はやぶさ2 打ち上げ 小惑星探査 6年の旅
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小惑星探査機「はやぶさ2」が3日午後1時22分4秒、鹿児島県の種子島宇宙センターからH2Aロケット26号機で打ち上げられた。太陽系や生命の起源を探る手がかりを得るため、6年かけて地球と火星の間に軌道を持つ小惑星「1999JU3」から、水や有機物を含む岩石を持ち帰ることを目指す。ロケットは地球を1周して加速し、太平洋上空で、はやぶさ2を切り離す。
打ち上げは当初、11月30日を予定していたが、悪天候で2回、延期していた。
3日の種子島は薄曇りで、風は弱め。ロケットは、午前8時過ぎに燃料となる液体水素などの注入を終えた。
発射時刻の5秒前にはエンジンが点火され、カウントダウンが「ゼロ」を数えるとともに、ロケットは轟音を響かせながら一気に上昇した。
はやぶさ2はロケットの先端部分に格納され、午後3時9分、太平洋上空約890キロ・メートルで切り離される。その5分後、はやぶさ2は畳んであった太陽電池パネルを広げ、エネルギーを確保して自力航行の準備に入る。
はやぶさ2は、小惑星イトカワの微粒子を2010年に持ち帰った探査機「はやぶさ」の後継機で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が約289億円かけて開発した。約3年半後の18年半ば、目的地の小惑星に到着し、地球への帰還は、20年末を予定している。往復距離は約52億キロ・メートルになる見通しだ。
打ち上げを担当した三菱重工業によると、小惑星と地球は異なる軌道で太陽を公転しており、「限られた燃料で往復するため、打ち上げ時刻は秒単位で決まっている」と言う。遠い天体に向かう場合は、角度や位置などの小さなずれが、大きなずれにつながる。同社は「打ち上げのタイミングは1日1回しかない」と話した。