 麻生太郎

義理・人情の親分肌

 20日に80歳を迎える。健康維持のため、毎朝の散歩を欠かさない。2006年に15人で発足させた麻生派を54人の党内第2派閥へと育て上げた。総裁選では、菅首相の陣営で二階幹事長と主導権を巡り、つばぜり合いを繰り広げた。人に頼まれると断れない親分肌で、好きな言葉は「義理と人情とやせ我慢」。祖父は吉田茂・元首相。「べらんめえ」口調で、失言癖が改まる気配はない。(自民、麻生派)

総務 武田良太

党員獲得数「首位」経験

 防災相として被災住宅の再建支援制度拡充に道筋を付けた。災害時には、徹夜で対応にあたる内閣府の職員におにぎりを大量に差し入れたことも。2017年に党員獲得数で議員トップとなるなど、政治家としての活動量は折り紙付き。地元・福岡の首長選で麻生副総理兼財務相との対立も辞さない「武闘派」の面も。周囲の評は「気分屋で感情の起伏が激しい」。歌手の矢沢永吉さんの大ファン。(自民、二階派)

法務 上川陽子

胆力の強さに定評

 米上院議員の政策スタッフを経て政界入りした。2度目の法相を務めた2018年、オウム真理教事件を起こした教団元幹部13人全員の死刑を執行した。在任中の死刑執行は計16人で、平成時代の法相としては最多。「一度決めたら最後まで意志を変えない」(周辺)という胆力の強さには定評がある。派手なパフォーマンスを嫌い、「実績の割に影が薄い」と見られる面も。(自民、岸田派)

外務 茂木敏充

「交渉人」屈指の行政手腕

 永田町で指折りの行政手腕を持ち、英語力も定評がある。日米貿易協定をまとめ、トランプ大統領に「タフ・ネゴシエーター(手ごわい交渉人)」と評された。外相として8月から外遊を再開し、英国や東南アジアを精力的に回った。所属する竹下派では、将来の総裁候補として次期領袖りょうしゅうに推す声がある。気むずかしい性格で、官僚らに敬遠されることも。趣味はテレビドラマ観賞。(自民、竹下派)

文部科学 萩生田光一

要職歴任 党人派の顔も

 東京都八王子市議からのたたき上げ。文部科学相として小中学校のパソコン「1人1台」実現に向けて動いた。大学入学共通テストの英語民間試験の導入をめぐり、「身の丈に合わせて勝負してもらえれば」と述べるなど、発言に危うさも。菅首相の官房長官在任中、官房副長官として仕え、関係を深めた。党副幹事長や幹事長代行を務め、党人派の顔も持つ。趣味は映画観賞。(自民、細田派)

厚生労働 田村憲久

 
 

コロナ 党の対策本部長

 厚生労働族として知られ、第2次安倍内閣で厚労相を務めた。新型コロナウイルス対応では、党の対策本部長としてPCR検査の充実や医療体制強化に向けた提言を取りまとめた。総裁選で菅首相と戦った石破茂・元幹事長からの信頼が厚く、派の事務総長を務める。仕事に厳しく、官僚から恐れられることも。伯父は衆院議長を務め、「タムゲン」の愛称で知られた田村元氏。(自民、石破派)

農林水産 野上浩太郎

 
 

落選経験「大きな糧に」

 父は元衆院議員、祖父は元富山県議会議長の政治家一家で育った。大手不動産会社、富山県議を経て国政に転じた。2007年参院選で落選し、浪人中に膝詰めで有権者の声を聞いて回り、「政治家として大きな糧になった」という。堅実な仕事ぶりに定評がある反面、「おもしろみに欠ける」との評も。高校時代はバスケットボール部の主将を務め、インターハイに2度出場した。(自民、細田派=参院)

経済産業 梶山弘志

 
 

