「宣伝会議賞」攻略のコツ 審査員・一倉宏さんに聞いてみた

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 読売新聞社は、「新聞購読料+0円」で様々なデジタルサービスが利用できる読売新聞オンラインの魅力を伝えるキャッチフレーズを、日本最大級の広告コピーコンテスト「宣伝会議賞」で募集しています。キャッチフレーズの課題は「新聞とデジタルの両方が楽しめる読売新聞の魅力を伝えるアイデア」。コピーを考えるポイントについて、審査員を務めるコピーライターの一倉宏さんに聞きました。

宣伝会議賞 グランプリ決まる 読売新聞社賞はYOLの魅力伝える「一挙両読。」 

 応募締め切りは11月19日午後1時。応募はこちらから

商品・企業の”キャラ”を作れ

コピーライターの一倉宏さん。「あなたと、コンビに」などのコピーを手掛けた

――宣伝会議賞はコピーライターを目指す若手クリエイターの登竜門として知られています。まず、広告コピーを考える上で、どのような視点を大切にすれば良いでしょうか。

 「人を好きになるのと同じように、その企業、商品のことを『あっ、好きかも』と思ってもらうにはどうすれば良いかを考えることではないでしょうか。対象を擬人化して考えると言ってもいいでしょう。好きになってもらえるキャラクターを作っていくわけです」

――キャラクターですか?

 「CMを作る際によく『〇〇のこういう魅力を伝えてほしい』という依頼を受けますが、自分で自分のすごいところを自慢する人って、好かれないですよね(笑)。ですので、見た人に、この商品は『信用できそうだな』『頼れそうだな』『付き合ってみたいな』と感じてもらうための方法を突き詰めて考えていくことが重要です」
 「目指すべきキャラクターも商品によってずいぶん変わります。100円のお菓子であれば、面白い大喜利みたいな言葉が人を引きつけるかもしれません。一方、生命保険のキャラクターの場合、『面白そう』では保険商品を求めませんよね」

――実際にコピーを考える上で、知っておきたいアプローチはありますか?

 「コピーを考える切り口は大まかに言えば三つあります。一つ目はその対象に関わった当事者の視点。代表的なものは利用者の視点ですね。二つ目は、客観的にこの商品はこういうものだ、という『天の声』。最後の一つが、対象そのものが人のように語るという切り口です。宣伝会議賞では様々な企業が課題を出しています。それぞれの課題に対し、どのアプローチがしっくり来るか、考えていけばいいと思います」

――「天の声」とはどのようなイメージですか?

 「例えば、温水洗浄便座の存在を一気に広めたコピーが『おしりだって、洗ってほしい』。温水洗浄便座ができた時、最初はみんな『おしりを水で洗うなんて』と思っていましたが、『手が汚れた時、あなたはどうしますか? 乾いた紙で拭いても汚れは落ちないでしょ』と……。それで、みんな、なるほど、と納得できたわけです」
 「コピーの中で一番多い切り口はやはり『使ってみてどうだった』というものです。もちろんそういう作品にも素晴らしいものはたくさんあるのですが、それよりも、『おしりだって……』のようなズバッと本質をつかむようなものが出てくると、それはやはりそちらの方がいいですね。かなり上級者向けの話ですが」

――切り口以外でアドバイスをするとすれば?

 「作ったコピーは一回、寝かせてから応募してください。できたときに『これはすごい作品だ』と思っても、そのまま応募しない(笑)。翌日、同じコピーを見たときに、ちゃんと自分の思いが伝わる言葉になっているか、客観的に見て考えてみることが大切です。ほかの人に見てもらうのもいいかもしれません。自分の中ではいろんなイメージやストーリーを思い描いて、その言葉が出てきたとしても、実際は自分が思ったほどにその思いは伝わらないものです。特に今回のコンペティションでは、言葉一つで自分の気持ちが伝わるかどうかが勝負です」

コピー作りの楽しさと難しさを感じて

――読売新聞社の課題「新聞とデジタルの両方が楽しめる読売新聞の魅力を伝えるアイデア」に取り組む上でのポイントは?

 「今回の課題で、伝えてほしいことは『新聞とデジタルのいいとこ取り』です。ただ、『いいとこ取りできます』と言っても、『ほしい』とまでは思わない。まずは、例え話を考えてもらえばよいと思います。新聞とデジタルのいいとこ取りは、例えるなら、これとこれの組み合わせに似ている。それを探していく。もし『〇〇みたいなものなんだ』という発見があって、それがそのまま伝わるなら、ストレートに表現してもいいし、それを足がかりに別の言葉を考えてみてもいいでしょう」
 「正直に言えば、この課題はとても難しい。仕組みは分かるけど、一言でどういう良さがあるのかを表現するのは、スキルが試されます。ただ、紙とデジタルというのはすごく時代性のあるテーマで、こうしたサービスをどうコピーで表現するかは、コピーライターとしての腕の見せ所でもあります。コピーライターを目指す人には、ぜひ挑戦してもらいたい。もちろん読売新聞の読者の方に挑戦していただくのも大歓迎です。新聞には川柳の投稿コーナーもあったりしますが、そうした感覚で挑戦してみていただければ。コピーを作る楽しさと難しさみたいなものを体験していただけると思います」

――今年は新型コロナの影響で、社会は大きな変化に直面しました。その中での宣伝会議賞の開催です。表現にも変化が生まれてくると思われますか?

 「これは、コピーライターに限らず、いろんな方が言っておられますが、やっぱり視点が変わりましたよね。これまでのような、Aという会社の部長の〇〇、とか、コピーライターの〇〇とかではなくて、みな長い自粛生活の中で、一生活者に戻ったというか。自分の家で時間を過ごし、家族と話し、家のまわりを歩き、買い物をし、料理を作って……と、すごくエッセンシャルなことをする中で、その大事さ、楽しさに気づかされたところが大きいのではないかと思います。実際、僕自身もそうでした。結婚してから、こんなにもスーパーに買い物に行くのは初めてだったし、料理も結構作って、その楽しさに目覚めたりしました。そうした実感をもとにした広告表現もより出てくるのではないかと思います」

 いちくら・ひろし コピーライター。1955年生まれ。サントリー宣伝部から、仲畑広告を経て、一倉広告制作所を設立。主なコピーに、パナソニック「きれいなおねえさんは、好きですか」、サントリーモルツ「うまいんだな、これがっ」、ファミリーマート「あなたと、コンビに」、大塚製薬「ポカリ、のまなきゃ」など。作詞家としても活躍する。

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1530339 0 トピックス 2020/10/13 14:00:56 2020/10/13 18:07:31 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/10/20201002YGTGS005538_202010071742460114339.jpg?type=thumbnail

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