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【まとめ】はやぶさ2、地球に帰還へ…リュウグウで採取した貴重な試料とともに

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 小惑星探査機「はやぶさ2」が、地球と火星の間を回る小惑星リュウグウの探査を終え、6年ぶりに地球に戻ってきます。12月初旬に地球に最接近し、リュウグウで採取した石などの試料が入っているとみられるカプセルを分離、カプセルは12月6日未明にオーストラリアの砂漠に着地する予定です。

 このページでは、最新ニュースと解説記事をまとめたほか、専門記者の解説動画も視聴できます。どうぞご覧ください。(編集委員 吉田典之)

 →ニュースとこれまでの経緯は、こちらから

 【解説
「はやぶさ2」支えた綿密訓練
はやぶさ2着地 太陽系の進化 謎に迫る
3.4億キロ離れ業「完璧」 はやぶさ2着地

 【帰還スケジュール】(日本時間)
11月25~29日頃 ウーメラ砂漠に向けた軌道変更、地球まで約350万キロ
12月6日(土)14~15時頃 カプセル分離、地球まで約22万キロ
       15~17時頃 地球圏離脱軌道変更、地球まで約20万キロ
12月6日(日)2~3時頃 カプセル着地 はやぶさ2の通過高度200キロ以上

解説動画「はやぶさ2がもたらすもの」

 読売新聞調査研究本部の笹沢教一・主任研究員が、はやぶさ2の貢献からこれからの宇宙探査まで幅広く語ります。(11月25日午後4時頃から約30分間ライブ配信しました)
 ▽内容:<1>6年間の道程 すべて順調にに見えた着陸、観測、サンプル採取、帰還の裏には、初号機はやぶさの失敗、経験に学んだ、あくなき完成度の追求があったのでした。
 <2>試料が語るもの リュウグウを形作る岩石は、生命の元となる炭素が主成分。「味噌汁」を例えに、太陽系形成の秘密をぐっと身近に引き寄せ説明します。
 <3>人間と宇宙 はやぶさ2の帰還と同時進行で進む、国際宇宙ステーションへの日本人宇宙飛行士の搭乗と、新たな宇宙飛行士の募集。日本の宇宙探査はどうなる? どうあるべき? 議論の種を提供します。

 ▽笹沢教一:科学部、国際部、ワシントン、ジュネーブ各特派員、編集委員。カリフォルニア大学バークレー校講師。経済産業省産業構造審議会臨時委員。米国駐在時、将来の有人探査に向けてユタ州の砂漠に建設された模擬火星基地の滞在実験に参加。地球視点で諸問題を考えます。著書「ニッポンの恐竜」「僕が『火星』を歩いた日」など。

「はやぶさ2」とは?

小惑星探査機「はやぶさ2」。本体中央の丸い部分が岩石を持ち帰るカプセル(2014年8月31日撮影)
小惑星探査機「はやぶさ2」。本体中央の丸い部分が岩石を持ち帰るカプセル(2014年8月31日撮影)
プロジェクトの概要をまとめました。クリックすると、大きな画面で読めます
プロジェクトの概要をまとめました。クリックすると、大きな画面で読めます

 はやぶさ2は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した小惑星探査機です。先輩となる初号機は2003年に打ち上げられ、05年に小惑星イトカワに到達しました。

 初号機は表面の観測と岩石などのサンプル採集を試みた後、10年6月に地球に戻りました。この際、分離したカプセルはオーストラリアに着地して微量ながら貴重なサンプルを持ち帰った一方、本体は大気圏に再突入して燃え尽きました。地球の重力圏外にある天体に着地してサンプルを持ち帰ることに成功したのは、世界で初めてでした。

 はやぶさ2は、初号機が経験した障害や故障に学び、探査機本体だけでなく、地上での運用・管制法にも多数の改良を加えて14年12月に打ち上げられました。

太陽系の成立探る「玉手箱」とともに

 18年6月にリュウグウに到着し、翌年2月に1回目のタッチダウン(着地)に成功。その後も2回目のタッチダウンを行ったほか、小型探査装置をリュウグウ上に放出して調査を行うなど、初号機を上回る量と質のデータを得ました。

 6日に地球に帰還するカプセルの中にも、それなりの量の石が入っていると期待されます。太陽系の成り立ちの歴史を探る手がかりを秘めた、「玉手箱」といえるかも知れません。

 今回、カプセルを放出したはやぶさ2は、再び地球を離れ、新たな小惑星の探査に向けて宇宙の旅を続けます。

【動画】はやぶさ2の地球帰還CG動画を公開…JAXA

はやぶさ2が持ち帰るもの

地球とリュウグウの位置
地球とリュウグウの位置

 はやぶさ2が着地した小惑星リュウグウは、C型小惑星と呼ばれます。炭素(カーボン)や炭素を含む物質が主成分で、写真やイラストでは灰色に表現されていますが、実際には真っ黒です。炭素は、酸素や水素などと組み合わさった有機物を作り、私たち地球上の生命の元となっている元素です。

 地球も、元は太陽の周りを漂う物質が集まって形作られたため、リュウグウと似た成分の岩石はありますが、地球内部の熱や地殻の移動、雨風や太陽による風化など、さまざまな作用を受けています。

 リュウグウは、宇宙の真空状態で太陽から受ける熱以外にはほとんど変化を起こす要素がないため、太陽系が生まれた時に近い状態を保っていると言えます。今回地上に持ち帰るサンプルを分析することで、太陽系の進化について、より深く知ることが期待できます。

プロジェクトを率いるJAXAの津田雄一プロジェクトマネージャ(2019年4月5日)
プロジェクトを率いるJAXAの津田雄一プロジェクトマネージャ(2019年4月5日)

 地球重力圏外からサンプルを持ち帰るのは世界でも今回で2回目ですが、米航空宇宙局(NASA)では小惑星探査機「オシリス・レックス」を16年に打ち上げ、今年10月に小惑星ベンヌべの着地とサンプル採取に成功しました。ベンヌはB型小惑星と呼ばれ、C型とは少し成分が違います。オシリス・レックスの研究成果と情報交換をすることで、新たな科学的成果が期待されます。

動画リンク集

はやぶさ2が着地成功 JAXAが記者会見
はやぶさ2が着地成功 JAXAが記者会見
はやぶさ2、リュウグウ地表に接触…映像を公開
はやぶさ2、リュウグウ地表に接触…映像を公開

はやぶさ2 新たな映像を公開…JAXA
はやぶさ2 新たな映像を公開…JAXA
はやぶさ2、リュウグウの地表にクレーター作製
はやぶさ2、リュウグウの地表にクレーター作製

はやぶさ2着地成功でJAXAが記者会見(2019年7月11日)
はやぶさ2着地成功でJAXAが記者会見(2019年7月11日)
新たな映像…飛び散る岩の破片も
新たな映像…飛び散る岩の破片も

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1652131 0 トピックス 2020/11/18 15:00:00 2020/12/06 00:29:46 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/11/20201118-OYT8I50023-T.jpg?type=thumbnail

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