政治信条は「愛郷無限」

 経済産業相として、台風被害の被災地支援や新型コロナウイルスの影響に苦しむ中小企業支援に力を注いだ。政界入り前、商社を起業した経験がある。父は、菅首相が「政治の師」と仰ぐ梶山静六・元官房長官。父の座右の銘「愛郷無限」を政治信条とする。続投後は、東京電力福島第一原発の汚染水問題などに取り組む。「信義に厚いが、発信力に課題」との声も。(自民、無派閥)

国土交通 赤羽一嘉

バリアフリー政策 注力

 昨年9月の内閣改造で国土交通相として初入閣。省内では「こわもての割に接しやすい」と評される。バリアフリー政策がライフワーク。在任中、東海道新幹線の新型車両の車いす対策が不十分だと注文を付けた。党執行部を経ずに閣僚に登用されるのは異例。党内には「政治家として経験不足」との厳しい声も。新型コロナウイルスで低迷が続く運輸業や観光業の立て直しに真価が問われる。(公明)

環境 小泉進次郎

長男誕生時に育休取得

 昨年9月の内閣改造で環境相として初入閣を果たした。脱炭素社会を訴えたほか、7月に小売店でのレジ袋有料化を実現した。フリーアナウンサーの妻・滝川クリステルさんとの間に1月、長男が誕生。閣僚として育児休暇を取り、注目を集めた。父の小泉純一郎元首相譲りの発信力を持つ一方、「パフォーマンス先行」との声も。再任で、将来の首相候補として足場を固められるか。(自民、無派閥)

防衛 岸信夫

 
 

政治一家 実兄は前首相

 祖父は岸信介元首相、父は安倍晋太郎元外相の政治家一家の出身。安倍前首相は実兄にあたり、生後間もなく岸家に養子に入った。防衛政務官、外務副大臣などを歴任し、安全保障や外交を得意分野とする。台湾には、蔡英文ツァイインウェン総統をはじめ幅広い人脈を持つ。好物は「大衆中華料理店のギョーザ」という庶民的な面もある。「兄と比べて、押しが弱い」と評される。(自民、細田派)

官房・拉致問題 加藤勝信

コロナ対応 黙々と激務

 実務能力が高く、安倍前首相が「ポスト安倍」の一人に挙げたことがある。菅首相の官房長官在任時に副長官の立場で支え、信頼を得た。厚生労働相として新型コロナウイルス対応に汗をかき、激務でも黙々と仕事を進める姿が事務方の信望を集めた。ただ、部下の判断を尊重しすぎて「政治決断をためらう」と見る向きも。趣味はセーリングやオートバイ。妻と4人娘の6人家族。(自民、竹下派)

復興 平沢勝栄

 
 

TV出演 知名度抜群

 数多くのテレビ出演を通じ、抜群の知名度を誇る。元警察官僚で、中曽根内閣では後藤田正晴官房長官の秘書官として仕えた。1996年衆院選で、新進党の山口那津男氏(現・公明党代表)を破り、初当選。拉致問題では、超党派の拉致議員連盟に草創期から関わった。東大在学中、小学生だった安倍前首相の家庭教師を務めた。弁が立つ反面、「言動が軽い」と見られることも。(自民、二階派)

国家公安・防災 小此木八郎

 
 

バンド結成しボーカル

 父は菅首相が議員秘書として仕えた小此木彦三郎・元建設相。総裁選では菅氏陣営の選挙対策本部長を務めた。国会対策の経験が豊富で、第2次安倍内閣以降、党国対委員長代理として、野党との折衝に汗をかいた。「融通が利かない」とも評されるが、意見が異なる相手とも真正面から向き合う実直さが持ち味。同僚の国会議員とバンドを結成し、ボーカルを務めたこともある。(自民、無派閥)

行政・規制改革 沖縄・北方 河野太郎

英語力 政界トップ級

 「ポスト安倍」候補として今回の総裁選でも一時、出馬を模索した。思ったことをそのまま口に出す性格。かつて脱原発を公言し、最近も女系天皇の検討を訴えた。地上配備型迎撃システム「イージスアショア」の配備計画撤回では、与党への根回し不足が指摘された。政界トップクラスの英語力と発信力が武器。ツイッターのフォロワー数は安倍前首相に次ぎ、1日に何度も更新する。(自民、麻生派)

