公示と告示 どう違う?「衆参補選・再選挙2021」
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4月25日に、衆議院北海道2区補欠選挙、参議院長野選挙区補欠選挙、参議院広島選挙区再選挙、三つの選挙が行われます。10月に任期満了が迫る衆議院議員の総選挙の前哨戦とも言われています。選挙前に知っておきたいポイントをQ&A形式でまとめました。(読売新聞オンライン 八角一紀)
前回選の結果は、コチラからご覧になれます。
・参院選2019 <長野>
・参院選2019 <広島>
・衆院選2017 <北海道2区>
そもそも「補欠選挙」とは?
議員の辞職や死亡に伴う欠員を補充するために行われる選挙です。公職選挙法に基づき、衆参両議院議員の補欠選挙は、年に2回、4月と10月にまとめて行われます。この制度は、2000年の改正公職選挙法で導入されました。9月16日から翌年3月15日までに欠員が生じれば、4月の第4日曜日に投票され、3月16日から9月15日までなら、10月の第4日曜日の投票となるのが原則です。
衆議院北海道2区と参議院長野選挙区で行われる補欠選挙と違い、参議院広島選挙区で行われるのは「再選挙」です。公職選挙法違反(買収・事前運動)で有罪判決が確定し、2019年の参議院選挙での当選が無効となったため、選挙をやり直すことになります。
国会議員の選挙だから「公示」されるのでは?

全国一斉に行われる衆議院議員、参議院議員の選挙の投票日を知らせることは、憲法7条で天皇の国事行為と定められており、「公示」といいます。憲法7条には、国事行為として「国会議員の総選挙の施行を公示すること」と規定されています。
一方、同じ国政選挙でも、補欠選挙などの場合は、全国規模で選挙は行われません。都道府県の選挙管理委員会が官報や公報に掲載して投票日を知らせることになり、「告示」といいます。どちらも選挙投票日を知らせる行為で、立候補者が届け出て選挙運動を始めることを意味します。
年2回に分けて行う理由は?

補欠選挙が年2回に統一されるまでは、実施理由が生じるたびに行われていました。1994年に選挙区の定数が「1」の小選挙区比例代表並立制に変わり、1人欠けるたびに行うようになると、補欠選挙が激増しました。それ以前の中選挙区制の場合、定数は3から5が基本で、定数1の選挙区を除いて2人の欠員が出た段階で補欠選挙が行われていました。通常の選挙に比べて、補欠選挙が有権者の投票率が低い傾向にあることも問題視され、年2回に統一されたのです。
当選後の任期は? 当選回数は+1?
補欠選挙は、当選しても残りの任期はほかの議員と同じですが、当選回数を増やせるチャンスでもあります。国会議員にとって当選回数はキャリアを示す重要な要素です。今回の場合、衆議院議員は任期満了が10月に迫っています。北海道2区の場合、候補者が続けて当選できれば、長くても半年の間に当選回数を2回増やせることになるというわけです。
いま急に衆議院が解散されたらどうなる?
公職選挙法に基づき、補欠選挙の告示後でも、当選者が決まるまでに衆議院が解散された場合、衆議院の補欠選挙はなくなり、総選挙として行われます。一方で、参議院の補欠選挙の場合は、予定通りに行われます。