1億総活躍・地方創生・少子化 坂本哲志

 
 

こまめにブログ更新

 選挙区・熊本の地元紙記者、熊本県議を経て国政に転じた。2016年の熊本地震では、自宅が被災した。農林水産、総務行政の分野に明るく、衆院予算委員会の与党筆頭理事として野党との調整に骨を折った。趣味はジョギングで、マスクをつけて「皇居ラン」にいそしむ。近況報告でブログをこまめに更新する割に、「地味で存在感に欠ける」との声もある。(自民、石原派)

経済再生 西村康稔

 
 

ボクシング「タフさ」鍛え

 新型コロナウイルス対策の担当として、感染防止と社会経済活動の両立に尽力した。学生時代にボクシングで培った「タフさ」を生かし、記者会見は就任以来、300回を超えた。自民党が下野した後の2009年総裁選では当選3回ながら立候補した。新型コロナ対応では、閣内の根回しなしに踏み込んだ発言を繰り返し、「目立ちたがり屋」と皮肉られたことも。(自民、細田派)

デジタル改革 平井卓也

 
 

答弁 タブレット駆使

 党IT戦略特命委員長などを歴任した党内きってのIT通。IT相として行政手続きを原則オンライン化する法整備を進め、タブレット端末に保存した資料を読みながら国会答弁にあたった。菅首相が掲げる「デジタル庁」創設に向け、高い専門性を期待されての再入閣となった。5月の衆院内閣委員会に出席中、持ち込んだタブレットでワニの動画を見て物議をかもした。(自民、岸田派)

五輪・女性活躍 橋本聖子

昼食にプロテイン 日課

 五輪相として東京五輪の簡素化や新型コロナウイルスの影響で使えなくなった練習会場の確保に奔走した。夏冬通算7回の五輪出場で培った人脈が武器で、大会組織委員会の森喜朗会長の信頼も厚い。兼務する女性活躍相としての存在感は今ひとつ。小学生の頃に腎臓病を患ったことが政治の原点という。昼食に合わせ、筋肉のもとになるプロテイン(たんぱく質)を取るのが日課。(自民、細田派=参院)

万博・消費者 井上信治

 
 

体力維持に余念なし

 両親は眼科医で、幼い頃は医師に憧れた。成長するにつれ、「政策を通じて広く国民を救いたい」と思うようになり、建設官僚を経て政界入り。安倍内閣で環境兼内閣府副大臣を3期務め、被災地に足を運んで原発事故処理などに取り組んだ。調整能力に定評があるが、「八方美人」と見られることも。マラソン大会で完走するなど、体力維持に余念がない。趣味は温泉巡り。(自民、麻生派)

官房副長官

政務

 坂井学氏(さかい・まなぶ)衆院神奈川5区。財務副大臣、党副幹事長。東大。当選4回。55歳。(自民、無派閥)

 岡田直樹氏(おかだ・なおき)参院石川。財務副大臣、党参院幹事長代行。東大。当選3回。58歳。(自民、細田派)

事務

 杉田和博氏(すぎた・かずひろ)1966年警察庁入庁。内閣情報調査室長、内閣危機管理監。東大。79歳。

首相補佐官

 木原稔氏(きはら・みのる)衆院熊本1区。党文部科学部会長、財務副大臣。早大。当選4回。51歳。(自民、竹下派)

 阿達雅志氏(あだち・まさし)参院比例。党外交部会長、国交政務官。東大。当選2回。60歳。(自民、無派閥)

 和泉洋人氏(いずみ・ひろと)76年旧建設省入省。国交省住宅局長、内閣官房参与。東大。67歳。

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1483964 0 トピックス 2020/09/17 05:00:00 2020/09/17 16:54:12 記念撮影に臨む菅首相(前列中央)ら(16日午後10時19分、首相官邸で)=源幸正倫撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/09/20200917-OYT8I50037-T.jpg?type=thumbnail

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